村杉温泉旅行記1日目
2015年3月15日(日曜日)
9時34分上野発のMAXとき313号に乗るため、8時過ぎに家を出た。
もう少しゆっくり出ても間に合うけれど、何しろ上野駅の新幹線乗換が遠く、余裕を持つに越したことはない。
曇り空ではあったけれど、天気予報も「晴れ」だし、ミラコロを転がして出発である。
上野駅では、上越新幹線と同じホームを北陸新幹線が使っている。
早めにホームに上がったので、北陸新幹線の雄姿を見ることができた。しかし、何というか地味である。
鼻先もあまり長くなくて、今ひとつ速そうではない。
そして、10分間隔で来た北陸新幹線はガラガラだった。走り始めてからまだ3日目なのに大丈夫なのかと思う。
MAXときに乗り込み、2階席に上がる。
ミラコロを持って階段を上がる面倒臭さを甘受しても、眺めがいいのは嬉しい。新幹線だと防音壁に視界が遮られることが多いから、ちゃんと車窓が楽しめるというのはポイントが高い。
母が「新幹線の2階席に乗ったのは初めてかも!」と喜んでいて、旅に出た甲斐もあったというものである。
「雪がないねぇ。」と言い合っていたところ、越後湯沢駅到着前、トンネルから出た途端、そこは雪国になった。
空は晴れていて、遠くに見える山は雪山である。新潟に来た甲斐もあったというものである。
ところが、トンネルに入ったり出たりを繰り返し、新潟駅に近づくにつれて雪がどんどん減って行き、新潟駅到着時点では、見渡す限り、どこにも雪など積もっていなかった。何だか肩透かしを食らった気分だ。
11時45分に新潟駅に到着し、まずは、お昼ごはんを食べに行く。
新潟県内で「新潟県 すし三昧、極み」というイベントが行われている。売り文句に曰く”2007年4月政令指定都市新潟の誕生を祝って新潟のすし職人が新メニューを生み出しました。それが新潟すし三昧「極み」です。極みは、新潟の地魚+ウニ・トロ・イクラの特上1.5人前。新潟を満喫できるお寿司です。”ということで、JTBでもらった冊子に「この冊子を見せるとオマケあり」のクーポンが載っている。そちらを利用してお寿司を食べることに決めた。
宿のお迎えのバスが新潟駅に13時半に来るので、古町まで行くとちょっと時間が厳しい。駅近くの河竹鮨にお邪魔した。
もちろん「極み」を注文する。電車に揺られていただけなのに、朝食べたフレンチトーストはすっかり消化されてお腹が空いている。多分、1.5人前のお寿司が出てきても大丈夫だろう。
海老から作ったという魚醤、お味噌汁とともに、お寿司が運ばれてきた。
JTBのクーポンでいただけるオマケは、「お勧めのお寿司1貫」で、別皿で供された。
左上がノドグロ、隣がヤリイカ、真ん中の段の一番左がソイ、次がブリだったような気がする。「お勧め」はホーボーだった。この辺りがいわゆる「地魚」である。
ウニといくらとトロも美味しそうだ。
小ぶりのお寿司で、「もう一皿だって行けちゃうんじゃない。」と言いながら食べ始めたけれど、とんでもない。
ノドグロの溶ける感じや、ソイのちょっとコリコリしている感じ、貝(何貝だか忘れてしまった)のさらにさらにコリコリした感じを楽しんで食べていたら、最後の2〜3個という辺りで、急激にお腹がいっぱいになった。
母が言うには甘めの寿司飯で、それも関係あったかも知れない。
大将が店員の女の子を叱っている声が聞こえてきて、若干、居心地が悪かったけれど、でも、美味しいお寿司だった。
万代口から駅を超えて宿の送迎バスが待つ南口に行こうとしたら、これが結構大変だった。たまたまそういうルートを選んでしまったのか、エレベータやエスカレータが見当たらず、ミラコロを持ち上げて階段を上り下りするハメになる。
13時25分くらいに本日のお宿である村杉温泉 風雅の宿 長生館の送迎バスに乗り込んだ。すぐ出発である。
母と私の他には、年配の女性3人組が乗っているだけだ。やはり日曜から1泊する人は少ないのかも知れない。
もうほとんどいないだろうとおっしゃりつつ、白鳥の越冬で有名な瓢湖にも寄ってもらえることになった。
瓢湖には、30分くらいで到着した。意外と近い。
案の定、見渡す限り、白鳥はいない。それでも、意外と観光客らしき人が集まっていて、カモに餌をあげている。やはり瓢湖に白鳥がいるのは2月いっぱいくらいらしい。
何しろこの日は暖かくて、コートもいらないくらいだ。
湖一面にいる白鳥を見たいなら、11月か12月がいいという話だ。
しかし、お天気もいいし、遠くに雪山も見えているし、なかなかいい景色である。それに、よくよく目を凝らすと、5羽くらい、白鳥が残っている。
瓢湖からお宿までは車で15分くらいだった。
母と私で旅行すると、大体、あちこち観光したり寄り道したりしてから宿に入るので、15時前という早い時間にチェックインするのは初めてかも知れない。
「JTBのプランだと通常2500円の貸切風呂を500円でご利用いただけます。」と言っていただき、もちろん、お願いする。
ラジウム石の浴槽のお風呂、桐の木の寝湯の湯船のお風呂、この辺り特産だという瓦を湯船にしたお風呂と3種類の貸切風呂から選ぶことができる。
第一希望の16時からはすでに予約が入っていたので、17時からラジウム鉱石の湯船のお風呂を予約した。
5階に用意していただいたお部屋はエレベータの真ん前で、しかしうるさくなく、なかなか快適だった。
窓からは、雪を被った「野趣あふれる」お庭の様子を眺めることができる。
暖かい日だったし、水の音が聞こえること、村杉温泉の空気にはラジウムが多く含まれているという話を聞いていたことから、窓を開ける。
お茶を入れ、お菓子をいただいた。緑茶とほうじ茶が茶筒にたっぷり用意されているのが嬉しい。
お部屋には、ラジウム温泉の効能を説明したパンフレットや、この宿を特集した新聞記事などが置いてある。
貸切露天風呂を予約した17時までたっぷりと時間があるので、先に大浴場に行った。
内湯、それから「新潟県内最大級」という庭園露天風呂を楽しむ。
チェックインのときに、「露天風呂にある小さい湯船は、源泉のまま、26度のお湯なので、そちらにいきなり入らないでくださいね。」という注意を受けていたので、もちろん、大きい方の湯船に沈む。
よーく温まってから、源泉のまま26度だという小さい湯船に膝まで入った。それ以上はとてもじゃないけれど入る気になれない。
温泉の周りには雪があるし、雪を渡ってくる風はやっぱり冷たい。足湯で止めておいて正解というものだ。
大浴場の入り口には宿のお庭で湧いているお水が冷やして置いてあり、水分補給もばっちりである。
お部屋にも、冷水がポットで用意されている。
嬉しかったのは、バスタオルが一人2枚ずつ、浴衣も館内用と就寝用と2枚用意されていたことだ。ここまで至れり尽くせりだと、何回でも温泉に入るぞ! という気分になる。
大浴場から戻ってお部屋で休憩し、17時前にフロントに声をかけて貸切露天風呂に案内してもらう。
貸切露天風呂に向かう途中、松濤亭と名付けられた建物の横を通った。
案内してくださった方によると、松濤亭は明治期に建てられた建物で、釘が1本も使われていない。二階建てのその建物に貸切で泊まることができる。大体6〜10名くらいでというお話だし、グループで来たときには気兼ねせずに楽しめて良さそうだなと思う。明治の建物の中での宴会も乙である。
貸切露天風呂は、雪がなければお庭からも行けるという。
宿の方のお話だと、今年は雪が少なくてほとんど積もっていなかったけれど、3月12日にどか雪が降って雪景色が楽しめるようになったそうだ。それはラッキーである。
お庭とは別に貸切露天風呂まで屋根つきの通路が伸び、その先の建物に貸切露天風呂の入口が三つ並んでいる。
45分を目安にお願いしますと言われ、そそくさと内鍵をかけ、早速温泉を楽しむ。
2〜5人用と案内されていたけれど、カランは一つだし、湯船もそれほど大きくないので、「二人って感じだよね。」と母と言い合う。足を伸ばして入るには二人までだろう。
露天風呂でありつつ、屋根があって、開いている二方向には簾がかかっているので、「囲まれている感」がある。
しかし、母は、「壁ではなく簾しかない」ことと、雪景色のお庭が見えるということが不安らしい。「誰かとか、動物とかが来たら怖いじゃない。夜は嫌だわ。」と言う。意外と繊細だ。
我が家のお風呂のような温度調節のボタンがあって、「43度」などと表示が出ているのが何となく変な感じだ。
しっかり肩まで浸かると、大浴場で温まっていたこともあって、すぐに汗が噴き出した。貸切風呂の45分という時間は短いと思っていたら、45分で十分に堪能することができた。
そういえば、母との温泉旅行で貸切風呂を利用したのは初めてかも知れない。いくつになっても「初めて」なことはある。
お食事は、別館の食事処でいただく。予約した18時半少し前に再びフロントに声をかけて案内してもらう。
本館のお部屋は全てお庭に向いているけれど、実は別館の低い位置から見上げるお庭が一番絵になるのではないかという。
母が珍しく「日本酒を飲んじゃう?」と言うので、宿のオリジナルだという日本酒の小瓶を冷酒でお願いする。
本日の献立はこんな感じである。
食前酒
藤五郎梅の梅酒オリジナルブレンド
先付け
名物 五頭山麓牛乳当富
焼八寸
季節の香り 焼き物を添えて
お造り
時の時魚四種盛り
お凌ぎ
板長おまかせの一品
煮物
揚げ物
季節の揚げ物
台の物
和牛すき焼き
お食事
地元笹神産コシヒカリ 釜炊きにて
止め椀
漬物、味噌汁
デザート
日々の甘味 おたのしみ
温泉地としては山の中といった風情だけれど、この村杉温泉は新潟港から車で1時間もかからない。したがって、お刺身も新鮮だし、お肉も美味しい。
また、お料理に使っている野菜はほとんどが新潟県産である。
お正月に清水駅近くでお寿司を食べて以来、母の「美味しいマグロのトロ」の基準は清水港になったようで、「お昼に食べたトロも、このお刺身も、清水港で食べたのと同じくらい美味しいわ。」と言っていた。
日本海側までやってきた甲斐もあるというものである。
地元のものといえば、デザートも新潟の酪農発祥の地らしい、ヤスダヨーグルトのヨーグルトに梅のゼリー、季節の果物を添えたもので、爽やかで美味しかった。
キウイをすりおろして入れることでソースのようにしていただく。さっぱりしたヨーグルトで美味しく、明日買って帰ろうと決心する。
1時間ちょっとくらいかけ、「意外と早く食べたねー。」と言い合いつつ、夕食をいただいた。
途中でご挨拶に来てくださった大女将も、気さくで、宿の宣伝も忘れず、なかなか楽しい方だった。
私は「夕食後にも温泉に行くぞ!」気分が盛り上がっていたけれど、母は「まだ行くの?」と面倒くさそうにしている。
確かに、まだまだお腹がいっぱいで、温泉に行くには腹ごなしが必要な感じだ。
「だったら!」と、久々に旅に持参したオセロを始めた。
今回の旅行は本当に何も観光を計画しなかったし、お部屋にいる時間が長いだろうし、ヒマに違いないと用意してきた。
昔は結構母とオセロをしたけれど、いつの間にかオセロをやらなくなった。やらなくなったから捨ててしまったのか、捨ててしまったからやらなくなったのか、今現在の我が家にはオセロはない。
旅行に持って行くために買ったコンパクトなオセロは、オセロ盤も駒も小さくて、母曰く「お父さんのリハビリみたい」らしい。確かにそんな感じがしなくもない。
「やり方、忘れちゃった。」と言う母に「挟んでひっくり返せばいいのよ!」と始め、2ゲームやったところで「もうおしまい」と母に言われてしまった。
「私はいいわ。」と言う母を部屋に残し、一人で再び大浴場に向かう。
相変わらず空いている。ちょうど入れ替わりで出た方がいらして、内風呂で温まってから露天風呂を楽しむ間、またもや「貸切露天風呂」状態になった。嬉しい。
22時を過ぎ、お子さんを二人連れたお母さんが来て、入れ替わりに上がった。
部屋に戻ってテレビを見ていたら、もう23時過ぎだ。
そろそろ寝ようかと二人してお布団に入ったけれど、暑い。暖房を随分前に消したのに、それでも暑い。
そして、暑いからなのか、やたらと喉が渇く。
ついでに、私は湯当たりしたのか、前の日から始まっていた頭痛が治まる気配もない。
そんなこんなで、起きだしてはお水を飲みを繰り返し、3時くらいになってやっと寝入ることができた、と思う。
-> 村杉温泉旅行記2日目
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