秩父旅行記2日目
2016年5月5日(木曜日)
3人がそれぞれににかけていた目覚ましが機能し、6時半に起床した。
うだうだしてから温泉に向かう。部屋のお隣が温泉なので、多少うるさいものの、便利である。
今朝も貸切状態だ。内風呂と露天風呂の両方を楽しむ。昨夜はお腹がいっぱいすぎてとても洗えなかったし、意外と暑くて汗をかいてしまっていたので、髪を洗ってサッパリした。
お姉様方の話によると、私はもの凄くぐっすり眠っており、かつ歯ぎしりはしていなかったので奥歯は無事でしょうということだ。
8時少し前に「朝食の用意ができました。」と電話がかかってきた。
本館のお食事処に行く。
アクアファームのおじさんの予想通り、生卵の用意はなかった。その代わり、納豆とふりかけはご自由に、コーヒーもご自由に、他にお水とお茶の用意がありますという。
テーブル一杯にごはんの友が並べられ、席についてからお櫃に入ったごはんと熱いお味噌汁が供された。
美味しい。
旅先での朝ごはんというのはどうしてこんなに美味しいのでしょうと思う。
そしてまた、昨夜あれだけ食べて、その後はテレビを見て温泉に入ったものの寝て起きただけなのに、どうしてこんなにお腹が空いているのか本当に謎である。
ごはんを軽く一膳おかわりし、ほぼ完食した。
9時42分のバスは、宿から少し歩いた栃谷というバス停から乗ることになる。
計算が面倒だったので、宿代プラスアルファの切りのいい金額を集め、私が会計係をして最後に精算することにさせてもらう。
バスの路線図を見て、坂氷という途中のバス停で降りて羊山公園に行くことも検討したけれど、先に帰りの特急を押さえたかったのと、コインロッカーに荷物を預けて身軽になりたかったので、一度西武秩父駅まで行ってしまうことにする。
9時過ぎにチェックアウトし、もう一度、一番札所にお参りする。
大きなリュックを背負った数人の若者のグループや、身軽な感じで来ている年配のグループ、女性お一人の方など、「きっと札所巡りを始めるのね」という方々もいらした。
お姉様の気持ちも大分盛り上がり、西武鉄道と秩父鉄道が合同で開催している秩父札所めぐりハイキングに早速申し込むつもりらしい。
栃谷のバス停まで5分くらい歩く間にも、白い藤の花などたくさんのお花を見ることができた。
やっぱりお花が豊かな場所だなぁと思う。
まだ午前中だし、それほど渋滞はしておらず、西武秩父駅まで30分弱で到着した。
駅に着いたところで、帰りの特急券を購入するべく券売機に並んだ。
順番が来て、15時台の特急から見て行ったら、軒並み満席である。後ろに並んだ方にはご迷惑ながら、15時台から前後に見て行ったら、まだ10時過ぎだというのに、13時50分発か、17時台の特急しか指定券を取ることができない。
普通電車で乗り換えを繰り返し、立ったままで帰るのも辛そうだし、全員が翌日出勤の予定だったので、13時50分発の指定券を押さえた。
お姉様のお一人から、間髪入れずに「そうしたらお弁当を買って車内でお昼ごはんを食べようね。」と言われる。否やはない。
駅のコインロッカーに大きな荷物を預け、駅前にあったチケット売場で羊山公園の入場チケット(芝桜の時期だけ入園料300円が必要である)を購入する。
チケットを購入したら、芝桜の絵はがきがもらえた。
人の波が続いているので、駅から羊山公園まで迷うことはない。10分くらいで、臨時駐車場との間を結んでいるシャトルバスの乗り場に到着した。
そこからは登り坂になるし、一人100円で芝桜の丘まで連れて行ってくれるというジャンボタクシーを利用する。
今年は桜も早かったし、そもそも芝桜まつりの期間がGWまでだったので、5月5日に訪れたのでは少し遅いのではないかという秘かな危惧は的中し、芝桜は8割方、咲き終わっていた。
実際、「ピークを超えたので」という理由で、翌6日からは入場料無料になったくらいだから、本当に「最後の一花」といった段階である。
それでも、スッキリ晴れ渡った青空をバックにした武甲山とその手前の深い緑、さらに手前の芝桜のピンクのグラデーションは綺麗だ。
芝桜が濃く咲いている場所を探し、うろうろしながら「少し遅れた春」を満喫する。
「芝桜の丘」という名前がついたその場所は、「丘」というよりは「谷」という感じで、一番下に降りると両脇にV字型に芝桜が咲く斜面が向かい合っている。
絵はがきになっていた「白いハート」は残念ながらお花が終わっているようで、じっと目を凝らしても「知っているからハートのように見えるかも知れない」という感じだった。
武甲山と芝桜のツーショットを満喫した後、「秩父路の特産市」に移動した。ここも「入場料300円」の範囲内である。どうやら普段は野球場である場所に、屋台やテントを建ててお店を並べているようだ。
みそポテトや芝桜寿司等々、食べ物を売るお店もたくさんあって、用意されたテーブルはほぼ人で埋まっている。
はちみつのお店や、銘仙のお店、木工品のお店なども出ている。
流石にまだお腹は空いておらず、我々3人の狙いは「冷たいもの」である。
ソフトクリームのお店も何軒か出ていて「牧場」などと書かれているとつい近寄ってしまう。
そうして何軒か覗いた末にイチゴジェラートを選んだ。
美味しい。
冷たくて美味しいのはもちろんのこと、イチゴの味そのものといった感じだ。濃い!
ミルクジェラートも売っていたので、両方買って合わせて食べれば良かったかもと思いついたのはあっという間に食べ終わった後だった。
お店の名前なども忘れてしまった(というよりも、全くチェックしなかった)のが悔やまれる。
イチゴジェラートを食べて満足し、再びジャンボタクシーに乗って駐車場まで連れて行ってもらった。
既に12時近いけれど、続々と坂を登ってくる人達とすれ違う。
ジャンボタクシーを降り、坂を下り始める。登ってきたときに気になっていた「牧水の滝」という看板を再び見て「行ってみようか。」と脇道に入ったところ、こんな可愛らしい滝があった。
実は、この滝の下にさらに滝があって、下にあった滝の方が「牧水の滝」だったらしい。
若山牧水は秩父を訪れて「秩父の春」と銘打たれた39首を詠んでいる。
牧水の滝から割とすぐ近いところに、次の目的地であるちちぶ銘仙館があった。
ここでの目当ては織体験である。私以外のお二方はお着物を着られる方なので、「銘仙」にも興味があるらしい。
私は銘仙といわれると、竹久夢二の絵や、「大正ロマン」という言葉や、てれんという質感がイメージされる。
そう言ったら「うーん。ちょっと違うかも。」「大柄なんだよね。」「先に糸を染めて、それで模様を出して行くんだよ。」というお返事だった。今ひとつイメージが湧かない。
ちちぶ銘仙館は、羊山公園の入場券を見せると入館料が300円から50円引きになった。ちょっとトクした気分である。
中に入ると、秩父銘仙のショップがあり、お着物を飾ったホールのようなお部屋ではミニコンサートが予定され、麦茶をサービスしてくださり、蚕の繭から絹糸を採るところから始まり、糸を紡いだり、染めたり、織ったりといった工程が判るように丁寧な展示がされていた。
展示してある機械は、一部、今でも使っているようだ。
お姉様に「やっぱり織体験をやってみたい。」と言われて受付の方に聞いたところ、「今はお昼休みなので、1時頃からなら。」というお返事だ。
大体30分コースの体験を13時からやって、13時50分の電車に間に合うかどうか微妙なところだ。間に合わなかったらそのときのことだと意見が一致し、体験を申し込む。
体験開始まで展示物を見たりパンフレットを見ていたら、この銘仙館では「秩父銘仙後継者育成講座」が開催されていると書いてあった、3年間、土曜日に月3回、染めと織りの技術を学ぶことができるという。生徒の募集は3年ごとに行われる。
13時過ぎから始まった「織体験」は、まず横糸を選ぶところから始まった。
たくさんの糸巻があり、そこから4〜5色を選ぶようにと担当スタッフのおじさまに指示される。「できるだけ同じくらいの太さの糸を選ぶと良い」「ラメを入れると面白い」等のアドバイスをことごとく無視する結果となった私が選んだ糸がこれである。
織り上がった後の反省点としては「太い糸は色が強く出る」ことと「1〜2色は白っぽい糸を入れた方が全体が締まる」ことを意識すべしということだろうか。
この5本の糸を一緒に杼に巻き付けてゆく。大体50回くらいと指示された。
織ってゆくと、おじさまに「どうなるかと思ったけど意外といいじゃない。」と言われる。私の糸のチョイスに相当の危機感を持っていたらしい。
それならそうと早く言ってくれればいいのに! と思う。
10cm四方くらいのコースターは、20分弱で織り上がったと思う。「太い糸の方が早く織れるに違いない」というところだけは、私のヨミが当たった格好である。
始めと終わりに白を入れると締まるということで、5mmくらい白い糸で織り、おじさまに始末をお願いする。
「4〜5本ずつ取って玉結びをし、適当な長さに房を切れば完成」と教わった。
3人が織り終わったときには13時半を過ぎていた。
ダッシュである。
急いで駅に戻り、コインロッカーから荷物を取り出し、駅弁を購入する。特急ちちぶの発車3分前くらいに乗り込むことができた。一安心である。
席に着くなり、3人揃って、今織り上げてきたコースターの端の始末を始めたのが可笑しい。かなり真剣に糸の数を数え、数本ずつ玉結びにする。
不器用なくせに雑な私はとっとと作業を終える。もう14時半を回り、お腹が空いている。
特急ちちぶでは、1号車と7号車に自動販売機とお手洗いがある。お茶のペットボトルを購入し、真剣な表情で玉結びを続けているお姉様方に断って、先にお弁当を開いた。
みな寿しというお店の岩魚すしである。
美味しい。
私はこのまま頂いた。同じお弁当を選んだお姉様は「ちょっと臭みがあるから、お醤油を少し付けるといい感じ」と言っていた。この辺りにグルメかグルメじゃないかの違いが出る。
お姉様のお一方が「今日の夜食か明日のおやつに」と昨日到着時に購入していたおまんじゅう(というか、大福餅っぽい)を配ってくれた。ビニル袋の中で三つがお互いにくっつき合っていて、お姉様はそれを分解するのに苦労している。手がお餅だらけになっていた。餅つき後みたいである。
臨時特急だったらしい特急秩父は15時半前に池袋駅に到着し、「また温泉に行きましょう!」とツアコンのご用命を受け、解散となった。
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