スリランカ旅行記4日目その1
2016年8月9日(火曜日)
昨夜、Sさんに教わったとおりに「Before Sleep」の粉薬をマグカップ半分のお湯に溶いて飲んだところ、朝方、3回もお手洗いに通うことになった。
整腸剤というよりも、弱い下剤に近い。
「1日に2リットルのお水・お湯を飲んでください」という指示に従おうと意識して水分摂取量は多く、必然的にトイレも近い。
デトックスの一環ということなんだろう。
急げば朝のヨガに間に合う時刻だけれど、「無理に行かなくてもいいか」と思ってしまうとなかなかスピードアップできず、今朝はヨガはサボって海岸を散歩することに決めた。
7時過ぎにお部屋を出る。
ホテルの中庭から直接ビーチに出ることができる。
ホテルの庭から砂浜までの僅か数mのところにイヌが何匹がいることが多く、動物全般が苦手な私はちょっと怖かった。といっても、吠えられたり追いかけられたりした訳ではない。尻尾を振って近寄ってくる、フレンドリーなイヌたちだ。
ビーチとホテルを区切るフェンスには、常に赤い旗が揚がり、バタバタと風にはためいている。
ビーチに出て、まずは左方向に進み、前方に見える島の辺りまで行って来ようと決めた。
歩き出してすぐ、後ろを振り返ると馬が砂浜に佇んでいた。聞いた話によると、砂浜で乗馬体験もできるらしい。
朝のビーチはお散歩している人も多く、みな裸足で歩いている。私は何となくビーチサンダルでそのまま歩き続ける。
ホテル前から見えた島が目の前に来た辺りで引き返す。10分も歩いていない。我ながら軟弱だ。
ホテルまで引き返し、そのまま反対方向に歩いて行くとすぐ、スリランカ版海の家といった感じの建物が集まった一角があった。
パブリックビーチなのかも知れない。
しかし、この辺りはまだ風も強く、波も高い。海水浴に向いたビーチとは言えないと思う。
この海の家の一角からさらに5分くらい歩いたところに、お隣のホテルがあった。
バーベリン・リーフ・アーユルヴェーダリゾートだ。スリランカで一番古くから外国人を受け入れているアーユルヴェーダのホテルである。
バーベリンの少し先は入り江のようになっていて、ここまでの波の荒い海が嘘のように凪いでいる。
泳げそうだ。
でも、海で泳ぐために歩いてくるにはちょっと遠い。バーベリンに宿泊した人の特権というところだろう。
この辺りで引き返すことにしてふらふら歩いていると、ビーチボーイズのお兄さん達何人かに「リバークルーズに行かないか。」とか「街まで行かないか。」と声をかけられた。朝から商売熱心である。
「いらない。」と言うとあっさりと引き揚げて行く。商売になるんだろうか。
ホテル前の砂浜から左右両方、見える範囲をのんびり写真も撮りながら往復して40分くらいの散歩だった。
ヨガがまだ終わらない8時少し前にレストランに行ったら、意外と人がいて驚いた。自分のことは棚に上げ、ヨガに参加しない人も結構いるんだなぁと思う。
今日の鉄板のコーナーではホッパーとキトゥルパンケーキが焼かれている。スリランカ風朝食に決定だ。
最初、キトゥルパンケーキを指差してこっちをちょうだいと言ったら、シェフに「これは甘いわよ」と言われ、ホッパーに変更した。焼いてもらったホッパーに、玉葱等々の野菜を炒めた具を好きなだけ乗せるようになっている。
緑色のスープのようなものは、コラキャンダというお粥だ。お粥といってもお米はほとんど感じられないくらい煮込まれていて、スープのようだ。
いつも2種類用意されているヨーグルトの「水牛ではない方」は、ハードタイプといえばいいのか、ゼリーのような固さだ。
バナナも2種類あって、緑色のバナナの方は、ピッタとヴァータ体質の人にも推奨されている。
ツリーアップルのジュースも添えて、相変わらずの大量かつ贅沢な朝食をゆっくりいただいた。
赤い斑点は相変わらず腕の内側に出ている。背中の方が目立っているかも知れない。
朝から海風に吹かれたせいか、ちょっと頭が痛い。でも、何だかやっとヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラでの過ごし方に慣れてきたような気がする。
昨日教わった近道を通ると、一旦、2階に上がってロビーを通って行くよりも断然早くアーユルヴェーダセンターまで行くことができる。
そこで浮いた分の時間で、池に咲く蓮の花を観賞した。
ドクターのコンサルの開始10分前にアーユルヴェーダセンターに到着した。すでにギトミさんが待っていてくれている。働き者の彼女である。
今日のドクターは、若い男性である。多分、鍼を打ってくれたドクターだと思う。
ここでは訴えたもの勝ちだと思い、最初のコンサルのときには言いそびれていた、目が疲れるんですとか、腰が痛いんですとか訴えたら、午後にスペシャルセラピーとして背中のマッサージが追加された。
また、昨日の夕食時にドクターに訴えた腕の赤い斑点についてきちんと伝わっているようで、腕を見せるように言われ、Druda Sharira Mardana(ちょっとストレッチっぽいマッサージ)の欄に、使うオイルの名前が書き加えられた。
そのオイルには、炎症を抑える成分も入っているという。
もっとも、このコンサルは、今日から始めるシロダーラについての注意事項を伝えるのが主な目的だったらしい。
シロダーラ終了後に付けるスカーフは耳まで覆うようにすること、スカーフは風よけの意味があること、ビーチやプールなど風の強いところにはなるべく行かないこと、髪は洗わないこと(顔と身体はオッケー)、寝るときにはスカーフを取ってもいいけれど枕を汚さないようにタオルを敷くこと等々の、実際的な注意が告げられる。
ドクターの言うことを訳しているというよりも、ギトミさんの中にすでに全部入っている感じだ。
それから、どちらかというと精神的な注意が続く。
シロダーラを行うと感情が溢れるような感じになることがあるという。そうなったら、信頼できる人に話すと良いと言う。「いえ、私は一人でここに来ているんです」と思っていると、それが顔に出たのか、ギトミさんは、「ノートに書いたりして外に吐き出すようにしてください。」とつけ加えた。
コンサルは10分くらいで終わり、最初のメニューである鍼まで時間があったので、お手洗いに寄った。
本当にこんなことばかり書いているけれど、トイレが近い。
お手洗いから戻る途中、コンサルのときのドクターと行き会った。メニューの紙を出してと手振りで言われて渡すと、Acupuncture(鍼)の項目に、eye packと書き加えられた。
本日最初のトリートメントは、10時からそのAcupuncture(鍼)である。
ヨガ・センターに行き、並べられたマットに横になると、どこからともなくドクターが現れて、鍼を打ってくれる。
今日も、鍼を打たれるのは昨日と同じ4ヶ所だけでつまらない。
しかし、目を瞑るように言われ、綿で耳栓をされ、目の周りに何かで土手のようなものが作られ、その中に何かの液体のが注ぎ込まれた。
BGMが流れ、鳥の声も清々しい。
鍼を終えてウエイティングエリアで待っていると、セラピストのお姉さんに呼ばれ、簾で囲まれたエリアに案内された。
oil packである。
ガウンを脱ぐように言われて仰向けに寝ると、お腹にオイルを塗ってから、オイルをたっぷり染みこませた綿のようなものをお腹に広げてくれる。
その上から掛けてくれたバスタオルは温めてあったようで、心地よい。それでも何故か眠くならないのが我ながら不思議である。夜だって何度もお手洗いに起きているから「熟睡している」とはとても言えない筈だ。
11時半からのDruda Sharira Mardana(ちょっとストレッチっぽいマッサージ)を行うお部屋(多分、最初の日と同じシャワーとトイレが付いたお部屋だったと思う)に移動する。
お部屋移動のときには、必ずお手洗いに行ってしまう。
お部屋に行くと、マッサージに使うオイルを変更する話がすでに伝わっていて、これまでとは違う匂いのオイルが用意されていた。
緑色をしていて、何だかカレーの匂いがする。oil packで使っているオイルと同じものだろうか。
ハーブオイルだと言われて、適当に「コリアンダー?」と聞いてみたら、「違う。”シーダク”よ。」と聞こえた。正体不明である。
このマッサージは、いつものベッドに寝て行われた。
オイルマッサージはどちらかというと「撫でる」感じがメインだ。対して、このマッサージはセラピストさんが一人で担当し、もちろん「撫でる」感じもありつつ、関節を動かして緩めるような動きも多い。
マッサージを受けているときは大抵目を瞑っていたけれど、このときは動きが大きいせいかつい目を開けていることが多く、セラピストさんも対応に困ったのか「Body Styleがいいわね。」などと言ってくれた。
このマッサージは、他とは違って45分と長めだった。
マッサージ後、11時45分からHerbal Bath(ハーバルバス)だ。
初日に温いなと思ったお湯の温度は、この日も同じくらいだった。そして、初日とはハーブの種類が違っていたように思う。
セラピストさんが持ってきてくれた温かいハーブティを飲みながら全身浸かっていると、外気温が高いこともあって汗が噴き出してくる。
庭にはリスまで遊びに来て優雅な時間である。
ハーバルバスの後、再びオイルにまみれた下着を着けるのがちょっと気持ち悪い。
流石にハーバルバスに30分も浸かっていることはできない。
セラピストさんの声かけを待ってあがり、身体にタオルを巻くように言われ、椅子に座った。
そのときに、ついでに赤い斑点の出た自分の腕を写真に撮った。ハーバルバスの後だと、オイルも流されて、カメラに触ってもいいかなと思える。
やはり、相変わらず赤い斑点が出ている。痒みはなく、それは有り難い。
12時15分から、Herbal Inhalation(ハーブの入ったお湯の蒸気を顔に当てる施術)だ。
椅子に座り、バスタオルで作られた丸いところに顔を伏せると下から熱い蒸気が上がってくる。
その蒸気を生んでいるのが、ハーブを熱湯に浸けたものだ。
とにかく熱い。
顔から汗が噴き出してくる。
何となく「腹式呼吸だ!」と思い、試みる。もっとも、私はちゃんと腹式呼吸ができたと思えた試しがないので、このときもできていたかどうかは判らない。とにかく深い呼吸を心がけた。
それにしても熱くて、10分もしないうちにギブアップした。
午前中(といっても12時半)最後のメニューが、本日のメインイベントであるShirodhara(シロダーラ)だった。
お部屋にカセットコンロが持ち込まれている。このコンロの火がなかなか点かず、セラピストさんが舌打ちしていた。ちょっとコワイ。
ガスのカセットを交換し、オイルが温められ始める。
手前のバスタオルが敷かれていない部分の茶色いマットは外すことができ、その下は木の枠になっている。傾斜が付けられ、穴があり、その穴に通したヒモをつたって下に置いたバケツにオイルが流れる仕組みである。
タオルを巻いたまま仰向けに寝るように言われ、髪をまとめていたゴムは取ってしまう。
鍼のときのように耳栓をされ、目の上には何かを染みこませた綿が置かれる。何も見えない。
写真の右手前に写っているポットからオイルが流れ落ちて来ている、筈だ。かなり低いところからオイルが落とされているのを感じる。額の上20cmくらい、あるいはもっと低いかも知れない。
額の真ん中から始まって、ゆっくりと左右にオイルポットが動かされ、端から端まで往復している。
オイルの匂いに誘われているのか蠅が飛んでいるのが気になって手で払っていると、セラピストのお姉さんがウチワで蠅を追ってくれた。優雅だ。
寝ちゃったという話を体験者の方のブログなどで読んでいて、眠くなるかなと思って構えていたけれど全く眠くはならなかった。
オイルが額に落ちて当たるのを感じていると、何だかどうでもいいことが頭に浮かび、いかんいかん、オイルに集中せねばと思うと、今考えていた「どうでもいいこと」が何だったのか忘れる。その繰り返しだ。
もの凄く眠くなったりもしないし、感情的になるとか、感情が溢れてくるとか、昔の記憶が蘇ってくるとか、そういうことは全くなかった。
私はそういうタイプなのである。
多分、20分くらいで終了した。
シロダーラ終了後、私はそこに寝たままで、セラピストさんが二人がかりで髪に染みこんだオイルを絞ってくれる。
私の髪は長いし、量も多いので、オイルを絞るのも大変そうだ。
オイルを絞ると、髪をゴムで束ね、それから木綿の厚手のスカーフで髪と耳を覆ってくれた。プロの技である。
13時少し前、本日のトリートメント午前の部が終了した。
14時半からスペシャルセラピーの予定が入っているし、ガウンで来るように言われている。着替える訳には行かない。時間もないし、そのままレストランに直行した。
13時45分くらいからランチをいただいた。
ランチタイムは12時半からだ。トリートメントが終わり次第ランチタイムになるから、三々五々人が集まって来る。友人同士やご夫婦でもトリートメントの終了時刻が揃う訳ではないらしい。
何のスープだったか忘れたけれど、この1回だけ、ピッタかヴァータのどちらかで「推奨しない」ことになっていてスープが飲めなかった。ちょっと残念である。
メインはカレーで、豆のカレーの他に、野菜のカレーが日替わりでいくつか用意されている。
カレーの具は基本的に一つしか入れないらしい。オクラのカレーなら、具はオクラだけだ。
この日のデザートはバナナのムースだった。
もう、「バナナだ」としか言いようのない、濃いバナナの味のムースである。
フルーツも、バナナとオレンジとメロンとパパイヤは定番でいつもあり、その他1〜2種類が日替わりで出てくる。
パパイヤにライムをたっぷり絞って食べると美味しい。
たくさんいただいた。
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