スリランカ旅行記7・8日目
2016年8月12日(金曜日)
ドライバーさんは来たときと同じ人だったけれど、日本語ガイドさんは違う人だった。
あとで聞いたら、Sさんは「私はこの人と同じ車に乗って1対1で移動したくない」と思ったそうで、確かに、端正といったタイプではない。
来たときのガイドさんも、出稼ぎで日本に行き、そこで実地に身につけた日本語で今ガイドの仕事をしていると言っていた。
日本出国前、この日の立ち寄り先としてスーパーマーケットをリクエストしていた。紅茶を大量に買い込んでお土産がほぼ揃ったので、「ベアフットに行きたい。」と頼んだら、ガイドさんは快諾してくれた。有り難い。
来るときは高速道路を利用したけれど、ホテルから高速の入口まで、高速の出口からコロンボの街中まで、どちらも30分以上かかるから帰りは一般道を走ると言う。
大体1時間半くらいかかっただろうか。ずっと海沿いかつ線路沿いの道を走る。
ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラの中にいると全く分からないけれど、スリランカは決して経済的に豊かな、儲かっている国ではない。
スマトラ沖地震の津波の影響で、この海岸沿いを走る電車に乗っていた人が少なくとも5000人亡くなったという。それまで、スリランカに津波など来たことはなかったそうだ。
しかし、線路は再び海岸線に沿って、本当に海のすぐ近くに敷設されている。どうしてなんだろうか。
スリランカで一番行くべき観光地はシギリヤ・ロックだと日本語ガイドさんは何度も強調していた。
ちょうど今頃(8月)がベストシーズンだという。今頃スリランカを訪れれば、ペラヘラ祭を見ることもできると言う。
「そうしたら、スリランカで2番目に行くべき観光地はどこ?」と尋ねたら、「2番目はあり過ぎてどことは決められない。」という答えだった。
スリランカでは、スリランカ国民が受ける医療は無料である。学校も無料だという。
大学は、経済力に関わりなく、本当に優秀な人が集まるという。大学進学率は20%くらいだそうだ。
大学の授業は全て英語で行われ、そのため卒業するとみな英語圏の国に行ってしまうのが悩みの種らしい。
「アーユルヴェーダも大学で教えているんでしょう?」と聞いてみたら、その通りだと胸を張る。ガイドさん本人も含め、アーユルヴェーダの考え方や薬は、日常にかなり溶け込んでいるようだった。
スリランカでは県境はすべて川だとか、ここは有名な菩提樹のお寺だとか、スリーウィラーにはブレーキがついていないので交通事故が多いとか、バスのドアを開けっ放しで走るのは暑いからだとか、色々説明してくれる。
仏教徒はスリランカ人口の7割を占めており、その他にシンハラ人、タミル人、イスラム教徒、キリスト教徒がいると言われ、民族と宗教がほぼ同列に語られるのだなと感心した。
川を渡り、随分と都会に来たな、海港という感じだなと思っていたら、細い露地を曲がるようガイドさんがドライバーさんに指示をして、着いたところがベアフット本店だった。
意外な立地に驚く。
もっとも、駐車場の関係で、裏から入るような形になったようだ。
ベアフット本店にはカフェも併設されている。
お店に入るところでガイドさんに「30分でいい?」と聞かれ、了解した。
ベアフットでは布を買って、家に帰ってクッションカバーを作りたいと思っていた。まず、布の売場を探す。触ってみると、かなりゴワっとした厚手の木綿である。薄手の木綿や麻で作られたショールというのかサロンというのか、そういう布を買って帰ろうかとも考えたけれど、サイズが適当でなかったので、初志貫徹で1m890ルピーの布を2mずつ購入した。
布幅がシングルとダブルの中間だったのが謎だ。
1ルピーが大体0.7円だから、決して安くはない。
ベアフットでは、布や衣服、これが一番有名だろうぬいぐるみ、書籍やカード類なども売っている。
厚手の布を2mずつ購入したのでそれだけでもずしりと重かったけれど、甥っ子たちへのお土産にポシェットを選び、友人のお嬢さんには象のぬいぐるみ、原色の元気になれそうなカードがあったのでそちらも購入した。
30分後に合流したガイドさんが「随分買いましたね。」と目を丸くしていた。
次に連れて行かれたのは、お土産物屋さんである。
多分、ガイドさんが契約しているお店なんだろう。1階でダイヤモンドなど宝飾品が輝き、2階に行くと「いかにもスリランカ」のお土産が並んでいる。
すでにペンダントを購入していたのでダイヤモンドは「いらないわ。」とすげなく断り、しかし、店員さんが二人付きっきりで何も買わないというのもどうかという感じで、カレー粉(600〜1000ルピー)等と、象の糞から作った紙のメモ帳(675ルピー)を購入した。
その後は、ぐるっとコロンボ市内を回って車窓観光した。
とはいうものの、実はよく覚えていない。
車のリアウィンドウに色が入っていて写真が撮りづらかったので撮影は諦め、ガイドさんの説明を聞く。
独立記念堂や時計塔、どう見てもホワイトハウスにしか見えない市役所に映画館も兼ねているらしいオペラハウスなど、ぐるりと見せてくれる。
最後に立ち寄ったのが、これまでも見かけた巨大スーパーマーケットのApicoだ。
ガイドさんに「ギリギリだから急いで!」と言われ、「何が買いたい?」と聞かれる。何が買いたいというよりは、ぶらぶらと見て回りたかったんだけどなと思いつつ、とりあえず思いついたカシューナッツとコーヒーをリクエストする。先ほどのお土産物屋さんもそうだったけれど、豆はなく、挽いたものだけのようだ。ガイドさんお勧めのスリランカ産コーヒー(普通サイズで140ルピー)を購入する。
カシューナッツは結構お高くて、100gくらいの袋が415ルピーだ。
「他には?」と言われ、「アーユルヴェーダのものって売ってる?」と聞き、シッダーレパのバウムとお茶を購入した。
スーパーマーケットの駐車場で車に戻るとき、ガイドさんに「ドライバーさんはお金がなくて可哀想だから、チップをあげてね。」と言われた。
ホテルに送ってもらったときに渡しそびれてしまっていたこともあって、元々最後に渡すつもりだったのでそれはいいけれど、でも、何だかなぁという気はする。
スーパーマーケットでの買い物を終えて出発したのが16時30分くらいで、「渋滞していると遅れちゃうかも。」と言われ、少々焦る。
金曜日の夕方だし、ノルウェーの首相がスリランカを公式訪問する日で警備が厳重だったらしい。街中に警察官の姿が多いし、信号を止めて警察官が交通整理をしている交差点などもあって、やはり渋滞している。
「大統領府で歓迎パーティをやるんだ。」と言われて見ると、ガーデンパーティの準備中だった。日本だったら考えられないよなぁと思う。
現在建設中だという高さ350mのタワーは、上の方にホテルやショッピングセンターが入るそうだ。
何というか、エレベーターが通るだけの棒が立ち、その上に箱を乗せてあるといった感じのフォルムで危なっかしい見かけである。
当初は中国製のエレベータを設置する予定だったけれど、スリランカ人技師が強く主張して、日本製エレベータを設置することに決まったと言っていた。
空港に到着したのは17時頃だったと思う。
空港ビルの入口では何故か行列ができている。うわ、凄いよと思っていると「ガイドはここまでしか入れないから。」とあっさり言われ、放り出されそうになったので、慌ててチップを渡し、「荷物をスーツケースに入れたいんだけど。」と再度言うと、「そこでできるよ。」とガラスの向こうのスペースを指差して、帰って行ってしまった。
全く、来たときも帰るときも、別れ際が本当に適当な日本語ガイドだ! と心の中でブツブツ言いながら、とりあえず列に並んで空港ビルに入る。
他の人は何か紙を提示していて、どうすればいいんだと思いつつそのまま入ると、やっぱり「マダム!」と呼び止められた。
日本語で「とりあえず待ってね。」と言い、キャリーケースを広げて今日買ったものを詰め込む。布がかさばってかなり難儀し、無理矢理キャリーケースの鍵をかけようとしたらぐにゃりと曲がってしまった。予備を持っていて良かったよと思う。
とりあえず荷造りが完了したところで、入口の警備員さんにeチケットを提示しようとしたら、諦めたのか何なのか、「行け行け」と手振りで示された。そのまま、キャリーケース等の荷物をセキュリティ・チェックにかける。
未だに、空港ビル入口の仕組みがどうなっていたのか不明である。
ビル内に入ると、来たときも通ったような記憶がある両側に銀行の並ぶ通路を進む。
空港内ではスリランカ・ルピーは使えないと聞いていたし、日本国内での再両替はできないので、ここで両替しようかとも思ったけれど、我ながらもの凄く上手くお金を使い切って残金は300ルピーだし、時間も勿体ないので、素通りした。
チェックインカウンターのエリアに入るためには、また行列に並ばなければならないらしい。
スリランカ航空の制服を着た女性に「チェックインしたい。」とeチケットを見せると、ここに並べと言われて列の最後尾に付いた。
長い行列の先にあったのは再度のセキュリティ・チェックだった。さっきやってきたばっかりだよと思いつつ、再びキャリーケースを持ち上げて機械に通す。
その先にチェックインカウンターがずらりと並んでおり、カウンターの前にまたもや長い列ができている。
すでに17時15分を回っており、どうやら同じ飛行機に乗るらしいJTBツアーご一行様が近くに居なかったら、私の焦りは多分振り切れていたと思う。ツアーの方がいらしたので「乗り遅れることはない」と思うことができた。
チェックインの列に並んでいたら、20〜30分後に離陸予定の便に乗る乗客を探す声がずっとしていたから、ギリギリでも何とか乗せて貰えるんじゃないかという気がする。
チェックインカウンターを抜け、出国審査の列に並んだのが17時30分頃だった。
これがまた太い柱が立っている見通しの悪いスペースで、どこに並べばいいのか判らない。とりあえず奥に進み、列の短そうなところに並ぶ。
後になって思い返せばこの大量の行列も15分くらいで抜けられたのだから、焦る必要は全くなかったのだ。
この後が大失敗で、出国審査を抜けると、右手すぐにディズニーランドのようにくねくねとしたセキュリティチェック待ちの行列があり、その向こうに2階に上がるエスカレータがあった。
ボーディングゲートの案内板もあって、それを見れば2階のショッピングエリアの先にあるボーディングゲートに直接行けばいいと判ったのに、焦っていたせいで「早く並ばなくちゃ」と思ってしまい、特定の4便に乗る人のためのセキュリティチェックの行列に並んだ。
ところが、セキュリティチェックを抜けても行くところがない。
そこにあった椅子に座ってメモを付けていたけれど、どう考えてもおかしい。やっとそう気がついて、18時30分頃にセキュリティのスタッフにボーディングチケットを見せたら、「ここじゃない、2階に行け」と言われた。
そうだよね・・・。
がっくりと来つつ、モニターを見ると、私の乗るスリランカ航空454便のところに「Final Call」の文字が燦然と輝いている。
一応まだ離陸まで45分あるのに! と思いつつ、急ぎ足でゲートに向かう。
ゲートに辿り着くと、まだ搭乗は始まっていなかった。何のために急いだんだろうと再びガックリ来る。
アーユルヴェーダでチャージした何かをこの2時間余りで全て使い切った気分である。
18時45分頃に搭乗が開始され、UL454便はもちろん定刻通りの19時15分に離陸した。
私の席は来たときと同じ23Gだった。お隣は3人組のスリランカ人男性だ。
ドリンクサービスが始まり、この疲労感を何とかせねばとビールをお願いした。「日本のビールもあるわよ。」とCAさんが言ってくれたけれど、もちろん「スリランカのビールがいいの!」と答える。
LIONビールだ。
スリランカのお酒を飲むのは、多分、これが最初で最後だ。
ドリンクサービスに引き続き、20時15分頃に機内食が配られた。
チキンかフィッシュかで、フィッシュを選ぶ。
メニューは、ポテトとコーンと人参のサラダ、白身魚のソテー(ハーブとチーズのソース、人参とブロッコリーとポテト添え)、パン、オレンジパンナコッタだ。
チキンの方は「照り焼き」とメニューに書いてあったけれど、お隣で食べているのを見たら、何だかカレーっぽい見た目だった。
2016年8月13日(土曜日) ここから日本時間で表記
相変わらず飛行機で眠ることができない。
映画のメニューを見てみると、少なくとも日本語映画は行きと同じで「海街ダイアリー」しかない。二度は見なくていいよなぁと思う。
飛行機が割と揺れるのも気になる。
結局、持参していた本を読んだり、メモを付けたりしながら過ごし、ほとんど眠ることはできなかった。
5時30分過ぎに機内の電気が点いた。
そして、朝食が配られる。
フルーツとヨーグルト、クロワッサンという軽い食事だ。飲み物にアップルジュースと紅茶をもらい、完食する。
電気が点き、食事も食べ終われば、もう着陸間近だ。
7時に成田空港に到着した。キャリーケースの空港宅配を依頼し、自宅に電話をしたら甥っ子(弟)が出た。何やら言っているけれど聞き取れず、妹たちが爆笑しているのが聞こえる。
何だかよく判らないけれどこれから帰るからと告げて電話を切り、駅のホームに向かった。
帰宅して聞いたところでは、甥っ子(弟)はまず第一声で「浣腸が痛いの。」と言っていたらしい。そんなの聞き取れないよ! と思う。
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