鬼怒川温泉旅行記1日目
2017年3月11日(土曜日)
2017年最初の家族旅行、そして2013年秋以来の妹一家との家族旅行、そして甥っ子(弟)と一緒の初の家族旅行の行き先は鬼怒川温泉である。
これまでに何度も企画してはぽしゃっていたこの企画もついに決行となった。
母が「日光で塩羊羹を買いたい。」と言い、母と私は日光観光&買い物の後、鬼怒川温泉で妹一家と合流する予定である。
北千住駅を9時過ぎに発車する東武鉄道の特急スペーシアで下今市まで行き、そこで各駅停車に乗り換えて11時過ぎに日光駅に到着した。
絶対に母が大量の羊羹を買うに違いないと睨み、1泊2日の温泉旅行にミラコロを引いて来た。駅のコインロッカーにミラコロを預けてから、日光東照宮に向かう。
平成の大修理を終え、3月10日に竣工式を行ったという陽明門を拝観せずに通り過ぎることはできまい。
世界遺産めぐりバスに乗って西参道まで行き、そこから日光東照宮まですぐだ。
日光二社一寺の共通拝観券をめぐって「揉めている」というニュースを見て以来どうなったのかチェックしていなかった。
日光東照宮に行くと、やはり共通拝観券の販売はなく、日光東照宮のみの拝観券が1300円で販売されていた。共通拝観券のときはさらに別料金を支払わなければ見られなかった「眠り猫」もこのチケット1枚で見ることができる。
まだ修理中の三猿の横を通り過ぎ、陽明門を目にして、その鮮やかさにとにかく驚いた。
白い!
まだ完全には修理が終わっておらず、一部が布で覆われている。
それにしても、白い。
そして、黒と金のコントラストがとにかくくっきりはっきりしている。一層、その派手さというか艶やかさがアップしている。
流石に陽明門を「日が暮れるまで」見ている訳にも行かない。
さくさくと通り過ぎる母を追いかけ、唐門の前に至る。
唐門ももちろん派手で立派な門だ。修理を終えてリニューアルした陽明門には一歩も二歩も譲り、やはり少しくすんだ感じがする。
中国っぽい顔と服装の人々が碁を打ったりしている彫刻がぐるりと施され、こちらも彩色を再び施せばさらに鮮やかに蘇るんだろうなぁと思う。
門の向こうには御本社があり、かなりの人が拝観しているらしい。ごったがえしている。
母が徳川家康の墓所には行ったことがないと言い、そちらに向かった。
まずは、眠り猫を拝見する。こちらも彩色が施されて鮮やかに蘇っている。
もちろん、色彩は鮮やかになっても、猫は眠ったままだ。うたたねをしているところだと言われ、何かあればすぐに目覚める「ケモノの眠り」のようにも見える。
眠り猫の下ををくぐると奥宮に続く道がある。石を組んで作られた通路と階段だ。
前に来たときは、別料金だったことと雨降りだったこともあって、人がほとんどいない黒い静かな道だったという記憶が残っている。しかし今日はお天気も良く、「パワースポット」が一般化したこともあって、若い人が多い。
私の記憶とは全く異なる、明るい、開けた感じの奥宮を周り、巡ったところに行列が出来ていた。
折れてしまった杉の木と、その前に祠があり、その祠に向かって唱えると願いごとが叶うと言われている。
母に「並ぶ?」と聞くと「別にいい」という返事で、順番待ちの行列を横目に通り過ぎる。
実は鈴のお守りには少し心惹かれたけれど、母の「今、喪中だから」の一言で断念した。
ご本社に参拝しようと向かうと、ちょうど結婚式が行われていた。
神主さんがいらっしゃり、新郎新婦と親族の方々がいて、雅楽が演奏され、何とも厳粛な雰囲気である。
これだけたくさんの観光客に見られながらの結婚式はどうなんだろう、誰でも日光東照宮で結婚式を挙げることができるのかしら、でも珍しいシーンを見させてもらったわとちょっと得した気分を味わった。
新郎新婦のお二人のお顔を拝見できなかったのが、何故だかちょっと残念だ。
ご本社は、拝殿に人がいっぱいになると説明が始まる。左右の「将軍着座の間」「法親王着座の間」、これらのお部屋とを仕切っている杉の一枚板の引き戸、天井の竜の絵等々を拝見した後で「ご自分の干支の十二神将をよく拝んでください。」と言われてぞろぞろと本殿に向かう。
記憶にあった通り、匂い袋のお守りの宣伝もあり、普通のお守りは1年でお返ししますが、匂い袋のお守りは匂いが続く限りお持ちいただけますという話がある。
徳川家康が日光東照宮にお祀りされてから今年で400年ということで、記念のお守りも作られていた。
最後に薬師堂の鳴き龍を見に(聞きに)行った。
反響がするのは良くある話で、こちらの鳴き竜は、顔の位置の下で音を鳴らさなければ「鳴かない」ことが珍重されているらしい。
確かに、竜の顔の下で拍子木をカーンと打ち鳴らすと、鈴を転がすような音が聞こえ、そこから2mも離れたところで拍子木を鳴らしても全く反応しない。
説明してくださった方によると、湿度が高ければ高いほど「いい音」がするそうで、「今日は、この季節にしてはよく鳴っています」というお話だった。
12時40分くらいに陽明門を後にして神橋に向かう途中、輪王寺に立ち寄ってお線香を買った。
父へのお土産である。
今回もまた、ご朱印帳を持って来るのを忘れてしまった。もっとも、御朱印所はどこも結構な行列ができていたので、また次の機会でもいいかなと思う。
前回来たときにランチをいただいた油源を母が気に入ってまた行きたいと言い、今回もお邪魔した。
「日光東照宮400年式年大祭記念膳」という、家康の好物を集めたという特別メニューも気になりつつ、前回と同じく「湯波づくし膳」をいただいた。
揚巻ゆばの煮付け、生湯波の刺身、栃木牛時雨煮、ゆば卯の花、寄せ湯波の山椒味噌添え、ゆばと野菜のふんわり豆腐餡かけと、その名の通りの湯波づくしである。
ごはんも美味しく、海苔のお味噌汁も美味しい。
ゆっくり、ぺろりといただいた。
山椒みそと揚巻湯波をお土産に購入し、14時前に駅に向かって歩き始めた。
まずは、三ッ山羊羹本舗である。何しろ、ここで羊羹を買うために日光まで足を伸ばしている。
水羊羹と塩羊羹を一つずつ、「お彼岸のお茶請け用に」と一口羊羹を購入した。
重い。
やはり、ミラコロで来て正解である。
駅に向かう途中、父にお酒を買って帰ろうと酒屋さんに入ると、渡邊佐平商店という酒蔵の「大吟醸 日光誉」というやけに美味しそうな日本酒が目に入った。そちらを購入する。
酒屋のおじさん曰く「このままでも美味しいけど、冷やして飲むとさらに美味しい」そうだ。
昼食を食べる前に電話で予約しておいた、日光・鬼怒川エクスプレスというバスの乗車券を購入し、14時50分に鬼怒川温泉に向けて出発した。
電車で行った方が1/3以下の金額で移動できるけれど、荷物を持って乗り換えは面倒だし、ちょうど良く連絡する電車が見つからなかったので、バス移動にした。
楽ちんである。
15時半前に鬼怒川温泉駅に到着し、妹に連絡を取るとすでにホテルに入っていると言う。
明日の予定を簡単に打ち合わせ、帰りのスペーシアの特急券を購入した。来たときのスペーシアが満席だったので、早めに指定席を確保する。
本日の宿であるきぬ川ホテル三日月は駅の目の前である。
ロビーに入ると甥っ子達が走り回っていた。妹がすでに2部屋分のチェックインをしてくれていて、そのまま部屋に向かう。
甥っ子達は相変わらず元気だ。
今日は事故渋滞でなかなか車が進まなかったので、佐野でラーメンのお昼を食べ、鬼怒川温泉ロープウェイに乗って猿山を見て来たと言う。
「近いところで」とリクエストしておいたら、お部屋は隣同士にしてくれてあった。有り難い。
部屋に入ると甥っ子たちがすぐに遊びに来る。大量のトミカを持ってきているらしい。テーブルの上一杯に広げて披露してくれる。
その後も、基本的に母と私の部屋の鍵は開けっ放しで、甥っ子たちが自由に出入りしては、クラッカーを鳴らしたりしていた。
甥っ子(兄)は楽しげにクラッカーを次々と鳴らし、甥っ子(弟)はパンッという音が怖いらしく、甥っ子(兄)がクラッカーを始めると部屋に逃げ帰ろうとしたり怒ったりする。
また、お部屋の窓から鬼怒川温泉駅が見えており、スペーシアが来ると「電車がいる!」とその都度教えてくれる。
「あれに乗ってきたの?」と聞かれたけれど、カラーリングまでは覚えていないなぁと母と私の返事は心許ない。
妹が「おやつにしましょう。」と鬼怒川温泉駅前にあるはちやで買ったというバウムクーヘンとお茶セットを持ってきてくれた。
誰がお茶を淹れるか、誰がお茶を配るか等々の大騒動の末、みんなでバウムクーヘンをいただく。
美味しい。
17時半から18時の間にレストランに行く必要があるという夕食までにお腹を空かせる必要がある。少し休んで大浴場に行くことにした。
もちろん甥っ子(兄)が「男湯に行く!」と言えば、甥っ子(弟)も「一緒に行く!」と言うに決まっている。甥っ子達は義弟にお任せだ。
母と妹と私で女湯に行く。何故かお部屋に浴衣がなかったので、ロビーフロアで館内着を借りるついでに浴衣も出して貰う。
大浴場は広い。午前3時に男女入れ替えが行われる。
洗い場もたくさんあって、結構な人数がいる筈がまったく混雑を感じさせない。バスタオルと浴用タオルが用意されているのも嬉しい。
そして、ここのお風呂の一番のポイントは、「黄金の湯」である。バスタブが金色である。まさか、本物の金ではないよね? と思う。
大人二人が膝を抱えて入れるくらいの大きさで、もの凄く温く、長湯することは不可能だ。回転を早くするための作戦だと思う。
お風呂からあがって一休みし、レストランに行った。
ビュッフェ・レストランである。
席順でまたもや一悶着あり、甥っ子(兄)は母と私の間、甥っ子(弟)は妹夫婦の間に座ることになった。
こうなると私はもう甥っ子(兄)専属のお世話係である。
もの凄く食が細かった甥っ子(兄)も随分食べるようになって、リクエストに応えてお皿に取っていたら、ミニトマトやお寿司、天ぷらにステーキまで揃った。
自分で食べたいものをリクエストしたからか、デザートが食べたかったからか、完食したのだから立派なものである。
甥っ子(兄)に気を取られて写真を撮りそびれ、もはや自分が何を食べたのか覚えていない。にぎり寿司やお刺身、温野菜のサラダ、ステーキ等々をいただいたと思う。これでは甥っ子(兄)のお皿と変わらない。
甥っ子(兄)がチョコレートファウンテンをやると言うのに付き合い、アイスを食べたいと言うのに付き合い、甥っ子(弟)がオレンジを食べるようになったと喜び、自分もかなりデザートをいただいた。イチゴアイスとクレームブリュレが美味しかった。
つい甘い物を食べ過ぎて、コーヒーが欲しくなった。部屋に戻ってから持参したドリップパックでコーヒーを入れたら、部屋に甥っ子たちを連れて来た妹に「凄いコーヒーの匂いだよ」と言われてしまった。
レストランから部屋に戻ろうとロビーを通りかかったところで、外の噴水がちょうど踊っているのが見えた。
何というか、音楽に合わせて噴水が高くなったり低くなったり照明の色が変わったりといったイベントである。これが結構楽しい。
食休みをし、義弟はすでに夢の世界に入っているという話で、母と妹母子、私の5人で再び大浴場に行く。
その途中、またもちょうど噴水が踊っていて、甥っ子(弟)は突然高く吹き上がったりする音が苦手らしくすぐに逃げてしまったけれど、甥っ子(兄)は寒いのに元気で「動画で録って!」とリクエストされた。
すっかり冷えてしまたから温泉で温まりたいところだけれど、もちろんそんなに上手く行く筈もない。
甥っ子(弟)は頑として湯船に入ろうとせず「足湯」状態だし、甥っ子(兄)は私を連れ回して全部の浴槽に入ろうとする。それはいいけれど、各浴槽に浸かっている時間が1分もないから、全く温まらない。困ったものである。
それでも温泉の効果は高く、お湯から上がると意外とぽかぽかとしているように感じられる。不思議だ。
湯上がり処に給茶器が用意されているのも気が利いている。
冷茶を飲んで一休みし、21時半くらいに部屋の前で妹たちとおやすみの挨拶をした。「明日の朝食は7時ね。」と言われて「早くない?」と聞いたら、甥っ子二人はそれくらいの時間にはすでにお腹を空かせているらしい。
朝が早かった訳でも、もの凄くアクティブに活動した訳でもないのに、やけに疲れている。22時前には就寝した。
何となく冷え込みが厳しそうな気がして暖房を付けっぱなしにして寝たら、加湿器を使っても足りなかったらしく、夜中に母も私も喉の渇きで目が覚め、お部屋に用意されていた冷水ポットのお水をかわりばんこに飲む羽目になった。
-> 鬼怒川温泉旅行記2日目
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