奥日光旅行記(2017)1日目
2017年9月9日(土曜日)
5ヶ月ぶりの旅行は、母との日光温泉1泊旅行である。
仕事が立て込んで、詳細に計画を立てる時間も旅先で忙しく歩き回る体力もなく、「出かけて、美味しいものを食べて、温泉に入って、泊まって、帰ってくる」という旅行にしようという話になった。
駅でペットボトルのお水だけ購入し、東武鉄道のスペーシアで日光に向かう。
9時48分北千住発のスペーシアは満席というアナウンスがあった。
日頃の睡眠不足解消のためスペーシアの車内で爆睡し、10時21分に東武日光駅に到着した。
母と何度も日光に来ているので、コインロッカーの位置やバス乗り場、トイレなどほぼ把握している。
まず、コインロッカーにミラコロを預けた。
大笹牧場に行くバスまで時間が少しあったので、駅前のお土産物屋さんを覗いていたら、母がさかえやの揚げゆばまんじゅうを食べたいと言う。「これからお昼を食べに行くのに!」と言いつつ、店頭で1個揚げたてを買い求め、二人で半分こした。
サクサクの熱々で美味しい。ちょっと衣の塩気が強いなぁという感じだ。
10時50分発のバスで大笹牧場に向かう。
お客が5人くらいしか乗っていない。我々以外の乗客も霧降高原で降りてしまい、ついに二人だけかと思ったら、霧降高原から10人弱のお客さんが乗車した。
高原の散策をすでに楽しんだ方々が結構いらっしゃるらしい。
11時半、大笹牧場に到着した。
そこにはたくさんの車と、もっとたくさんのバイクが駐まっていて、そうか、みんなここには車で来るんだなと納得した。駅からここまでの道路も、くねくねしていて、空いていて、信号も少なくて、それはバイクで走ったら楽しいに決まっている。
東武日光駅からだいぶ上がって来たので、かなり涼しく感じる。長袖シャツを着ていてちょうどいいくらいだ。
夏休みが終わったばかりだからか、幼稚園に行く前くらいのお子さんが多い。
少しお腹を減らそうと「こやぎの丘」という、羊が囲いの中に飼われている辺りに行ってみると、羊はもちろんのことウサギやポニーなどもいた。
赤とんぼがたくさん飛んでいて、秋の花もさりげなく奥ゆかしく咲いている。カメラを新しくして、1cmまでの接写が可能になったので、色々と試しに撮ってみる。楽しい。
お天気が良くて、風も気持ちいい。お散歩日和だ。
大笹牧場発、日光駅行きのバスは12時55分発を逃すと15時20分までない。
それなのにわざわざ大笹牧場まで来たのは、前に来たときに食べたジンギスカンの美味しさが忘れられなかった母からのリクエストだ。
ここで食べそびれたら泣くに泣けないので、12時前にジンギスカンハウスに向かった。
意外なくらい混雑している。
ジンギスカンのセットには牛乳が付いている。これがまた濃くて冷たくて美味しい。
ジンギスカンも記憶に違わぬ美味しさで、母と「うんうん、これだったね!」と言い合い、ぱくぱく食べる。
ジンギスカンはタレが2種類用意されていて、母も私も「復刻版」と銘打たれたニンニク入りのタレの方がお肉と合うねという意見だった。
ジンギスカンでお腹いっぱいになったのに、「ブラウンスイスソフトクリーム」などという文字を見たら、それは食べない訳には行かない。
母と目と目で相談し「二人で一つなら!」と購入した。
ジンギスカンとセットになった牛乳が濃くて美味しかったから、その牛乳から作ったソフトクリームが美味しくない訳がない。
わざわざ日盛りのベンチに座って、「暑いところで食べる冷たいソフトクリーム」を堪能した。多分、私がソフトクリームのほとんどを食べてしまったと思う。
12時55分のバスに乗った。
大笹牧場を出て割とすぐのところに六方沢橋という橋がある。これが高い。フェンスに遮られてしまうけれど眺めもいい。車で来ていたら、橋のたもと両側に駐車場があるから、そこに駐めて景色を堪能したいところだ。
このバスは、発車後すぐに何故か時間調整のために道端で結構長く停まっていた。折角なら、景色のいいところで停まってくれればいいのになぁと思う。
一気に日光駅まで戻るつもりが、お腹も一杯だし、何だか歩き足りない。
前回来たときにはリフトに乗って上に上がり、道なき急坂を木の枝に捕まりながらおっかなびっくり降りた霧降高原では、その後、リフトが撤去されて遊歩道が整備された筈である。
バスの時間を見ると1時間弱なら寄り道できそうだったので、途中下車した。
霧降高原の遊歩道は、階段が1400段以上もあるらしい。
時間もないし体力もないので、AからRまであるところ、Cまで階段を上り、遊歩道をくねくねとゆっくり降りてくるという超短縮コースを歩いた。
それでも、いい眺めと、お花をたくさん見ることができて、なかなか気持ちがいい。
霧降高原のバス停で日光駅行きのバスを待っているときに万歩計を見たら、まだ5000歩だった。
歩かない旅である。
湯元温泉行きのバスまで時間の余裕があったので、東武日光駅では降りず、そのままバスでJR日光駅に行った。確か、JR日光駅の駅舎が可愛い建築だという話をどこかで読んだ記憶がある。
母も私もJR日光駅で降りたことも行ったこともなく、東武日光駅から本当にあっという間に歩けて意外だった。
JR日光駅の駅舎はかなり可愛らしい建物だった。
2階にあるお部屋は、一等車利用者用待合室「ホワイトルーム」だった場所で、現在はギャラリーとして一般公開されている。私達が行ったときには特に展示はされておらず、逆にお部屋の様子やシャンデリアなどをじっくり眺めることができた。
この駅舎ができたのは大正元年である。古いはず、いい感じの建築であるはずである。
けれども、やっぱり日光観光の表玄関は東武日光駅で、JR日光駅の回りは少し淋しく、待合室にもあまり人がいなかった。
東武日光駅から東照宮に向かうのとは反対方向に進んだことがなかったので、駅からすぐの場所にこんな杉並木が残っていることも今回初めて知った。
JR日光駅と東武日光駅の間、メインの道路から1本奥まった道路に、杉並木が僅かに残っている。
この杉並木を通って東武日光駅に戻ると、何だか人だかりがしている。何かと思ったらタカアンドトシの二人が旅番組のロケ中だったようで、ぶらぶらとというよりはどやどやと東武日光駅前の金谷ベーカリーに向かっているところだった。
横断歩道のこちら側からついまじまじと見てしまい、後になってカメラに映ってないといいなぁと思った。時既に遅しである。
東武日光駅構内のザ・金谷テラスで氷コーヒーとりんごジュースを買って喉を潤し、15時20分発のバスで本日の宿である中禅寺金谷ホテルに向かった。
日光湯元温泉行きのバスは結構な混雑で、座れないままいろは坂を上るのは辛いなぁと心配したけれど、何とか二人並びで座ることができた。有り難い。
バスは16時30分くらいに中禅寺金谷ホテル前のバス停の到着した。
このバス停からホテルのフロントまでが結構遠い。ホテルは目の前だけれど、坂を上がらなくちゃいけないし、近道を通ると途中から階段を上らないといけないし、意外と大変だ。
母曰く「このホテルに泊まるような人はバスじゃなくて車で来るのよ。」ということだ。
チェックインし、夕食の時間を予約する。18時か19時半が選べ「19時半の回にすると20時近くになるかも知れません」と言われる。夕食前に温泉にゆっくり入ろうと、19時半でお願いする。
前回泊まったときとの大きな違いとしては、ホテルのロビーにある階段下にセーフティボックスのコーナーが設けられていたことと、お風呂に暗証番号が設定されたことだ。いずれもセキュリティ強化のための方策だ。
確かに、大浴場はフロントから離れたホテルスタッフの目が届きにくいところにあるし、フロントへの近道を上がって来て最初に館内に入る入口が大浴場への通路になっているから、誰でも入ろうと思えば入れてしまう仕組みではある。
2階のお部屋を案内してもらう間、ホテルのお兄さんに「涼しいですね〜。」とか「明日のお天気はどうですか?」と聞いてみたら、この夏は中禅寺湖半でも雨が多く、気温が上がらず、「春の次に夏が来ないで秋が来たという感じです。」と言う。
今朝など最低気温が9度まで下がったと聞いて驚いた。真冬並みである。
お部屋に入った感じが、前に泊まったときと同じだった。もしかして同じお部屋だったのかも知れない。
お部屋に荷物だけ置いて、ラウンジに行った。すぐ近くにあるのが便利だ。
窓際のソファは埋まっており、暖炉の前のソファセットに陣どる。やはり、土日は混雑しているようだ。前に来たときは日曜から1泊し、ラウンジも貸切状態だった記憶である。
アイスコーヒーやアイスティが瓶に入れられ、そのまま氷で冷やされているところが、何だかお酒っぽい。
母はコーヒー、私はドイツのロンネフェルト社のティーバッグで紅茶をいただいた。何でも限られたお店でしか扱われていない紅茶だそうだ。そう言われれば飲んでみるしかない。
もっとも、私の味覚ではその「違い」はよく判らなかった。
そろそろ18時から夕食の方々は撤収しただろうと、17時半過ぎに温泉に向かった。
中禅寺金谷ホテルの温泉は、湯元温泉からはるばる引いているそうだ。12kmも離れているのに源泉掛け流しである。
基本的にグリーンのお湯で、気温やお天気によって白濁して見えたり、濃い緑になったり、色が変わってみるところが楽しい。
我々の他に5〜6人の方がいらっしゃった。内湯も露天風呂も凄く大きい訳ではないけれど、このくらいの人数ならゆっくりできる。
それにしても熱いお湯で、長くは浸かっていられない。そして、なかなか暑さがおさまらない。
予定の時間にほとんど遅れることなく、19時半くらいにフロントから「夕食のご用意ができました。」と電話が入った。有り難い。
母は、金谷ホテルオリジナル・日光三猿麦酒の「金のキレ」を選び、私はハウスワインの白をお願いした。
日光三猿麦酒には、「金のキレ」と「谷のコク」がある。母は「飲みやすそう」と「キレ」の方を選んだらしい。
前回と同じく、母が「トラウトディナーより本日のディナーがいい。」と言い、そちらに合わせる。
スープを選ぶことができ、母は白インゲンとチーズのポタージュ、私はコンソメスープである。
オードブルは鴨とフォアグラのテリーヌ、続けてそれぞれが選んだスープが供される。
バゲットと「いちごロール」というイチゴを練り込んだロールパンが出て来て、何だか楽しい。
コンソメスープに湯葉が吸い口として浮かべてあるのは記憶のとおりだ。
お魚は「天然平政のロティ」で、「うーん、ロティって何?」と思ったけれど、「ロースト」つまり「焼いた」ということらしい。
お肉は「栃木霧降高原牛サーロインのポワレ」で、ポワレは蒸し焼きを指すようだ。
栃木産の野菜をたっぷり添えた美味しいお魚、そしてお肉で、大満足である。
デザートに添えられたドラゴンフルーツが何故か私のお皿に載っておらず、ウエイターのお兄さんが慌てず騒がず「こちらのお皿にはありませんね。失礼いたしました。」と一度下げるというやりとりがあって、うっかり写真を撮りそびれた。
そんなこんながありつつ、1時間半をかけ、ゆっくりとディナーをいただいた。
お部屋に戻ると、ちょうどバレーボールがフルセットにもつれ込んでいた。勝負の行方を見守っていたところ、全日本女子はアメリカ合衆国にフルセットで負けてしまった。残念である。
バレーボールの勝敗を見届けてから、もう一度、大浴場に行く。
やはり、露天風呂が気持ちいい。そういえば、星空が見えるかどうか、見上げることを忘れていた。
流石に23時近いとロビーにも人影はない。
秋も深まると暖炉に火が入るそうで、それも見て見たいなぁと思う。
明日は起きられる時間に起きましょうと特に目覚まし時計もセットせず、23時過ぎに就寝した。
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