屋久島旅行記2日目その2
2017年10月8日(日曜日)
白谷雲水峡からバスで走ること30分弱、本日のお昼をいただく屋久島観光センターに到着した。
公的な施設のような名を持つお土産物屋さん兼食事処というイメージのお店だ。
バスを降りると、もわっとする暑さだ。白谷雲水峡のひんやりした爽やかさとは雲泥の差である。
このお店の入口にポストがあって、「ここにあった!」と騒いでいたら、ガイドさんに「今ここで出したら、今出航した船に乗せられなかったから到着するのが1日遅れになるよ。」と言われて納得した。
12時過ぎから「屋久杉膳」をいただいた。
屋久杉の器を使い、屋久島産のものに拘った献立になっている。特に、出汁を鯖やトビウオで取っているところがポイントだと思う。
お刺身も鯖の焼き物も美味しかったけど、海産物をたくさん入れた炊き込みごはんが特に美味しかった。
あんまり美味しくて、1階のお土産物屋さんコーナーでとびうおの出汁を購入した。
食後は1階のお土産物屋さんを見て回る。
結構広い。屋久島のお土産はほぼ網羅している感じである。
一湊にあるコーヒー屋さんのコーヒー豆を探したけれど、残念ながらこちらでは扱っていないようだった。
13時過ぎにお店を出発する。
朝ホテルを出てから宮之浦まで屋久島を概ね1/3周している。今日はこのまま反時計回りに屋久島を1周することになる。
嘘みたいに綺麗な色の海が見られるのが、永田いなか浜である。
それにしても暑い。暑いというよりも熱い。これが夏に来ると、日陰もほとんどないし、灼熱地獄だよとガイドさんが笑っている。
日よけに持っていた雨傘を差そうとしたら、風が強すぎてあっという間におちょこになってしまった。
1km続いているという砂浜のほんの一部をお散歩する。
ガイドさんに「看板が可愛いんだよ。」と教えてもらった。
確かに可愛い。
永田いなか浜はアカウミガメの産卵地として知られていて、5月から7月にかけて産卵する様子を、8月から9月にかけて孵化する様子を観察することができる。
ここで生まれたカメたちは、太平洋をわたってアメリカ西海岸に辿り着いて大きくなり、成体に近づくとまた日本に帰ってくる。
成体になるまで30年くらいかかるという。
ここの砂浜は随分と粒が粗い。
聞いてみたら、砕けた花崗岩が含まれているそうだ。ウミガメの産卵と何か関係があるんだろうか。
この花崗岩のカケラたちのお陰で砂浜が白く、海の青さとのコントラストが際立っていることは間違いないと思う。
バスで少し走ったところで、ガイドさんがしきりと窓の外を気にしている。
その様子に気がついたもうひとりのガイドさんが、運転手さんにお願いして橋の上で車を止めてくれた。
一番奥にあるギザギザの山頂を持つ永田岳(だったと思う。違っていたかも知れない。)の、そのギザギザがが見えている。
この山の山頂が見えるのは、とても珍しいそうだ。
確かに屋久島にある山の頂は常に雲に隠れている印象である。
永田いなか浜から30分強くらい走り、多分14時過ぎくらいにバスは西部林道に入った。
西部林道は、屋久島の世界遺産指定地域の中で唯一、車でのアクセスが可能な場所だ。道は狭く、25人乗りくらいの小型バスまでしか通ることができない。
島の人達が、そして観光客の多くも、屋久島を一周するときには反時計回りに回る。その理由は、多分、西部林道を通るときに、自分が崖側を走ることを避けたいからではないかと思う。谷側に避けようとして転落したら目も当てられない。
「まだヤクシカを見ていない!」と大騒ぎして窓の外を探していたら、やっと出会うことができた。
何だかほとんど保護色のようになっている。ヤクシカである。
写真は上手く撮れなかったけれど、この後、親子連れのヤクシカにも会うことができた。
何だか重たそうな首輪をつけたヤクシカもいて、聞けばGPSを搭載した首輪で、ヤクシカによる植生被害を防止するための研究がされているという。
バスを停められる場所は限られていて、我々を降ろせる場所と、我々を待つための退避場所があるところということで、ほんの少しだけだけれどバスを降りて世界遺産指定地域を歩いた。
多分、15〜20分くらいだったと思う。
屋久島が世界遺産に登録されたのは、標高による気温差によって、亜熱帯から亜寒帯までの様々な植物が狭い地域で観察できることが理由だった、ような気がする。
その、一番海側の地域が西部林道だ。
足の長い虫は多分「ザトウムシ」で、確かガイドさんはもののけ姫と絡めた説明をしてくれていたと思うのに、何故か全く記憶にないところがかなり情けない。
せっかくネイチャーガイドさんと歩いて、結構色々とおしゃべりもしてもらったのに、と思う。
でも、道端に猿がいたよとか、木洩れ日が綺麗だったよとか、意外と鳥の声が聞こえなかったよとか、そういう「感じ」を味わえてそれで充分という気もする。
西部林道を出てすぐのところにある大川の滝に到着したのは15時を過ぎていた。
「大川の滝」と書いて「おおこのたき」と読む。川沿いの道を歩いて行ったその奥に、岩肌に沿って流れ落ちる滝があった。
滝壺まで岩を伝って行けそうではあるけれど、我々のツアーは年配の者が多いので、そこまでの無理はしない。遊歩道の一番奥の行き止まりまで行き、そこから見上げた。
この大川の滝は落差88mで、日本の滝百選にも選ばれている。
大川の滝の入口から10分ほどバスに乗り、川沿いの道を歩いてすぐのところに、中間ガジュマルがある。
何というか、かなりフォトジェニックなガジュマルだ。NHKの連続テレビ小説「まんてん」のロケ地になったという話も納得である。
一応、このガジュマルの木の奥の家に「まんてんの**の家」などの看板がかかっていたりもしたけれど、商売っ気というものを全く感じさせない。
道をふさぐようになっているガジュマルの木は、ガイドさん曰く「宅急便の車が通れるギリギリの」高さに切ってあるそうだ。
この「中間ガジュマル」で本日の行程は全て終了である。
ホテルに到着したのが16時半で、ネイチャーガイドさんお二人と握手してここでお別れした。
すっかり喉が渇いていて、ホテルの売店で冷えたたんかんジュースを買って飲む。母と二人で「美味しいけど、買って帰らなくてもいいか。」などとエラそうに論評する。
夕陽の写真を撮ってやろうと、少し早めかつ慌ただしく17時前に温泉に行った。
昨日と違わぬいいお湯である。そして、あっという間に温まる。
17時50分くらいから10分弱のサンセットを、ホテル2階のテラスから満喫した。
世界遺産つながりという気分か、何故か18時からTBSの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道II」に母と二人で見入ってしまい、今日もまた18時半からの夕食に少し遅れてレストランに向かった。
学習しない我々である。
本日の夕食は「尾之間会席」である。
昨日のツアーメンバーの方々の飲みっぷりに刺激されて飲みたい気持ち満々になり、「屋久の島」という焼酎をロックでお願いした。
母は珍しくビールではなく白ワインを頼み、口当たりが良かったようで、「これなら全部飲めるわ。」と言っている。
本日のお料理はこんな感じである。
前菜
柚子風味の蒸し豆腐、黒毛和牛コールドミート ポン酢ジュレ、水イカの大葉ジェノベーゼサラダ
造り
本日のお造り 三種盛り
(どんなお魚三種だったか、すでに忘れてしまった)
揚げ物
トビウオのつけ揚げ
替り鉢
鹿児島県産鰻の若狭や気風 わさびと蛇腹胡瓜を添えて
この辺りで焼酎のお代わりを頼んだ。
飲み物のメニューをお願いし、メニューをお願いしたくせに「今**を飲んだんですけど、次は何がいいと思いますか?」と無茶振りをしてお聞きしてみる。
同じ酒蔵の焼酎が良いでしょうとおすすめいただき、「大自然林」という焼酎をお願いした。
これがもの凄く美味しい焼酎だった。購入して帰ろうかと思ったくらいだけれど、屋久島内限定販売、しかも販売している酒屋さんが限られているそうで、ホテルの売店で購入できなかったのが残念だ。
合肴
半熟赤卵の鯖節醤油煮 ふわふわソースと共に
魚料理
鹿児島県産ブリの衣揚げ射り出し流し 柚子胡椒おろし添え
肉料理
鹿児島県産黒豚ロースト 胡桃入り西京味噌の炙り焼き 朴葉のお皿で
お食事
大分県産ひとめぼれ、香の物、さつま揚げ入り澄まし汁
デザート
ブラマンジェ フランボワーズソース
1時間半くらいかけてゆっくりいただいた。
美味しい夕食とお酒に大満足である。
流石に焼酎をロックで2杯も飲んでしまうと、食後に温泉に行くのは不可能だ。眠いし、ふらふらする。
ベッドに寝転がって、テレビをのんびりぼんやり眺め、22時には母ともども就寝した。
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