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2018.02.27

京都旅行記(2018)1日目その1

2018年2月11日(日曜日)

 5時に起きたら、雨が止んでいた。
 雨の中、ミラコロを転がすのは大変なので、雨が降っていたらタクシーを呼ぼうと思っていた。これはラッキーである。しかも暖かい朝だ。
 もっとも、おかげで出がけにショールを巻くのを忘れてしまった。

 始発のバスに乗り、予定よりも1本早い電車に乗れて、東京駅にも早めに到着することができた。
 自動販売機でお茶を買い、発車10分前には座席に落ち着いた。今のところお隣は空席だ。
 7時半発のぞみ11号は定刻通りに静かに発車した。
 それにしても、新幹線は山手線並みにたくさん走っているなぁと思う。それでもそこそこの乗車率なのだから凄い。

富士山 8時15分ころ、窓から富士山が見えた。
 山頂付近には雲がかかっているものの、青空がバックなのが嬉しい。
 これなら富士駅辺りで、でーんと大きな富士山が見られるかしらと期待していたら、山を一つ超えたことになるのかお天気が全く変わっていて、富士山は裾野まで完全に雲に隠れてしまっていた。残念である。
 残念ついでに、小腹が空いた気がして、持参していたお菓子を食べてお腹をなだめた。

 9時48分に新幹線は京都駅に到着した。
 天気は曇りだ。
 いったん改札を出て、ミラコロをコインロッカーに入れる。
 最近のコインロッカーはSUICAで支払い、かつキーにすることもできるらしい。国内旅行の際に日頃から小銭を貯めている小銭入れを持参する習慣も、そろそろ必要なくなるのかも知れない。
 身軽になったところで在来線に移動して、10時10分発の山陰本線に乗った。入線前にホームに行くことができてギリギリ座れたのが有難い。発車前にはラッシュ時のような混雑になっていた。外国人観光客の姿も多い。

 花園駅で降りて、まず、西芳寺に電話した。
 拝観希望の往復はがきを1日間違えて出してしまい、電話して日程変更をお願いした方の話をネットで読んでお願いするだけしてみようと思っていた。
 今日から明日への変更なんて突然すぎるかもと思いつつ、日程変更が可能かどうかお聞きする。
 名前と人数だけ聞かれ、今日の予約のところを明日に変更してもらうことができた。有り難い。
 拝観者が少ない冬だからこそだったのかも知れない。

 そのまま妙心寺まで歩き、今回の京都旅行の目的の一つである東海庵に行った。
 東海庵にあるお庭のことは、北村薫の冬のオペラという小説を読んで知り、機会があればぜひ行ってみたいと思っていた。
 檀家さんが多く通常は非公開、「京の冬の旅」でも5年ぶりの特別公開になると知り、これは行かなくてはと思ったのが、今回の京都旅行を計画した理由の一つである。

 拝観料をお支払いし、庫裏にあげていただく。
 「京の冬の旅」のスタンプカードもいただいたものの、今回の旅行でスタンプを三つ集めるのは難しそうだ。集めると、クリアファイルなどなどがもらえるらしい。
 東海庵での白眉はやはり三つのお庭で、それぞれにガイドさんがついて説明してくれた。

妙心寺の三門や法堂 妙心寺は46の塔頭で構成されており、東海庵はその一つである。
 全国に妙心寺派のお寺は3500余あり、その半数が東海派だという。東海庵は、勢力も大きいし、寺格も高い塔頭だ。
 方丈のお庭から、妙心寺の三門や法堂、経蔵を望むことができるのも、寺格が高く、「いい場所」にあるからこそである。

 また、全国に150ほどある本山のうち、京都には七つの「総本山」と呼ばれるお寺がある。七つのお寺には、それぞれに「イニシャル」が付けられている。
 妙心寺は「算盤面」と呼ばれていて、それは「計算高い」という意味ではなく、お金の出入りをきっちりと管理し始めたことを評した名付けらしい。

 東海庵は1408年、利貞尼という方が開祖であり、悟渓宗頓禅師が開山であるお寺である。
 そう説明されても、「開祖」が何で「開山」が何をしたことになるのか、全く分かっておらず、ピンと来ないところが悲しい。

南のお庭 方丈の前のお庭が、その塔頭で一番大切なお庭、中心のお庭になる。
 東海庵の場合は、もちろん、この「白露地の庭」である。
 この写真でいうと、左奥に棗型の手水鉢があるだけで、他には何もない。
 石も木もない。
 ただ、白砂があり、まっすぐの線が引かれているだけだ。
 何もなさ過ぎて広さが実感できない。大体100坪くらいあるらしい。

 何もないのに、広縁に座ってぼーっとしていると、いくらでもぼーっとしていることができる、不思議な場所だ。
 雪が降った日には、このお庭に雪が積もった景色を撮ろうと開門前からたくさんのカメラマンがやってきたとガイドさんが笑っていた。それは撮りたくなるだろうなぁと思う。
 「早く開けてくれ。」とせき立てられたときには、「雪は溶けない。」と説得し、10時まで待ってもらったそうだ。

書院 流石に悟渓宗頓禅師の木像があるという方丈は撮影禁止だけれど、他の書院などなどは「どうぞ撮影してください。」と太っ腹だった。
 赤い砂壁は、寺格が高い証である。
 狩野派の誰かの筆だと聞いた気がするけれど、何故かボールペンが書けなくなってメモを取れず、忘れてしまった。
 全体に黒ずんで見えるのは銀箔が貼ってあったからであるというお話と、1月の間は床の間はお正月仕様で華やかに飾られ、今は少しだけ春めいたお花になっているというお話を聞いたことを覚えている。

東海一連の庭

 こちらが、東海一連の庭と称されるお庭である。
 白露地のお庭から来ると、やけにごちゃっとした印象を受けるこのお庭が、東海一連の庭と称されるお庭である。
 このお庭の中心は、向かって右手にある松の木がある辺りになる。最初、中心といえば真ん中でしょうと思って真ん中辺りを探してしまい、どこに松の木があるのかさっぱり分からなかった。
 松の木が生えているそれぞれの「築山」が、神仙が住むという三つの島を表している。

一文字手水鉢橋柱手水鉢 松の木の辺りにある岩の一つが「鶴岩」で、一つが「亀岩」と説明があった。
 どう見ても鶴らしくない岩で(亀はかろうじて亀っぽいと言われれば亀っぽい)、私にはこの庭は複雑すぎて馴染めなかった。
 お庭の風情よりも、左右の端にあった手水鉢がそれぞれ変わったインパクトのある姿をしていて、そちらの方が印象に残っている。
 右にあるのが「一文字手水鉢」、左にあるのが「橋柱手水鉢」という。なるほどなネーミングである。

坪庭 三つ目のお庭は坪庭だ。白露地のお庭の1/10くらいの広さしかないらしい。
 しかし、このお庭が表しているのは「宇宙」だ。
 ガイドさんによると、円を描いているような箒目をよーく見ているうちに左回りの動きが見えてくるそうだ。そして、七つ置かれた石にぶつかり波紋を広げている様子が見えてくると言う。
 そう言われてじーっと見たけれど、私には動いているようには見えなかった。残念である。

 こちらの方向から見ると、石が七つ並んでいることが分かる。しかし、手前から2番目の石は、向こうから見ると大きな石の陰になって見えなくなるという。
 何だか龍安寺みたいな話だなぁと思う。
 それでも、この位置から見るのがベストとガイドさんが言う。晴れていれば、青空をバックに奥に見える庫裏のお城のような屋根の辺りから煮炊きの煙がたなびくところが見えるそうだ。

 もう一度、白露地のお庭の広縁に戻って座り込む。
 お天気は決して良くないし、底冷えしている筈なのに、広縁の木が暖かく、ぽかぽか陽気のように感じられる。
 着ていたダウンコートを脱いでしまう。
 しばらくそうやってぼーっとしていて、ふと時計を見ると11時半を過ぎていた。
 まだまだ名残惜しいけれど、そろそろ行かなくてはお昼ごはんを食べられなくなってしまう。

東海庵 入り口で御朱印をいただき、青空が見えてきたなぁと思いながら東海庵の正門になるのか、やけに立派な入り口を横目に見つつ、嵐電の妙心寺駅を目指した。

 妙心寺駅は、妙心寺の北門を出て左に行けばすぐである。相変わらず方向音痴の私は焦りも手伝って右に歩いてしまい、11時36分発の電車に乗るつもりが、駅に着いたのは45分だったし、そもそも36分発という電車がなかった。
 次の電車まで10分近くある。
 駅前にスーパーがあったので、そこでボールペンを購入し、駅のベンチに座って旅ノートを書いた。

 嵐山電鉄の電車は可愛い。えんじ色をしている。
 ずっと乗っていたいくらいなのに、終点の北野白梅町(「きたのしらうめまち」だと思っていたら「きたのはくばいちょう」だった)まではすぐである。
 嵐電もSUICAで乗れるんだなぁと思いつつ駅から出ると、ぽつぽつと雨が降っていた。さっきまでの風花という感じの舞い方とは異なり、もう一つ、雨っぽい。
 傘を出すのが面倒で、そのまま北野天満宮に向かってコートのフードをかぶって歩く。

たわらや お昼ごはんはとようけ茶屋もいいなぁと思っていたら、とんでもない。
 北野天満宮の梅苑が開いたばかりということもあってか、すでに歩道に20〜30人くらいの行列ができている。これでは、並んでいたらとてもではないけれど次の予定に間に合わない。
 さてどうしようと歩いていたら、たわらやの看板が目に入った。お店の外に並んでいる人はいないようだ。

 お店に入ってみると、私が3組目か4組目といったところだ。
 おうどんならそんなに長居をする人もいないだろうとリストに名前を書いて待つことしばし、10分くらいで席に案内された。有り難い。
 お隣のテーブルでは何故かお蕎麦やおにぎりを頼んでいる。
 ここはやっぱり名物の一本うどんでしょう! と名物セットを選ぶ。相棒のハーフサイズの丼は好きなものを選べ、京都っぽいものをと衣笠丼をお願いした。

名物セット 一本うどんは、太さ1cmくらいのおうどんが2本、丼に入っている。すりおろしショウガが付いていて、それを入れる。意外と濃い味のお出汁だ。
 重い、ずっしりとしたおうどんである。
 衣笠丼は、油揚げを(多分)炒めて、かまぼことお葱と合わせて卵でとじてある。
 かなりつゆだくの丼だ。
 意外とボリュームがあるなぁ、動物性タンパク質兼彩りでかまぼこ(ピンクのかまぼこである)が入っているのかしらと思いながら、美味しくいただいた。

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