京都旅行記(2018)2日目その3
2018年2月12日(月曜日)
10時半過ぎに松尾駅に到着した。
すぐ目の前に松尾大社があり、まずはお参りする。
いただいたリーフレットによると、松尾大社は、京都で一番古い神社である。5世紀頃にこの地方に秦氏がやってきて開拓し、治水し、そして、8世紀には現在地に社殿を造営したという。
今は「ひなびた」という言葉が似合う場所だけれど、当時は相当の権勢を誇っていた神社さんのようだ。
本殿でお参りする。
お母さんと小さいお子さん二人、なんていう組み合わせの方もお参りしていたから、観光地というよりは、地元の方の信仰を集めているのだろうなと思う。
山を背負っているのも、いかにも「昔からここにある神社」という感じだ。
境内に「亀の井」と呼ばれる霊泉があって、延命長寿、よみがえりの水として有名である。
さらに、酒造家はこの霊泉のお水をお酒の元水として用いており、醸造の祖神としても全国から信奉されている。
境内には「お酒の資料館」もあって、お酒を造る過程などが展示されていた。
少し早いけれど、今日は朝も早かったのでお腹が空いた。
11時過ぎ、ランチをいただこうと、嵐電から見えていたグラン プリエというイタリアンのお店に入った。
スープ、パスタorピザorパニーニ、飲み物、デザートがセットになったBセットをお願いする。
この日のスープはミネストローネ、パスタは何種類かあるうちからエビとホタテのクリームパスタをお願いする。フォカッチャが付いてきて、デザートはチーズケーキとコーヒーを選んだ。
スープでまず暖まることができたのが有り難い。
パスタも熱々で、ゆで加減もちょうど良く、美味しい。ソースも美味しくて、フォカッチャで余すことなくいただく。
みるみるうちに席が埋まってきて、人気のお店なのだなぁと思う。チーズケーキのデザートとコーヒーまでゆっくりさせていただいた。
西芳寺はここから歩いて20分くらいのようだ。
少し早かったので、拝観料をお支払いし、松尾大社のお庭「松風苑」を拝見したら、このお庭が何だか凄かった。
三つあるお庭はすべて重森三玲の作で、最初にあるのがやたらと人工的な「曲水の庭」である。
このお庭を目にしたときの最初の感想は、申し訳ないことながら「何だ、この異様なお庭は」だった。とにかく見た瞬間「異様」という言葉が浮かんだ。
ここまで異様に作らなくてもいいんじゃないかと思ったくらいだ。
曲水の庭の奥にある建物の中でお茶とお菓子をいただいていると、西芳寺の予約時間に遅れてしまいそうだ。ランチを食べたばかりでお腹がいっぱいだったし、残念ながらパスした。
ランチの前にこちらを先に拝観し、お茶とお菓子でお腹をなだめるという手もあったなぁと思う。ちょっと心残りだ。
次に現れる「上古の庭」という名のお庭も、これまた何とも異様だった。
私などが見ると、斜面に岩がにょきにょきと生えているように配置してあるだけに見える。
そして、その岩の周りというか斜面全体に笹が植えられている。
思わず「このお庭は何のために?」などと思ってしまう。
「枯れることのない」と言われる滝をぐるりと回って最後に見るのが蓬莱の庭である。
池が鶴と亀の形になっているという説明がリーフレットにあって色々な角度から見てみたものの、どこが亀でどこが鶴なのかはよく分からなかった。
さらに、池の周りを歩きながら眺めると仙境に遊ぶ心持ちになるとも書いてある。もちろん、私がその境地に達することはなかった。
先の二つほどではないにせよ、やっぱり異様なお庭だという感想が浮かぶ。
いずれにしてもインパクトのあるお庭を三つ拝見した後、西芳寺に向かった。
住宅街の要所要所に道案内があり、方向音痴の私でも迷うことはない。
途中、鈴虫寺の看板があって、せっかくだからと覗きに行ったら、階段の下までずらっと待ち行列ができていた。「願いがかなうお寺」としてネットで話題になっていたし、一定の人数が集まったところでまずはお説法を聞くという感じらしいから、この行列もむべなるかなと思う。
12時50分くらいに西芳寺の正門前に到着し、すぐに受付していただいた。
昨日の日付のはがきを見せても誰も何も言わなかったから、連絡が行き届いているのか、誰も日付など気にしていないのか、どちらだろうと思う。
本堂の入口で冥加料(3000円以上という指定だ)をお支払いし、中に入る。
畳敷きのお部屋には、お膳のような小さい机があり、その脇に硯と小筆が用意されている。
机の上に般若心経が書かれた紙などが置かれていたと思う。
「お一人ですか?」と質問されてうなずくと、残り3〜4席になっていた最前列を勧められた。「ストーブが近くて暖かいですし。」と言っていただいた。人数との関係は未だに謎である。
13時になると、住職の方達が入って来られ、般若心経を3回、座禅和讃を1回唱えるのでご一緒にという説明がある。
般若心経はもとより座禅和讃にも独特の調子があって、慣れていない私には書かれたものを目で追うのがやっとだ。
写経をさせていただける時期もあったようだけれど、少なくともこの日は写経はなく、最後に木の札(正しい名前があったと思うけれど思い出せない)の表に願い事、裏に自分の名前を筆で書いて納めてくださいと説明があり、あとは自由にお庭を見てください、と案内された。
パッと浮かんだ願い事を下手すぎる筆文字で書き、お納めし、御朱印帳をお預けする。御朱印をいただきたい場合は、ここでお願いして帰りに受け取ることになる。
西芳寺のお庭は、上段と下段に分かれた鎌倉時代のお庭である。
下段には心という地の形をした池が作られ、池泉式のお庭になっている。
「苔寺」という別名のとおり、ここには苔が約120種ほどもある。
まずは、下段の庭から巡る。
潜り戸を抜けて、上段のお庭も拝見する。
上段のお庭にある枯山水は、日本最古と聞いたような記憶がある。
14時15分くらいまでかけてお庭を一周し、本堂で御朱印をいただく。
西芳寺の御朱印は見開き2ページで達磨の絵が描いてあると聞いて期待していたら、この日はごく普通の御朱印だった。ちょっと残念である。
最寄りのバス停14時27分発のバスに乗り、渋滞に巻き込まれることもなく、1時間弱で京都駅に戻ることができた。
まずみどりの窓口に行って帰りの新幹線の指定席を押さえようとしたら、一番早くて17時18分発だった。目論見よりも少し遅いけれど仕方がない。
阿闍梨餅の列に並んで購入したり、やまなか雅陶で清水焼のごはん茶碗を探して購入したり、いつものお漬物を自宅用に購入したりしていたら、あっという間に時間がたってゆく。
昨日購入した黒七味ナッツと一緒に帰りの車中でいただこうと京都麦酒 ゴールドエールを購入し、帰りの準備は万端である。
ミラコロをコインロッカーから取り出し、荷物を整理して詰め替え、帰路についた。
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