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2018.09.24

タスマニア旅行記3日目その2

2018年4月30日(月曜日)


ワルドハイム(外観) のんびり昼食をいただいた後、13時半頃にすぐ近くにあるグスタフ・ウェインドルファーのワルドハイムを見学に行った。
 昨日、「一番最初に描かれた壁画」とシェフィールドの待ちで教えてもらった壁画に描かれていた人が住んでいた、いわば山小屋である。そこを拠点にクレイドルマウンテンを国立公園にすべく活動をしていたらしい。


 


ワルドハイム(内部) 当時と同じ材料(キングツリーパイン)、同じ作り方で再現された小屋の中には、家具や食器などが暮らしていた当時を彷彿とさせるように等身大の写真パネルとともに配置され、ガラス越しに見る感じになっている。
 この中のどの人がウェインドルファーさんなのかはよく判らなかった。
 中に人が入ると自動で案内音声が流れるようになっていて、それを聞き取る英語力があればもうちょっと色々な知識を仕入れられただろうに、我ながら勿体ない限りである。


 タスマニアで最初の開拓に当たったのは囚人たちだ。
 タスマニアは刑期が7年以上の囚人達の流刑地だったそうで、政治犯というよりは、スリなどの窃盗犯が多かったらしい。
 でも、流刑地だった割に、流されている間にタスマニアが気に入って刑期を終えても帰ろうとせず、故郷に「いいところだからおいでよ。」的な手紙を送った人もいたらしい。


散歩道黄葉 このワルドハイムを通り抜けて裏から出ると、そのまま森の中の散策コースに出ることができる。
 すぐ近くまで道路が来ているのに、苔むした深い森のように感じられる。
 僅か15分ほどのとても歩きやすい散策コースで、お手軽過ぎるくらいに「自然」を感じられて不思議だ。ウェインドルファーさんもこの森の中を彷徨ったりしたのかしらと思う。


 Kさんの運転する車に乗り込み、ロニークリーク(オーバーランドトラックの出発地点にある川)に行った。
 ここも、タスマニアにいくつかある「カモノハシ・ポイント」らしい。
 しばらくカモノハシがいないかしらと川面を見ながらつい水辺に近づいてしまい、シャトルバスの運転手さんに「そこに入ってはだめだ。」と注意された。申し訳ない。
 慌てて道路に戻り、橋の上からそれでもしつこくカモノハシを探したけれど、残念ながらここで出会うことはできなかった。


 午後は、クレイドルバレー・ボードウォークを歩く。Kさんの車でSnake Hillまで連れて行ってもらい、Kさんはそのまま車でロッジまで行って、ボードウォークを逆に歩いて迎えに来てくれると言う。
 ボードウォークの名前のとおり、尾瀬のような感じで板で道が作られているので迷う心配はない。
 ちらほら青空が覗き始めてお天気も回復傾向である。
 ツアーメンバー5人で、14時過ぎ、のんびり歩き始めた。


ボードウォークボードウォーク 他に歩いている人の姿はほとんどなく、我々5人の貸し切りのようである。
 このボードウォークの下には電線等が這わされていて、「歩く」というアクティビティと、電線等々を通すための目隠し兼道筋と、その両方の役目を担っている。「高圧電流注意」の看板も見かけた。


 ずっとほぼ平らなボードウォークを歩く。快適といえば快適、退屈といえば退屈である。
 ボタングラスが一面に広がっていて、これで黄色く色づいていたらナウシカみたいだなぁと思う。
 ボタングラスは、その実が堅く、本当にボタンとして使われたことからその名が付いたそうだ。


ボタングラス白いお花


 1時間弱くらい歩いたところで振り返るとクレイドルマウンテンを見ることができた。
 何だかちょっと嬉しい。
 ツアーメンバーのみなさまにもお知らせしたいところだけれど、見事に縦長にバラバラになっていて、とても「ちょっとお知らせする」ことはできないのが残念だ。


デカメロン Kさんとも無事に合流し、1時間半くらいで宿泊しているクレイドルマウンテンロッジ近くにあるインフォメーションセンターに到着した。
 そのまま、ロッジの敷地内なのか敷地のすぐそばなのか微妙な場所にあるカモノハシポイントを教えてもらいに、エンチャンテッドウォークに向かった。
 その入口でデカメロン(だったと思う)にあっさり会えてしまうところがクレイドルマウンテンの凄いところだ。


エンチャンテッドウォーク エンチャンテッドウォークは、この川沿いを往復できる20分くらいの周回コースである。
 途中、子供用にトンネルのようなものも作られていて、足下もずっとボードウォークだし、家族連れにぴったりという感じの散歩コースだ。
 その途中、川面が静かな辺りがカモノハシポイントだという。しばらく水面をみなでにらみつけたけれど、このときは残念ながら現れてくれなかった。


 Kさんにお聞きしたところ、移動途中にどこかの街で郵便局に寄ることはできるというお話で、一旦解散した後、ロッジの売店に絵はがきを買いに行った。
 売店は欲しいといえば欲しい、しかしわざわざここで買わなくてもいいような気がするといえばそんな気がする、なかなかしゃれた感じの品揃えだ。
 このときは「わざわざクレイドルマウンテンロッジで買わなくても」という気持ちが勝ち、絵はがきを数枚買って満足した。


 17時20分にキャビン前に集合し、Kさんの車でタスマニアンデビルの保護センターに向かった。
 10分もかからずに到着する。
 17時半からのガイドツアーに参加する。
 まずはスライドを見ながらタスマニアンデビルを中心に、タスマニアの動物たちについて説明を受ける。
 とは言うものの、英語である。さえずるように早口でしゃべるお姉さんの英語は、正直に言って、全く聞き取れなかった。哀しい。


 唯一聞き取れたのは、タスマニアンデビルの寿命が6年くらいであることだ。
 また、Kさんによると、現在、タスマニアンデビルの間で顔面の癌(と言っていたと思う)が蔓延していて、治療法がなく、既に全体の90%くらいが死んでしまったらしい(という話だったと思う)。
 もはや絶滅危惧種だ。
 実際、このツアー中に野生のタスマニアンデビルに出会うことはできなかった。


タスマニアンデビル その分、保護センターでタスマニアンデビルを堪能する。
 可愛らしい容姿にもかかわらず、そこは”デビル”の名の通り、かなり戦闘的な動物である。
 何かというと奇声を上げて威嚇し、もの凄いスピードで追いかけっこをしている。追いかけっこというほどのんびりしたものではない。飼われているにもかかわらず、生存競争そのものな真剣さだ。


(多分)クォール 保護センターでは、タスマニアンデビルの他にもクォール(フクロネコ)などが飼われており、スタッフのお姉さんたちが餌付けの様子を見せてくれる。
 こちらも、「THE 肉食動物」という感じの荒々しさである。可愛らしい見た目とのギャップが激しい。生肉を文字通り引きちぎって食べまくっている。


 餌付けは野外で行われていて、見学も野外である。
 この時期の夜は寒くて、1時間くらい見学していたらどうにも冷え切ってしまった。手袋を含め、見学には防寒対策が必須だと思う。
 1時間ちょっとの見学コースを終え、ショップでタスマニアンデビルのぬいぐるみを買うか少し迷い、「どこに飾るんだ」という自分のツッコミに答えられなかったので購入を見送った。


ハンバーガーシーザーズサラダ ロッジに戻り、19時前くらいから夕食である。
 今日の夕食はバーでいただくことになっている。
 2コースで、一皿目はシーザーズサラダまたはパンプキンスープ、メインは、ハンバーガー・フィッシュアンドチップス・カルボナーラパスタのいずれかを選ぶ。
 また、飲み物はカウンターで注文する方式だ。Kさんにお勧めを教えてもらい、ジェイムス・ボウグスというタスマニアのビールをオーダーした。


 このハンバーガーがとにかく大きかった。ビッグマックなんて目ではない大きさである。
 サラダだって大量だ。
 流石にポテトまで完食はできなかったけれど、ハンバーガーはすべて食べきり、ツアーメンバーの方々から賞賛のお言葉をいただいた。かなり複雑な気分ではある。
 フィッシュアンドチップスをオーダーした方から「昨日の方が美味しかった。」という感想もお聞きし、昨日の屋台のフィッシュアンドチップスは特別な美味しさだったんだなぁとしみじみと思い返した。
 ついでに書くと、ポテトも昨日の方が美味しかったと思う。


 この後、星空&夜行性動物の観察に行く予定だったけれど、外に出ると満月は見えているものの空は一面の雲に覆われている。
 星空観察は明日に賭けましょうということに決まった。
 そのままキャビンまでKさんの車で送ってもらい、20時半くらいに解散した。


 平らなところを歩いただけなのに、足腰がバキバキ言っている。
 ジャグジーにお湯を張り、ゆっくりと浸かる。ついでにふくらはぎと腿を中心にマッサージをして、お風呂上がりにはダメ押しのストレッチだ。
 お洗濯もして、日記を書いて、でも絵はがきを書くところまではたどり着けず、23時頃に就寝した。


 歩数計 22128歩


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