タスマニア旅行記4日目その2
2018年5月1日(火曜日)
マリオン展望台からの帰り道、13時くらいに休憩ポイントに寄り道した。
登山道である木道から横道が出ていて、その先にベンチを置いた休憩場所がある。広さ3畳くらいだろうか。
ウォンバットプールが見下ろせていい眺めである。
やけに辛いしょうが飴を「話の種に。」とみなさんに配る。本当に辛くて、美味しい。お気に入りである。
「遠望」などと書いた割にそこからウォンバットプールまではすぐで、多分、10分かかったかかからなかったかくらいだ。
湖岸で再び休憩し、Kさんからチーズをいただく。
「(先ほど配った飴の)生姜の味しかしない。」とみなさんに言われ、平謝りだ。申し訳ない。
ウォンバットプールは、風もなく穏やかで、湖面に周りの木々がくっきりと映っている。タンニンが含まれて赤く見える水の色も貢献しているらしい。
のんびり休憩しているときに、ツアーメンバーのお二人から、朝早くエンチャントウォークに行き、カモノハシを見たと伺った。羨ましい。
こちらのご夫婦はかなりカモノハシに惹かれ、拘っていらっしゃって、そういうお話を聞くと、そもそも動物にほとんど興味がないにもかかわらず、「タスマニアにいる間に会えるといいなぁ」などと思い始めるから不思議である。
この辺りまで来るとほぼ平坦な道になってきて、木道沿いに白いお花が咲いていたり、突然、日だまりにナンキョクブナが1本だけ、しかもこんもりと丸く黄葉していたり、楽しく歩くことができる。
13時45分頃、道の分岐に着いた。Kさんは、ここから今日の出発点であるロニークリークに車を取りに行ってくださり、我々はこのままダブ湖駐車場に向かう。
Kさんと別行動になったものの、道は判りやすく1本道のボードウォークがほとんどで歩きやすいし、特に迷うこともない。
ツアーメンバー5人が見事にバラバラに歩く。
不確かな記憶がさらに不確かな記録になっているけれど、多分、奥に見えているのがリラ湖である。
ダブ湖の駐車場まであと10分くらいの場所にあったと思う。
この岩に入っている筋状のものについても多分どこかで説明をしてもらって、それで写真を撮ろうと思ったに違いないのに、その辺りの記憶がもうはるかかなたに霞んでいる。
14時くらいには、クレイドルマウンテンをはっきりと見える場所まで戻った。
カメラマークと「ここから写真を撮ってこのサイトに投稿してね。」といった感じのメッセージが書かれた看板があり、木道から少し外れて写真を撮れるようなスペースが用意されている。
観光地に戻ってきた! という感じだ。
ダブ湖でカヌーを漕いでいる人たちも見える。ちょっそ寒そうだ。
ダブ湖の駐車場のお手洗いを有難く利用させてもらい、テーブルっぽいスペースにリュックを下ろして休憩である。
それにしても、ダブ湖の水は綺麗だ。
そして、朝からピーカンだった空にうろこ雲が浮かび始め、それはそれで何だか格好いい空である。
Kさんとも無事に合流し、青空をバックにしたクレイドルマウンテンも堪能して、14時半くらいにダブ湖駐車場を出発した。
車でロッジのキャビンまで送ってもらい、リュックを下ろしてウエストポーチだけ持って、そのままロッジの敷地内にあるキングビリートラックに出発である。
15時過ぎにキングビリートラックを歩き始めた。
午前中に歩いていた森とは全く違う雰囲気だ。
もちろん、木道が整備されていてのんびり歩ける森であると同時に、こちらは深く湿っている。
歩き始めてしばらく「ナンキョクブナとコケの森」を歩く。コブのできた木や、倒れた木、倒れた木一面を覆っている苔など、屋久島の森や、クィーンシャーロット島の森を思い出す。
奥の方に行くと、周りに生えている木がナンキョクブナから杉の木に変わった。
キングビリーパインは杉の一種である。腐りにくい性質があって、ウエンドルファーさんの山小屋や、ダブ湖のボート小屋なども、この木で作られているという。
森を抜けると、明るく開けた感じの場所だった。
ベンチが置いてあり、遠くにクレイドルマウンテンが望める。いい景色だ。何となく皆してベンチに座り、景色を眺めならおしゃべりに興じた。
しばらくじっとしていただけでも、長袖Tシャツに長袖シャツを羽織り、レインウエアを羽織るという服装ではちょっと冷えるくらいに感じられたのをよく覚えている。
16時くらいにキングビリートラック1周を終え、いったん解散となった。
夕食まで2時間半ある。絵はがきを追加で購入しようと売店に向かったら、ワラビーがいた。
昨日も売店の近くの芝生にワラビーが何頭もいたし、この辺りが住処なのかも知れない。
この辺りではワラビーは2種類見かけることができ、それぞれの名前も教えてもらった筈なのに、思い出せない。片方はデカメロンだったと思う。しかし、果たしてこの記憶は確かだろうか。
16時半頃にキャビンに戻った。
明日は移動なので、まず洗濯できるもの(タオルマフラーなど)を洗濯してしまう。カメラの電池を充電し、小腹が空いた気がしてコーヒーを入れ、お昼に残していたチョコバーと一緒にいただく。
友人に絵はがきを書いたり、日記というかメモを付けたりしていたら、あっという間に夕食の時間になった。
今日の夕食は、初日と同じレストランだ。食べる前から名残惜しい。
前菜にチキンレバーのパテを選ぶ。
一昨日にお裾分けいただいてもの凄く美味しかったので、レバーもパテも苦手な筈なのに迷うことなく選んだ。
そして、これだけの大きなパテを一人でぜんぶ食べきったのだから、我ながら欲深いことこの上ない。
トラウトのソテーも皮がパリパリしていて、肉厚でジューシーで美味しい。
チキンは白というイメージだけど、レバーパテは赤っていうイメージだよな、でもメインをお魚にしたしと縷々迷い、リースリングの白ワインをお願いした。
デザートは、初日と同じくシザーウッドのハチミツのパンナコッタを選んだ。
やっぱり美味しい。
そして、このパンナコッタも含め、初日にも誰かが頼み今日も誰かが頼んだといういくつかのメニューを見比べて全員一致で「今日の方が盛り付けが美しい!」「凝っている!」という結論になった。
一昨日は日曜日だったので、きっとシェフがお休みだったんだと笑い合う。真相は不明だ。
2時間くらいかけて、ゆっくり美味しくいただいた。
いったんキャビンに戻って身支度し、20時半に夜行性の動物探し兼星空観察に出発である。
Kさんは、ダブ湖畔まで行ってみようという。
ロッジで見上げただけでも、午後になって出てきていた雲は再び消えて、満点の星空である。
Kさんのいう「トーチ(大きくかつ強力な懐中電灯)」で窓の外を照らしつつ、ヘッドライトで明るくなった辺りに目をこらしつつ、、ダブ湖までの道を走る。
もちろん街灯など設置されていない。光のないところは真っ暗だ。
なかなか動物を見つけるのは難しく、木に登るフクロネコを何頭か見つけるのが精一杯だった。
ダブ湖に到着すると、今度の見ものは「星」である。
月夜で星空観察にはやや向かない代わりに、月の光にクレイドルマウンテンがうっすら黒く浮かび上がって見えた。
ファインダーがないと難しいなと思いつつ、適当にカメラをクレイドルマウンテンの方向に向けて写真を撮っていたら、クレイドルマウンテンの右上で光っている星が写真に写っていることに気がついた。
それならば、南十字星も撮れる筈だ。
試行錯誤の結果、南十字星とスピカを撮ることができた。左上の星四つが南十字星、右下の明るい星がカノープスである。
カノープスは東京ではほぼ見られず、だからこそ「この星を見ると長生きできる」と言われていると思う。タスマニアで見た場合でも「長生き」の御利益があるといいなと思う。
たっぷり月光に浮かぶクレイドルマウンテンと星空を堪能し、22時くらいにキャビンまで送り届けてもらった。
この日もジャグジーを楽しみ、ついでにふくらはぎと腿をよくよくマッサージする。
日焼けしただろうとシートパックも使い、お洗濯や歯磨きや荷造りをして明日に備え、23時半頃に就寝した。
Kさんから「夜行性動物探しに」とトーチを借りていたけれど、それを生かして探しに行く体力根性共になかったのが残念である。
歩数計 20936歩
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