タスマニア旅行記5日目
2018年5月2日(水曜日)
この日から旅行も後半である。
夜中に一度目が覚めて、朝は5時45分に起きた。
体中がバキバキしていて、まっすぐに立って歩けないくらい。しかし、お湯を沸かしてお茶を一杯飲み、この前日にツアーメンバーの方から存在を教えてもらった浴室のヒーターを付けっぱなしにして乾かした洗濯物を整理し、荷造りをしている間に何とか動けるようになった。
今日は8時15分集合、20分出発の予定である。
色々と手際の悪い私は朝食を早めに食べようと、今日もオープンする7時に間に合うようにレストランに行った。
すぐに車移動なので、控えめにしたつもりである。
窓際で朝食をいただいていたら、ワラビー2頭が池の畔で追いかけっこをしていた。
朝は涼しいというよりも寒く、ヒートテックのタンクトップ、長袖Tシャツ、薄手の長袖シャツ、ユニクロの薄手のダウンジャケットという格好だと寒い。
予定通りに出発し、まずはマラクーパ鍾乳洞に向かった。
途中、40〜50分走ったところでフォトストップになった。これまで3日間滞在していたクレイドルマウンテンの一帯を見晴らすことができる。
10時少し前にモールクリーク・カルスト国立公園のマラクーパ鍾乳洞に到着した。
鍾乳洞の中はかなり寒いと言われ、レインウエアの上下を着て万全の寒さ対策を取る。1日移動だしKEENのサンダルでもいいかなぁと思いつつ、鍾乳洞を歩くことを考えてトレッキングシューズを履いて来た。
ガイドツアーで、英語の説明のポイントポイントをKさんが訳してくれる。
前々日のタスマニアンデビルの説明のお姉さんよりはずっと聞き取りやすい英語だ。
入ってすぐのスペースから既に何というか風格のある鍾乳石が連なり、見応えのある鍾乳洞である。
この鍾乳洞の中には川が流れている。
「straw」という単語が頻発していて、こんなところに麦わらなんてないよねと思っていたところ、どちらかというと日本語のストローに近い「穴の開いた管」ぐらいの意味で使われていた(ような気がする)。
左側の写真は、ガイドのおじさん言うところの「揺れる鍾乳石」だ。石は揺れたら折れるんじゃあるまいかと思う。正直に言えば、揺れてるかどうかよく判らなかった。
ガイドのおじさんがライトで照らすと、鍾乳石が透けて見える。
こんなに太い鍾乳石も中空になっているらしい。
鍾乳石というのは本当にゆっくりと育ち、上と下から伸びてきて隙間1.5cmを埋めてくっつくのに50年かかると言う。
また、できたばかりの鍾乳石はキラキラしている。何故だろう。
マラクーパ鍾乳洞の数々の鍾乳石の中で、一本だけ、ケースに囲まれてガードされていた鍾乳石があった。
こんなにまっすぐで、白くて(鉄分が含まれていない、岩に濾過された水でなければ、鍾乳石は白くならない)、しかも二股に分かれてY字型になっている鍾乳石なんて他にはないという。
この通路沿いはほぼ同じ条件の筈だけれど、こんな鍾乳石はこれ一つである。
ちょうど我々が通る道に出っ張るように立っていて、ぶつかったりして折れちゃったら大変なので、ケースで保護されている。
そして、一周回って最初の広いスペースに戻ってきたところで、ガイドのおじさんが電気を消すと、土ホタルが登場した。
写真撮影は禁止だ。
土ホタルは、ホタルではなくて、何とかという虫の幼虫だ。川を流れてくる水の中に含まれる何か(何だろう)を食べるので、湿度の高い洞窟にしか生息していないという。
彼らは9ヵ月くらいでさなぎになり、成虫になると数日で死んでしまう。そして、死後は自分の子供の餌になるという。
土ホタルは、東オーストラリアとタスマニアとニュージーランドにしか生息していない。
真っ暗な中、目を懲らしていると、星のように瞬いているように見えた。
土ホタルを堪能し、1時間のガイドツアーは終了である。洞窟を出ると、次に出発するグループが待機していた。
鍾乳洞から30分くらい走ったところでKさんが車を駐めた。
そこはマージー川という、カモノハシがよく出没する川で、橋の上から観察するのにちょうどいいらしい。
10分くらい川上と川下に別れてカモノハシを探したけれど、残念ながら現れてくれなかった。
割と「タスマニアっぽい」牧場地域を走ったり、ちょっと街っぽくなってきた向こうに電車を見かけたり、30分くらい走った。
ホバートとロンセストンを結ぶタスマニアで一番古い道であるヘリテージ街道を、今「グルメ街道」として観光開発しようとしているという。
本日のお昼をいただくカフェレストラン・ラズベリーファームも、ヘリテージ街道から少し入ったところにあるとはいえ、グルメ街道を構成するお店の一つだ。
本日のランチは、チキンサラダ、パン、紅茶、ラズベリーサンデーである。
コーヒーか紅茶を選べるときはコーヒーを選ぶのが正解と思っているけれど、今回ばかりは紅茶である。
他のテーブルに運ばれているのを見たのだったか、テーブルにメニューがあったのだったか、紅茶をお願いするとポットでサーブされて、しかもティーコゼーがラズベリーを模してあるとなれば、それは紅茶を頼まない訳には行かない。
この頃になると、私が写真小僧であることはみなさんご存じだったので、「フォトジェニックだから選びなよ。」と口々にお勧めいただいたことでもある。
タスマニアは本当にごはんがいつでもどこでも美味しくて嬉しい。
サンデーもラズベリーのソースが酸っぱすぎずとても美味しくて、併設されていたショップでジャムを購入した。
ツアーメンバーのみなさんは「ジャムよりもソースの方が色々に使えるよ。」とおっしゃる。ラズベリーソースをどう「色々」使えばいいのか、お料理をほとんどしない私には全く見当が付かなかった。
レストランの隣にあった池の周りをぐるっと歩けるようになっていて、皆して腹ごなしを兼ねて散歩する。
ラズベリーもあったし、がまのような植物もあったし、珍しそうな鳥もいた。
黄色い花はミモザである。このお花をきっかけに「ミモザサラダ」の話になったので覚えている。
しかし、白い花が何だったか思い出せない。その場で書いていた筈のメモ帳にも「何だっけ?」と書いてある体たらくである。ユーカリだったような気もしつつ、自信がない。
グルメ街道を構成するアシュグローブのチーズ工場までは、車で数分だった。
工場というよりは「工場直売所兼お土産物屋さん」といった品揃えだ。
クレイドルマウンテンでのハイキング中にKさんがごちそうしてくれたチーズがここアシュグローブのものである。最終日に寄るスーパーで購入することにして、狙っていたチーズをまた試食して味を確かめた。
アシュグローブ社は、世界で買いたたかれる牛乳に付加価値を付けようと、家族経営でチーズを作り始めたという。
14時頃、アシュグローブのチーズ工場を後にした。あとはひたすら南下する。
途中、イオンが持っているというタスマニアンビーフの牧場兼工場を車窓ごしに見学した。
日本でタスマニアの牛肉を扱っているのはイオンだけで、そしてタスマニアで牧草ではなく飼料で牛を育てているのはイオンの牧場だけだという。
牧草で育った牛のお肉は赤身が多く、飼料で育てた牛のお肉はサシが入って日本人好みの味になるそうだ。
走っている車も少ないし信号もない道をKさんはがんがん飛ばし、15時15分過ぎくらいにロスの街に到着した。
何ていうことのないいわば「田舎町」であるロスが有名になったのは、オーストラリアで3番目に古い橋があるからではなく、「魔女の宅急便のキキが暮らすパン屋のモデルになったパン屋」と誰かが言い出したパン屋があるからだ、と思う。
時間があれば、美味しいと噂のこのパン屋さんでおやつを買って食べてみたかったし、ウールセンターにはいい感じのウール製品が色々と売っていて真剣に探したかったけれど、残念ながら我々のロスの街滞在時間は30分くらいである。
私ともうお一方とで、「切手を購入して日本に絵はがきを出す」という任務を遂行した。
ロスの街の郵便局は何故か色々とお土産物っぽいものを取り揃えていて、不思議かつ可愛い郵便局だった。
ロスの街を出てから1時間ちょっと、17時10分くらいに本日の宿泊場所であるビチェノ・ビーチフロントというモーテルに到着した。
今日はこの後17時45分頃に迎えのバスが来てくれて、ペンギンツアーに参加する。Kさんがガンガン車を飛ばしていたのは、このツアーの出発に間に合わせるためだ。
ビチェノの海岸にはフェアリーペンギンという、17種類いるうち世界で一番小さなペンギンが生息していて、そのペンギンたちが海から上がってきて巣に帰るところを見学することができる。
残念ながら写真撮影は禁止である。そりゃそうだと思う。
20人くらいがガイドのお姉さんについて、上陸ポイントのうち2カ所を順番に見学した。
じーっと待っていると、よちよち歩いてきたペンギンが私の足の間を通って行ったりして、本当に可愛かった。
コースを歩いていて振り向くと(気のせいか?)ペンギンと目が合ったりして、1時間弱のツアーはなかなか楽しかった。
ペンギンツアーから戻ってすぐ、ホテルのレストランで夕食をいただいた。
お酒は、併設されているバーのようなところで自分で買う仕組みだった。軽めの赤ワインを頼んだと思う。
前菜はスープかサラダを選ぶことができて、寒かったので私はカボチャとサツマイモとココナツのスープをお願いした。暖まる。
メインディッシュは、ポークかチキンかサーモンから選べた。確かKさんが「豚はごちそうだ。」と言っていた記憶があったし、メインディッシュのうち一番上に書かれていたのでお勧め料理に違いないとポークを選んだ。
これが大当たりだった。カリカリに焼かれた皮も美味しくて、結構な大きさのお肉をぺろりと平らげた。
デザートも2種類から選ぶことができた。
「スティッキーデーツプディング」と「パブロヴァ」である。どちらも名前だけではどんなものが供されるのかよく判らない。
Kさんの「オーストラリア伝統のお菓子だよ。」という売り文句に従って「スティッキーデーツプディング」を選んだ。ナツメヤシの入った(だからちょっとベタベタしている)プディングというよりも肌理の粗い蒸しパンという感じだった。
見た目より美味しい。
20時半くらいに解散となり、お部屋に戻った。
このホテルではWI-FIが飛んでいたので、家にメールを入れ、ペンギンツアーの会社に「写真をちょうだい」とメールを送る。写真撮影が禁止されている代わりに、ツアー参加者に写真を提供してくれている。
お風呂のお湯が温かったので急いで髪を洗ってあがり、旅行メモを書いたり、お洗濯をしたり、明日の移動に備えて荷造りをしたりして、23時頃に就寝した。
歩数計 8130歩
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