2019.01.07

タスマニア旅行記の入口を作る

クレイドルマウンテン ここはタスマニア旅行記への入口である。

 以下の日程をクリックすると、その日の旅行記に飛べるようになっている。

1日目 2018年4月28日(土曜日) 出発 −> 広州(乗り継ぎ)

2日目 2018年4月29日(日曜日) 広州 −> メルボルン(乗り継ぎ) −> タスマニア・クレイドルマウンテン

3日目その1 2018年4月30日(月曜日) クレイドルマウンテン滞在

3日目その2 2018年4月30日(月曜日) クレイドルマウンテン滞在

4日目その1 2018年5月1日(火曜日) クレイドルマウンテン滞在

4日目その2 2018年5月1日(火曜日) クレイドルマウンテン滞在

5日目 2018年5月2日(水曜日) クレイドルマウンテン −> マラクーパ鍾乳洞 −> ロス −> ビチェノ

6日目 2018年5月3日(木曜日) ビチェノ −> フレシネ国立公園 −> リッチモンド −> ホバート

7・8日目 2018年5月4日(金曜日)・5日(土曜日) ホバート −> マウントフィールド国立公園 −> ホバート −> メルボルン(乗り継ぎ) −> 広州(乗り継ぎ) −> 帰国

 

その国の旅を終えて 100の質問 (タスマニア編)

持ち物リスト(タスマニア編)

2018年GW「タスマニア 世界で一番空気と水の美味しい島」の写真

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2019.01.05

タスマニア旅行記7・8日目

2018年5月4日(金曜日)

 どうも昨夜は食べ過ぎたようで、1時過ぎくらいに目が覚めた。ポテトの食べ過ぎだなという感じで胸焼けがしていて、なかなか寝付けない。
 それでも、5時半くらいに起き出し、お湯を沸かしてお茶を飲んだら落ち着いた。
 タスマニアのホテルはどこもお茶セットがあって嬉しい。

 iPadで天気予報を見たら、今日行くマウントフィールド国立公園の最高気温は10度だった。
 真冬みたいだ。
 今日はもう帰国なので、昨日洗濯して乾かなかった靴下にアイロンをかけて無理矢理乾かし、その他諸々の荷造りをする。

 甥っ子二人に絵はがきを書き、朝食を食べに行くついでにフロントに寄り、出してくれるようにお願いする。フロントのお姉さんは「ちょっと待って。」と郵便料金を調べてくれ、「1通2.1ドル」と言う。郵便局で聞いた値段と違う(しかもこちらの方が安い)のは何故? と若干、不安になる。
 甥っ子一人ずつに計2通、自分宛に1通出したところ、3通とも別々の日に届いた。しみじみと謎な郵便システムである。

朝食朝食 7時過ぎから朝食をいただいた。
 珍しくパイナップルジュースを選び、ミューズリーを食べる。
 ミューズリーはずっと気になっていて、美味しかったらスーパーで買って帰ろうと思っていた。いわば味見だ。
 旅先だと、普段は食べないヨーグルトをたくさん食べたくなる。
 朝食後、荷物をまとめ、8時半に下に降りたらKさんがすでに駐車場でスタンバイしてくださっていた。

 ホバートから大きな川沿いの道を走り、畑の間を抜けて1時間くらいでマウントフィールド国立公園に到着した。
 ここのビジターセンターでお手洗い休憩を取り、ついでに少し内部を見学する。見学といっても、私の目はついついギフトショップに吸い寄せられてしまう。
 ビジターセンターからアスファルトで舗装されたまさに「遊歩道」という感じの湿った森の中を歩く。

皮がむけた木コケの森

苔むす森と遊歩道コケ

キノコ遊歩道

 レインフォレストの森の中、整備されたアスファルトの遊歩道を歩くこと15分くらいで、ラッセル滝に到着した。
 雨が降りそうな気配もあり、ちょっと暗い感じではあるものの、三段になって落ちる、なかなか優雅な滝である。水の音が、涼しいというよりは寒いくらいだ。
 
シダの森 帰りは主に土の道だった。道幅がきちんと維持され、「車椅子でも歩ける」という売り文句は伊達ではない。
 遊歩道沿いに出現した川の流れを眺めながら快適に歩いてやはり10分強くらいで元のビジターセンターに戻ってきた。

 ラッセル滝から、これから行くトールツリーフォレストまでは遊歩道が整備されていて、流石にアスファルトという訳には行かなくとも、我々の装備で歩いて行けるくらいの道だという。ツアーによっては歩くこともあるけれど、我々は「カモノハシを探す」ミッションに時間をかけるため、ビジターセンターからトールツリーフォレストの入口まで車で移動した。

木の高さを測る機械 この僅かの移動の間に霧雨のような雨が降り出し、「そこまで要らないよ。」と言われながらレインパンツとレインウエアを着て、トールツリーフォレストを歩き始めた。
 この森の中で最も高い(と思われる)ユーカリの木に向かって、木の高さを測る機械がセットされていた。右目で見ながらこの木のてっぺんを指すように機械のハンドルを動かし、指されたメモリの数字(角度)からこの木の高さを測ることができる、という仕組みのようだ。
 私の計測では52度、したがって高さは76.5mになる。果たして、というところだけれど、正解の表示はなかった。残念である。

看板 30分ほどでトールツリーフォレストの散策は終了し、車でフォレストシークレットに向かった。
 この「フォレストシークレット」とは何か、と聞かれると非常に困る。
 経営者は非常に気のよさそうなおじさんである。このおじさんが経営者兼受付を兼ねている。
 受付のときに、お菓子が12種類入ったプラスチックのケースを渡され、順路を歩き、関連する木や花について学びながらお菓子を食べて行くという謎のコンセプトの場所である。

 11時半頃、フォレストシークレットに到着し、「ここでカモノハシがよく見られるんだよ。」「ここを閉めちゃうかも知れない。カモノハシ・ポイントだけでも残してくれないかなぁ。」とKさんがしみじみと言っていつのを聞きつつ、カモノハシ・ポイントから見下ろした途端、カモノハシを見ることができた。

 カモノハシは、いったん水面に上がってくると、呼吸のためにそのまま15秒くらいは泳いでいることが多い。そして、水に潜ってしまうとそのままどこかへ泳いで行ってしまうことも多いらしい。
 何回か潜ったり浮かんだりするカモノハシを見ることができた。嬉しい。
 ツアーメンバーのうちお二人は、クレイドルマウンテンロッジで早朝にカモノハシをご覧になったというお話で、残り3人は今回が初カモノハシである。嬉しい。
 それにしても、変な生き物である。それほど長い時間ではなかったけれど、カモノハシ見学を楽しんだ。

黄葉 フォレストシークレットから車で黄葉の中を走ること30分くらいで、元は鮭の養殖を行っていたというSALMON PONDSに到着した。
 ここでランチをいただく。
 川沿いにあり、またレストランの目の前には養殖の池があって、もの凄く運が良ければ、この場所でもカモノハシを見られることがあるという。

サーモンクレープアイスクリームベリーソース ランチはクレープで、チキンカレーかサーモンのどちらかを選べる。
 今は鱒の養殖を行っているという話だけれど、いずれにしてもここは魚でしょうとサーモンを選んだ。Kさんが白ワインをお勧めしてくださったけれど、まだ昼間だし、車移動も長いので、用心して遠慮する。
 デザートはアイスクリームのベリーソースがけにコーヒーである。
 本当に、この旅行で食べたごはんは全部が美味しくて大満足だった。

庭園 レストランの奥にある庭園の散歩がてらカモノハシを探す。
 ちょうど、芝生の庭園を囲むように川が流れていて、こちらにもカモノハシが姿を現すことがあるという。
 カモノハシを探すためか、庭園の何カ所かに川の方に張り出した場所が設けられている。
 残念ながらカモノハシを見つけることはできないまま、14時15分過ぎにホバートに向けて出発した。

 ホバートまでの道中、川沿いには、20世紀初頭に作られたという新聞紙工場やチョコレート工場がある。
 そう教えていただきながらしっかり見逃して、15時くらいにホバートの中心地であるサラマンカに到着した。
 Kさんは「時間があったらお茶しに行きましょう。」と言っていたけれど、帰国便の時間も迫ってきて、この後は「お買い物一本勝負」になりそうな気配である。

Salamanca Fresh サラマンカプレイスにある「Salamanca Fresh」というスーパーのような、ちょっと高級なスーパーのような、むしろ「食料品店」と言いたくなるようないい感じのお店に行った。
 ワインを買うかどうかかなり迷った末に「迷うならとことん迷いたい。」というよく判らない理由でパスした。
 その代わり、ハチミツを買いまくる。Kさんも「ハチミツの賞味期限なんて一応書いてあるけど、あってないようなものだから。」とおっしゃる。お土産にちょうどいいミニサイズがあるのも嬉しい。
 やはり、お土産は食べ物である。

職場ばらまき土産 次に向かったのはCOLESという大きなチェーンのスーパーで、ここで探すのは主に「ばらまき土産」である。
 オーストラリアといえば定番のTim Tamが個包装になっているのを見つけて購入し、オーストラリア仕様のトワイニングのティーバッグを買おうかどうしようか迷って嵩が張るので諦め、アシュグローブのわさびチーズを籠に入れる。
 Kさんに「甘くなくて個包装になっていて配りやすいお土産」という難題を出してお勧めいただいたクラッカーとディップっぽいチーズのセットをまとめ買いする。常温保存OKなのがポイントである。

 お買い物一本勝負を終え、16時過ぎに空港に向かった。
 空港に向かう途中、ダブル・レインボーを見ることができて、いい旅行のいい締めくくりだと皆で喜ぶ。
 少し道が混雑したりしつつ17時前にはホバートの空港に到着した。
 買い物をしたし、午前中は国立公園を歩いてレインウエアを着たので、荷物の詰め替えや整理をする。

 チェックインしたところでKさんとはお別れである。連絡先のメールアドレスをいただき、セキュリティチェックを抜ける。
 予定より少し遅れて17時45分に搭乗開始、VA1333便でまずメルボルンに向かう。
 メルボルンで国際線への乗り継ぎまで3時間以上あって、空港内のお店なども見て回ったものの、今ひとつ物欲が刺激されない。タスマニアでも、メルボルンの空港でも、結局、食べ物の他は絵はがきだけ購入した。

機内食 CZ322便はメルボルンを22時半に離陸し、広州に向かう。9時間を超えるフライトは長い。
 夜行便だから寝ちゃえればいいものを、私は飛行機でほとんど眠れた試しがない。
 それでも、昼間そこそこ動いているし、夜通しのフライトだったことにも助けられて、23時過ぎに機内食を適当にいただいた後は、本を読んだり音楽を聴いたりしつつ、3〜4時間はうとうとできたと思う。
 広州到着前に、パンとフルーツと玉子とハッシュドポテトと豆とソーセージという「西洋風」朝食の定番な感じの機内食をいただいた。

 歩数計 13888歩

 

2018年5月5日(土曜日)

 現地時間の6時20分に広州に到着した。
 広州空港は今回も凄い混雑で、セキュリティチェックを抜けるまでに1時間以上かかった。
 セキュリティに並んでいるとき、行きに通路を挟んで隣にいた赤ちゃんとお母さんとおじいちゃんのご家族に再会した。帰りは、お父さんも一緒のようだ。
 8時搭乗開始の関空組のお三方をお見送りし、羽田行きの残り2名は空いている辺りの椅子に座っておしゃべりしていた。広州の空港も物欲を刺激されない場所である。

 広州9時15分発のCZ385便は定刻通り離陸した。
 昼間のフライトだし、4時間ちょっとだし、「ミックス。」をがっつり見る。
 日本時間の14時20分に羽田空港に到着し、羽田までご一緒した方にご挨拶して、家路についた。

 歩数計5578歩

 タスマニア旅行記6日目 <-

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2019.01.02

タスマニア旅行記6日目

2018年5月3日(木曜日)

浜辺の花 この日は、夜中に2回目が覚めた。
 体調不良、ではないように思う。旅先で熟睡できないことは、熟睡できることと同じくらいよくある。
 6時前に起き、お茶を沸かし、旅メモを書きつつ飲んで温まる。今日も移動なので荷造りをする。
 昨日、Kさんから海岸で日の出が見られると教えてもらっており、6時45分くらいにホテルの部屋を出て、すぐ前の海岸の海岸を目指す。砂浜に降りる場所が判らず、キョロキョロしていたら、やはり散歩をされていたツアーメンバーの方に「ここから降りるのよ。」と教えていただいた。

 ちょうど朝焼けが始まっていて、カモメがいて、いい感じである。
 岬のようになっている辺りの向こうから昇る朝日を見ることができた。
 今日もいいお天気になりそうである。

朝食 7時過ぎにホテルにもどり、ビュッフェの朝食をいただく。
 流石にクレイドルマウンテンロッジのような品揃えは望めないものの、そしてできれば野菜を食べたいなぁと思うものの、十分である。
 すぐに車移動だし、控えめにいただく。
 Kさんは「もっとみんな遅めの時間に食べに来るのかと思った。」と言っていた。8時半出発と考えると、私にしては日の出の分遅くなっちゃったという感じだ。

潮吹き岩 出発してまず、ホテルから車で5分も走らないくらいのところにある潮吹き岩に立ち寄った。
 風向きにより、三角形の岩のすぐ横から時々潮が吹き上がるそうだ。
 しばらくじっと目を凝らして待ったけれど、風向きが良くなかったのか、残念ながら潮を吹く様子を見ることはできなかった。
 お天気はいいものの海風が結構強く、半袖のTシャツに長袖シャツを羽織るくらいではちょっと肌寒く感じる。

フレシネ半島 潮吹き岩の辺りから30分くらい走ったところで、Kさんが車を駐めた。
 フレシネ国立公園の全貌を見られるところは、実はなかなかないらしい。
 左からBAUDIN山、DOVE山、AMOS山、と教えてもらったと思う。
 ここから車で20分くらい走って、ワイングラス・ベイを見下ろす展望台への入口に到着した。
 お手洗いを済ませ、身支度をして、ハイキングに出発である。

遊歩道 お手軽かつ人気のハイキングコースのようで、軽装で歩いている人が結構いる。昨日のみなさんのアドバイスに従ってトレッキングシューズを履いてきて正解だったわと思う。
 クレイドルマウンテンとは違い、日差しが強く、暑い。キーンのサンダルで来ていたら日焼けしていただろう。

ティーツリーの花 ハイキングコースの途中で、ティーツリーの花も見ることができた。お花や葉に鼻を近づけてみたけれど、ティーツリーのアロマオイルの香りは全然していなかった記憶だ。
 上り坂は気分的にきついし、日差しが強く、日陰もあまりなく、暑く、喉が渇く。
 それでも、40分くらいでワイングラス・ベイを見下ろす展望台に到着した。
 ずっと登りが続くし、暑くて大汗になったものの、到着してしまえば息も切れなかったし、思ったよりも楽に歩けた。

ワイングラス・ベイ

 フレシネ国立公園はタスマニアで最初に制定された国立公園の一つで、ワイングラス・ベイを始めとする海岸線がその呼び物の一つだ。
 ワイングラス・ベイの写真は、タスマニアの観光案内によく使われている。

岩の表面のアップ下から見上げる 遊歩道からもあちこちに見える赤い岩は花崗岩だ。フレシネ国立公園の山は概ね花崗岩でできた岩山である。
 岩の表面の赤い部分は花崗岩、白は石英、黒は雲母だそうだ。
 そういえば、先ほどの海岸でも足下は赤っぽい岩だったなぁと思い出す。

 下りの途中には、AMOS山への登山道入口などもあった。看板によると、完全にロッククライミングの世界のようだ。とてもチャレンジできそうにない。
 展望台での休憩時間込みで、往復1時間半のハイキングになった。

灯台 まだ11時過ぎだ。昼食には少し早いので、Kさんは車でフレシネ半島の反対側に抜け、ケープ・トゥアービル灯台に連れて行ってくれた。
 灯台の周りをぐるっと回る遊歩道が作られていて、その遊歩道の路面には鯨の大きさの印が付けられている。実際、ここから鯨を見られることもあるそうだ。
 風が強くて寒く、ダウンジャケットを羽織りながら、じーっと皆で鯨の姿を探したけれど、残念ながら見つけることはできなかった。5分10分で見つけられるものでもないのだろうと思う。

ハネムーン・ビーチ 灯台から車で10分弱のところにある、ハネムーン・ビーチにも立ち寄った。
 新婚旅行のメッカというよりは、静かな入り江ゆえのネーミングらしい。あるいはピンクがかった砂の色が「ハニームーン」っぽいのかも知れない。
 確かに波も穏やかで、シーカヤックなどもできるという。
 花崗岩のピンクの海岸線と海の青さのコントラストが綺麗だ。そして、いつでもどこでも水が綺麗なことに脱帽である。

フレシネロッジランチ 12時半くらいに、フレシネロッジに到着した。ちょっと泊まってみたい感じの素敵なロッジである。
 オーストラリア人(と思われる)の4人組が外のデッキで食事をしていた。風が冷たい中、流石である。
 我々は室内のテーブルに陣取った。
 まずポテトとカリフラワーのポタージュで温まり、ツアーメンバーの方とビール(ジェームス ホークのドラフト)をシェアして、ステーキ(大量のポテト添え)、コーヒーのランチをいただいた。

KELVEDON BEACH海岸線の道

 13時半くらいにフレシネロッジを出発し、海岸線を一路リッチモンドに向かった。
 途中、KELVEDON BEACHというビーチで休憩になった理由がどうしても思い出せない。Kさんや他のツアーメンバーの方も「こんないいところがあった!」という感じだった。「うーん、普通のビーチのように見えるけどなぁ。」と内心首を傾げていたことは秘密である。
 小さな貝殻がたくさん集まっているところがあり、Kさんが夢中でシャッターを押していたのも不思議だった。

橋と教会 16時15分くらいに、リッチモンドに到着した。
 リッチモンドには、オーストラリアで(タスマニアで、ではない)一番古い、今も現役の教会と橋がある。
 小高い丘の上にある教会をまず訪れ(外も中も素朴な感じの教会だった)、Kさんが車を回してくれている間に、我々は坂を下って川沿いを橋まで、橋を渡った向こう側の橋と教会を一望できるVIEW POINTまでのんびり散歩した。
 橋の周りは芝生が植えられ、何故か鶏が放し飼いにされていた。これが黒くて大きくてなかなか凶暴そうだった。

20180503_171423 Kさんとリッチモンド刑務所の駐車場で落ち合い、車窓から外観だけちらっと拝見し、一路、ホバートに向かった。
 ホバートに入る手前辺りから、車線も増え、走行車両も一気に増えた。
 そして、タスマニアに到着したその日にロンセストンの空港近くで見て以来となる「信号機」というものと久々に再会した。
 Kさんが「ホバートの街に入る前に寄り道をしましょう。」と言い、この信号を左折してローズニィ・ヒルを登って行った。

ホバートの夜景

 ローズニィヒルの上は展望台のようになっていて、川を挟んだ向こうにホバートの街が一望できた。
 灯点し頃とはよく言ったもので、綺麗だ。
 右側に見えているのが、ダーウェント川に架かるタスマンブリッジである。これから、あの橋を渡ってホバートの街に入ることになる。

ホテルの部屋 ローズニィヒルからホバートの街は橋1本だし、ホバートもそれほど大きな街ではない。
 それでも、ホテルに入るまで30分くらいかかったのは、街中の特にホテル周辺が一方通行ばかりだったからだと思う。
 18時頃に、THE OLD WOOLSTORE HOTELに到着した。
 元々はその名のとおり、羊毛の倉庫だった場所を改装したホテルである。フロントのある建物と部屋のある建物が別になっている。また、廊下のあちこちにその昔使っていたのだろう道具などが展示されていた。
 お部屋は広く、バスタブとシャワーブースが別になっているバスルームも清潔で申し分ない。

レストラン 19時にロビー集合で、ホテルから歩いてMuresという海沿いのレストランに行った。
 ホバートでも人気のシーフードレストランだそうだ。
 日本人の利用も多いらしく、ウエイトレスに日本の方がいて驚いた。Kさんとも懇意にされているようだ。
 このレストランでは船を持っていて、漁に出て捕ってきたお魚などなどを提供しているという。

シーフードプレート メニューは、ハーフサイズのシーフードチャウダー、魚介が山のように盛られたシーフードプレート、シャーベット(マンゴー、レモン、ラズベリー)、コーヒーである。
 もちろん、ワイン(シャルドネの白)をいただく。
 シーフードチャウダーも生牡蠣も得意ではない筈の私がぺろりと平らげた。新鮮で美味しい。
 大満足である。
 これまでの旅行の話から、山の話、写真の話、カモノハシの話、Kさんのお宅で大量に収穫したレモンをどうやって食べきるかの話など、テーブルの話題も様々に盛り上がった。

 このレストランの海を挟んで反対側(という言い方は正確ではないような気もする)は、ホバートでも最も古い一角なのだそうだ。
 ライトアップされていて綺麗だ。
 あまりそういう人を見かけた訳ではないけれど、多分、デートスポットでもあるのだろう。

 夕食を終えてホテルに戻ったら21時半くらいだった。
 それにしてもお腹がいっぱいである。
 ホテルの案内を見たらフロントで郵便の投函を頼めるようだったので甥っ子たちに動物柄の絵はがきを書いたり、夕食前にシャワーを浴びていたけれどもう一度お風呂にも入ったり、洗濯したり、荷物整理したり、日焼けをカバーすべくシートマスクでパックしたりして、23時半くらいに就寝した。

 歩数計 14700歩

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2018.11.04

タスマニア旅行記5日目

2018年5月2日(水曜日)


 この日から旅行も後半である。
 夜中に一度目が覚めて、朝は5時45分に起きた。
 体中がバキバキしていて、まっすぐに立って歩けないくらい。しかし、お湯を沸かしてお茶を一杯飲み、この前日にツアーメンバーの方から存在を教えてもらった浴室のヒーターを付けっぱなしにして乾かした洗濯物を整理し、荷造りをしている間に何とか動けるようになった。


朝食 今日は8時15分集合、20分出発の予定である。
 色々と手際の悪い私は朝食を早めに食べようと、今日もオープンする7時に間に合うようにレストランに行った。
 すぐに車移動なので、控えめにしたつもりである。
 窓際で朝食をいただいていたら、ワラビー2頭が池の畔で追いかけっこをしていた。
 朝は涼しいというよりも寒く、ヒートテックのタンクトップ、長袖Tシャツ、薄手の長袖シャツ、ユニクロの薄手のダウンジャケットという格好だと寒い。


休憩ポイント休憩ポイント


 予定通りに出発し、まずはマラクーパ鍾乳洞に向かった。
 途中、40〜50分走ったところでフォトストップになった。これまで3日間滞在していたクレイドルマウンテンの一帯を見晴らすことができる。
 10時少し前にモールクリーク・カルスト国立公園のマラクーパ鍾乳洞に到着した。
 鍾乳洞の中はかなり寒いと言われ、レインウエアの上下を着て万全の寒さ対策を取る。1日移動だしKEENのサンダルでもいいかなぁと思いつつ、鍾乳洞を歩くことを考えてトレッキングシューズを履いて来た。


 ガイドツアーで、英語の説明のポイントポイントをKさんが訳してくれる。
 前々日のタスマニアンデビルの説明のお姉さんよりはずっと聞き取りやすい英語だ。
 入ってすぐのスペースから既に何というか風格のある鍾乳石が連なり、見応えのある鍾乳洞である。


鍾乳洞鍾乳石 この鍾乳洞の中には川が流れている。
 「straw」という単語が頻発していて、こんなところに麦わらなんてないよねと思っていたところ、どちらかというと日本語のストローに近い「穴の開いた管」ぐらいの意味で使われていた(ような気がする)。
 左側の写真は、ガイドのおじさん言うところの「揺れる鍾乳石」だ。石は揺れたら折れるんじゃあるまいかと思う。正直に言えば、揺れてるかどうかよく判らなかった。


鍾乳洞 ガイドのおじさんがライトで照らすと、鍾乳石が透けて見える。
 こんなに太い鍾乳石も中空になっているらしい。
 鍾乳石というのは本当にゆっくりと育ち、上と下から伸びてきて隙間1.5cmを埋めてくっつくのに50年かかると言う。
 また、できたばかりの鍾乳石はキラキラしている。何故だろう。


Y字の鍾乳石 マラクーパ鍾乳洞の数々の鍾乳石の中で、一本だけ、ケースに囲まれてガードされていた鍾乳石があった。
 こんなにまっすぐで、白くて(鉄分が含まれていない、岩に濾過された水でなければ、鍾乳石は白くならない)、しかも二股に分かれてY字型になっている鍾乳石なんて他にはないという。
 この通路沿いはほぼ同じ条件の筈だけれど、こんな鍾乳石はこれ一つである。
 ちょうど我々が通る道に出っ張るように立っていて、ぶつかったりして折れちゃったら大変なので、ケースで保護されている。


鍾乳洞鍾乳洞 そして、一周回って最初の広いスペースに戻ってきたところで、ガイドのおじさんが電気を消すと、土ホタルが登場した。
 写真撮影は禁止だ。
 土ホタルは、ホタルではなくて、何とかという虫の幼虫だ。川を流れてくる水の中に含まれる何か(何だろう)を食べるので、湿度の高い洞窟にしか生息していないという。
 彼らは9ヵ月くらいでさなぎになり、成虫になると数日で死んでしまう。そして、死後は自分の子供の餌になるという。


鍾乳洞 土ホタルは、東オーストラリアとタスマニアとニュージーランドにしか生息していない。
 真っ暗な中、目を懲らしていると、星のように瞬いているように見えた。
 土ホタルを堪能し、1時間のガイドツアーは終了である。洞窟を出ると、次に出発するグループが待機していた。


 鍾乳洞から30分くらい走ったところでKさんが車を駐めた。
 そこはマージー川という、カモノハシがよく出没する川で、橋の上から観察するのにちょうどいいらしい。
 10分くらい川上と川下に別れてカモノハシを探したけれど、残念ながら現れてくれなかった。


車窓より車窓より


 割と「タスマニアっぽい」牧場地域を走ったり、ちょっと街っぽくなってきた向こうに電車を見かけたり、30分くらい走った。
 ホバートとロンセストンを結ぶタスマニアで一番古い道であるヘリテージ街道を、今「グルメ街道」として観光開発しようとしているという。
 本日のお昼をいただくカフェレストラン・ラズベリーファームも、ヘリテージ街道から少し入ったところにあるとはいえ、グルメ街道を構成するお店の一つだ。


ラズベリーサンデーと紅茶 本日のランチは、チキンサラダ、パン、紅茶、ラズベリーサンデーである。
 コーヒーか紅茶を選べるときはコーヒーを選ぶのが正解と思っているけれど、今回ばかりは紅茶である。
 他のテーブルに運ばれているのを見たのだったか、テーブルにメニューがあったのだったか、紅茶をお願いするとポットでサーブされて、しかもティーコゼーがラズベリーを模してあるとなれば、それは紅茶を頼まない訳には行かない。
 この頃になると、私が写真小僧であることはみなさんご存じだったので、「フォトジェニックだから選びなよ。」と口々にお勧めいただいたことでもある。


 タスマニアは本当にごはんがいつでもどこでも美味しくて嬉しい。
 サンデーもラズベリーのソースが酸っぱすぎずとても美味しくて、併設されていたショップでジャムを購入した。
 ツアーメンバーのみなさんは「ジャムよりもソースの方が色々に使えるよ。」とおっしゃる。ラズベリーソースをどう「色々」使えばいいのか、お料理をほとんどしない私には全く見当が付かなかった。


ミモザユーカリ? レストランの隣にあった池の周りをぐるっと歩けるようになっていて、皆して腹ごなしを兼ねて散歩する。
 ラズベリーもあったし、がまのような植物もあったし、珍しそうな鳥もいた。
 黄色い花はミモザである。このお花をきっかけに「ミモザサラダ」の話になったので覚えている。
 しかし、白い花が何だったか思い出せない。その場で書いていた筈のメモ帳にも「何だっけ?」と書いてある体たらくである。ユーカリだったような気もしつつ、自信がない。


アシュグローブ グルメ街道を構成するアシュグローブのチーズ工場までは、車で数分だった。
 工場というよりは「工場直売所兼お土産物屋さん」といった品揃えだ。
 クレイドルマウンテンでのハイキング中にKさんがごちそうしてくれたチーズがここアシュグローブのものである。最終日に寄るスーパーで購入することにして、狙っていたチーズをまた試食して味を確かめた。
 アシュグローブ社は、世界で買いたたかれる牛乳に付加価値を付けようと、家族経営でチーズを作り始めたという。


 14時頃、アシュグローブのチーズ工場を後にした。あとはひたすら南下する。
 途中、イオンが持っているというタスマニアンビーフの牧場兼工場を車窓ごしに見学した。
 日本でタスマニアの牛肉を扱っているのはイオンだけで、そしてタスマニアで牧草ではなく飼料で牛を育てているのはイオンの牧場だけだという。
 牧草で育った牛のお肉は赤身が多く、飼料で育てた牛のお肉はサシが入って日本人好みの味になるそうだ。


 走っている車も少ないし信号もない道をKさんはがんがん飛ばし、15時15分過ぎくらいにロスの街に到着した。
 何ていうことのないいわば「田舎町」であるロスが有名になったのは、オーストラリアで3番目に古い橋があるからではなく、「魔女の宅急便のキキが暮らすパン屋のモデルになったパン屋」と誰かが言い出したパン屋があるからだ、と思う。


ウールセンター郵便局


メインストリート 時間があれば、美味しいと噂のこのパン屋さんでおやつを買って食べてみたかったし、ウールセンターにはいい感じのウール製品が色々と売っていて真剣に探したかったけれど、残念ながら我々のロスの街滞在時間は30分くらいである。
 私ともうお一方とで、「切手を購入して日本に絵はがきを出す」という任務を遂行した。
 ロスの街の郵便局は何故か色々とお土産物っぽいものを取り揃えていて、不思議かつ可愛い郵便局だった。


 ロスの街を出てから1時間ちょっと、17時10分くらいに本日の宿泊場所であるビチェノ・ビーチフロントというモーテルに到着した。
 今日はこの後17時45分頃に迎えのバスが来てくれて、ペンギンツアーに参加する。Kさんがガンガン車を飛ばしていたのは、このツアーの出発に間に合わせるためだ。
 ビチェノの海岸にはフェアリーペンギンという、17種類いるうち世界で一番小さなペンギンが生息していて、そのペンギンたちが海から上がってきて巣に帰るところを見学することができる。


 残念ながら写真撮影は禁止である。そりゃそうだと思う。
 20人くらいがガイドのお姉さんについて、上陸ポイントのうち2カ所を順番に見学した。
 じーっと待っていると、よちよち歩いてきたペンギンが私の足の間を通って行ったりして、本当に可愛かった。
 コースを歩いていて振り向くと(気のせいか?)ペンギンと目が合ったりして、1時間弱のツアーはなかなか楽しかった。


ローストポーク ペンギンツアーから戻ってすぐ、ホテルのレストランで夕食をいただいた。
 お酒は、併設されているバーのようなところで自分で買う仕組みだった。軽めの赤ワインを頼んだと思う。
 前菜はスープかサラダを選ぶことができて、寒かったので私はカボチャとサツマイモとココナツのスープをお願いした。暖まる。
 メインディッシュは、ポークかチキンかサーモンから選べた。確かKさんが「豚はごちそうだ。」と言っていた記憶があったし、メインディッシュのうち一番上に書かれていたのでお勧め料理に違いないとポークを選んだ。
 これが大当たりだった。カリカリに焼かれた皮も美味しくて、結構な大きさのお肉をぺろりと平らげた。


スティッキーデーツプディング デザートも2種類から選ぶことができた。
 「スティッキーデーツプディング」と「パブロヴァ」である。どちらも名前だけではどんなものが供されるのかよく判らない。
 Kさんの「オーストラリア伝統のお菓子だよ。」という売り文句に従って「スティッキーデーツプディング」を選んだ。ナツメヤシの入った(だからちょっとベタベタしている)プディングというよりも肌理の粗い蒸しパンという感じだった。
 見た目より美味しい。


ホテルのお部屋 20時半くらいに解散となり、お部屋に戻った。
 このホテルではWI-FIが飛んでいたので、家にメールを入れ、ペンギンツアーの会社に「写真をちょうだい」とメールを送る。写真撮影が禁止されている代わりに、ツアー参加者に写真を提供してくれている。
 お風呂のお湯が温かったので急いで髪を洗ってあがり、旅行メモを書いたり、お洗濯をしたり、明日の移動に備えて荷造りをしたりして、23時頃に就寝した。


 歩数計 8130歩


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2018.11.02

タスマニア旅行記4日目その2

2018年5月1日(火曜日)

ウォンバットプール遠望 マリオン展望台からの帰り道、13時くらいに休憩ポイントに寄り道した。
 登山道である木道から横道が出ていて、その先にベンチを置いた休憩場所がある。広さ3畳くらいだろうか。
 ウォンバットプールが見下ろせていい眺めである。
 やけに辛いしょうが飴を「話の種に。」とみなさんに配る。本当に辛くて、美味しい。お気に入りである。

 「遠望」などと書いた割にそこからウォンバットプールまではすぐで、多分、10分かかったかかからなかったかくらいだ。
 湖岸で再び休憩し、Kさんからチーズをいただく。
 「(先ほど配った飴の)生姜の味しかしない。」とみなさんに言われ、平謝りだ。申し訳ない。

ウォンバットプール ウォンバットプールは、風もなく穏やかで、湖面に周りの木々がくっきりと映っている。タンニンが含まれて赤く見える水の色も貢献しているらしい。
 のんびり休憩しているときに、ツアーメンバーのお二人から、朝早くエンチャントウォークに行き、カモノハシを見たと伺った。羨ましい。
 こちらのご夫婦はかなりカモノハシに惹かれ、拘っていらっしゃって、そういうお話を聞くと、そもそも動物にほとんど興味がないにもかかわらず、「タスマニアにいる間に会えるといいなぁ」などと思い始めるから不思議である。

木道沿いの白いお花黄葉 この辺りまで来るとほぼ平坦な道になってきて、木道沿いに白いお花が咲いていたり、突然、日だまりにナンキョクブナが1本だけ、しかもこんもりと丸く黄葉していたり、楽しく歩くことができる。
 13時45分頃、道の分岐に着いた。Kさんは、ここから今日の出発点であるロニークリークに車を取りに行ってくださり、我々はこのままダブ湖駐車場に向かう。

リラ湖 Kさんと別行動になったものの、道は判りやすく1本道のボードウォークがほとんどで歩きやすいし、特に迷うこともない。
 ツアーメンバー5人が見事にバラバラに歩く。
 不確かな記憶がさらに不確かな記録になっているけれど、多分、奥に見えているのがリラ湖である。
 ダブ湖の駐車場まであと10分くらいの場所にあったと思う。
 この岩に入っている筋状のものについても多分どこかで説明をしてもらって、それで写真を撮ろうと思ったに違いないのに、その辺りの記憶がもうはるかかなたに霞んでいる。

クレイドルマウンテン

 14時くらいには、クレイドルマウンテンをはっきりと見える場所まで戻った。
 カメラマークと「ここから写真を撮ってこのサイトに投稿してね。」といった感じのメッセージが書かれた看板があり、木道から少し外れて写真を撮れるようなスペースが用意されている。
 観光地に戻ってきた! という感じだ。
 ダブ湖でカヌーを漕いでいる人たちも見える。ちょっそ寒そうだ。

空 ダブ湖の駐車場のお手洗いを有難く利用させてもらい、テーブルっぽいスペースにリュックを下ろして休憩である。
 それにしても、ダブ湖の水は綺麗だ。
 そして、朝からピーカンだった空にうろこ雲が浮かび始め、それはそれで何だか格好いい空である。

 Kさんとも無事に合流し、青空をバックにしたクレイドルマウンテンも堪能して、14時半くらいにダブ湖駐車場を出発した。
 車でロッジのキャビンまで送ってもらい、リュックを下ろしてウエストポーチだけ持って、そのままロッジの敷地内にあるキングビリートラックに出発である。

キングビリートラック入口ナンキョクブナ 15時過ぎにキングビリートラックを歩き始めた。
 午前中に歩いていた森とは全く違う雰囲気だ。
 もちろん、木道が整備されていてのんびり歩ける森であると同時に、こちらは深く湿っている。
 歩き始めてしばらく「ナンキョクブナとコケの森」を歩く。コブのできた木や、倒れた木、倒れた木一面を覆っている苔など、屋久島の森や、クィーンシャーロット島の森を思い出す。

キングビリーパイン 奥の方に行くと、周りに生えている木がナンキョクブナから杉の木に変わった。
 キングビリーパインは杉の一種である。腐りにくい性質があって、ウエンドルファーさんの山小屋や、ダブ湖のボート小屋なども、この木で作られているという。

 森を抜けると、明るく開けた感じの場所だった。
 ベンチが置いてあり、遠くにクレイドルマウンテンが望める。いい景色だ。何となく皆してベンチに座り、景色を眺めならおしゃべりに興じた。
 しばらくじっとしていただけでも、長袖Tシャツに長袖シャツを羽織り、レインウエアを羽織るという服装ではちょっと冷えるくらいに感じられたのをよく覚えている。

ワラビー 16時くらいにキングビリートラック1周を終え、いったん解散となった。
 夕食まで2時間半ある。絵はがきを追加で購入しようと売店に向かったら、ワラビーがいた。
 昨日も売店の近くの芝生にワラビーが何頭もいたし、この辺りが住処なのかも知れない。
 この辺りではワラビーは2種類見かけることができ、それぞれの名前も教えてもらった筈なのに、思い出せない。片方はデカメロンだったと思う。しかし、果たしてこの記憶は確かだろうか。

ロビー棟 16時半頃にキャビンに戻った。
 明日は移動なので、まず洗濯できるもの(タオルマフラーなど)を洗濯してしまう。カメラの電池を充電し、小腹が空いた気がしてコーヒーを入れ、お昼に残していたチョコバーと一緒にいただく。
 友人に絵はがきを書いたり、日記というかメモを付けたりしていたら、あっという間に夕食の時間になった。
 今日の夕食は、初日と同じレストランだ。食べる前から名残惜しい。

チキンレバーパテトラウト 前菜にチキンレバーのパテを選ぶ。
 一昨日にお裾分けいただいてもの凄く美味しかったので、レバーもパテも苦手な筈なのに迷うことなく選んだ。
 そして、これだけの大きなパテを一人でぜんぶ食べきったのだから、我ながら欲深いことこの上ない。
 トラウトのソテーも皮がパリパリしていて、肉厚でジューシーで美味しい。
 チキンは白というイメージだけど、レバーパテは赤っていうイメージだよな、でもメインをお魚にしたしと縷々迷い、リースリングの白ワインをお願いした。

パンナコッタ デザートは、初日と同じくシザーウッドのハチミツのパンナコッタを選んだ。
 やっぱり美味しい。
 そして、このパンナコッタも含め、初日にも誰かが頼み今日も誰かが頼んだといういくつかのメニューを見比べて全員一致で「今日の方が盛り付けが美しい!」「凝っている!」という結論になった。
 一昨日は日曜日だったので、きっとシェフがお休みだったんだと笑い合う。真相は不明だ。
 2時間くらいかけて、ゆっくり美味しくいただいた。

 いったんキャビンに戻って身支度し、20時半に夜行性の動物探し兼星空観察に出発である。
 Kさんは、ダブ湖畔まで行ってみようという。
 ロッジで見上げただけでも、午後になって出てきていた雲は再び消えて、満点の星空である。
 Kさんのいう「トーチ(大きくかつ強力な懐中電灯)」で窓の外を照らしつつ、ヘッドライトで明るくなった辺りに目をこらしつつ、、ダブ湖までの道を走る。

 もちろん街灯など設置されていない。光のないところは真っ暗だ。
 なかなか動物を見つけるのは難しく、木に登るフクロネコを何頭か見つけるのが精一杯だった。
 ダブ湖に到着すると、今度の見ものは「星」である。
 月夜で星空観察にはやや向かない代わりに、月の光にクレイドルマウンテンがうっすら黒く浮かび上がって見えた。

南十字星とカノープス ファインダーがないと難しいなと思いつつ、適当にカメラをクレイドルマウンテンの方向に向けて写真を撮っていたら、クレイドルマウンテンの右上で光っている星が写真に写っていることに気がついた。
 それならば、南十字星も撮れる筈だ。
 試行錯誤の結果、南十字星とスピカを撮ることができた。左上の星四つが南十字星、右下の明るい星がカノープスである。
 カノープスは東京ではほぼ見られず、だからこそ「この星を見ると長生きできる」と言われていると思う。タスマニアで見た場合でも「長生き」の御利益があるといいなと思う。

 たっぷり月光に浮かぶクレイドルマウンテンと星空を堪能し、22時くらいにキャビンまで送り届けてもらった。
 この日もジャグジーを楽しみ、ついでにふくらはぎと腿をよくよくマッサージする。
 日焼けしただろうとシートパックも使い、お洗濯や歯磨きや荷造りをして明日に備え、23時半頃に就寝した。
 Kさんから「夜行性動物探しに」とトーチを借りていたけれど、それを生かして探しに行く体力根性共になかったのが残念である。

 歩数計 20936歩

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2018.10.27

タスマニア旅行記4日目その1

2018年5月1日(火曜日)


 3時くらいに1回目が覚めたものの、6時にセットした目覚まし時計を5分くらい鳴らしっぱなしにしてやっと起き出すことができた。
 体中がバキバキいっていて、歩くのにも我ながらギクシャクしている気がする。
 お部屋にあったレモングリーンティを試しに淹れてみたら、悪くないお味だった。熱いお茶が美味しい。お部屋にお茶セットがあるっていいなぁと思う。


 昨日、風に吹かれ続けて歩いたせいか目が痛かったので、サングラスを荷物から取り出した。今日は山に登るし、多分、写真を撮っている体力的な余裕はないだろうから、サングラスをしていてもいいだろうと思う。
 窓から外を覗いてみると、今日は朝焼けはしていないようだ。ちょっと残念である。


パンケーキフルーツ 7時に朝食をいただいた。
 この景色が見える窓際の席を選ぶ。我ながら優雅である。
 その優雅な気分に合わせ、今日の朝食は、バナナとチアシードのスムージー、パンケーキ(レザーウッドのハチミツやジャム添え)、フルーツにヨーグルトと蜂蜜をかけ、カフェオレといただいた。
 一応、これで控えめにしたつもりである。


 朝食後、身支度をして出発である。
 自分の体力のなさは判っているので、極力荷物を減らす。
 長袖のスポーツシャツにスコーロン素材のシャツを重ね、ダウンをリュックに入れてレインウエアを着込む。スポーツタイツの上に薄く綿の入ったパンツを履いてゲイターを付け、レインパンツはリュックにしまう。
 我ながら、装備は完全だ。


オーバーランドトラック出発点 Kさんの車で8時半に出発し、9時過ぎにロニークリークに到着した。
 ここは全長80kmのオーバーランドトラックの出発点でもあって、大きな荷物を背負ったお兄さん達が何人か歩き出して行った。私たちは、トラックの途中にあるマリオン展望台を目指す。
 スタートポイントで記念撮影をし、特に私はストレッチをして、9時15分、出発である。
 今日はこんなに青空が広がっているのに、明日以降、雪の予報が出ているらしい。驚きである。そして、ラッキーだ。


橋を渡る ゆっくりゆっくり歩き始める。
 どう考えてもこのメンバーの中で私が一番体力がないので許されるだろう&そうすべきだろうと、先頭を歩くKさんのすぐ後ろに付いて歩く。集団で歩くときは、この位置が一番、体力を消耗しない。
 最初に歩くのは平らな場所だ。
 ほとんど水は見えないながら川が流れていて、川沿いにはパンダニの木が育っている。昨日も思ったとおり、ナウシカの世界みたいだ。


 ロニークリークの駐車場の標高が819m(私のカメラ調べ)で、マリオン展望台の標高が1142m(同じく、私のカメラ調べ)で、300mくらいの標高差だ。それでも、とにかく階段部分がきつかったのを覚えている。
 階段を超えてしまえば、確かに鎖のある岩場っぽいところもそれほど大変だとは思わなかった。
 いずれにしても、体力のない私には「登り」というだけで結構きつくて、ほとんど写真もメモも残していない。


滝山道 左が歩き始めて25分くらいたった辺りの山道である。まだKさんのすぐ後ろの位置をキープしている。
 右は、歩き始めて30分くらいのところにあった滝である。確か、この滝を眺めるためのちょっとしたデッキがあって、マイナスイオンを浴びつつ少し涼んだような気がする。
 歩き始めると暑いし、ちょっと風に吹かれるとすぐに寒くなるし、なかなか服装の調節が難しい。


ナンキョクブナの黄葉ナンキョクブナの黄葉


 さらに10分くらい歩いた辺りから、ナンキョクブナの黄葉が見え始めた。
 少し元気になる。
 Kさんが嬉しそうに写真を撮りまくっているのが何だか可笑しい。そして「在住の方がこんなに撮ってるなら!」と自分も写真を撮りまくる。


クレーター湖とボート小屋クレーター湖とボート小屋 歩き始めて50分、10時過ぎにボート小屋に到着した。
 このボート小屋もウェインドルファーさんが建てたものである。この山道をボート遊びのために、ボートを運び、ボート小屋の材料を運ぶなんて、私にはとてもじゃないけれど考えられない。
 ここで小休止し、青空トイレも済ませた。マリオン展望台往復のコースにはトイレはない。
 ナンキョクブナの黄葉は終盤を迎えているようで、クレーター湖には枯れ葉が落ちている。水が澄んでいるから、それだけでも絵になる光景だ。


階段鎖場 10分ほど休憩して、10時15分くらいに再スタートを切った。
 この後、階段がとにかくきつかった記憶である。写真で見るとどうってことのない階段のように見えるのに、とにかく息が切れた。
 階段の部分は多分、5分とか長くても10分くらいで歩ききっていると思う。それでも、とにかく辛かったという記憶が残っている。
 階段よりも、鎖を使って岩場を登る方が断然楽しかったし楽だった。


クレイドルマウンテン ボート小屋から45分、11時にマリオン展望台に到着した。
 ダブ湖やリラ湖の眺めが絶景である。
 風がちょっと冷たく、それが却って気持ちいい。しかし、タンクトップ姿の女の子を見かけたときには、「それは寒いでしょう!」とツッコミたくなった。
 Kさん曰く「今日はおだやかな日和」で、確かに青空が広がり、クレイドルマウンテンもばっちり見えている。それでも、稜線を歩いているときは風で飛ばされそうになった。


 少し休憩して、「オマケ」として、バーンブラフを見に行くことになった。
 マリオン展望台から5分とか10分とか、それくらいオーバーランドトラックに沿って歩いて行くと、クレイドル山とバーンブラフ山を見渡せる場所がある。


 Kさん始め、ツアーメンバーの方々が口々に「登りたくなったでしょ。」とおっしゃり、もちろん私は「とんでもない!」「全く思いません!」とすげなく回答した。
 山登りをする方々ってどうしてみなさんこんなにタフなんでしょうと心の底から思う。
 私は、ちょっと立ち止まってはストレッチを繰り返していたにもかかわらず、すでに体中がバキバキいっているという体たらくだ。


クレイドル山とバーンブラフ山


 マリオン展望台に戻り、11時45分くらいに持ってきたランチバックでお昼ごはんにした。
 疲れ果てていたようでゴハンの写真も撮っていない。メニューは昨日と同じで、サンドイッチとりんごとチョコバーとお水である。
 これで風が強い日になると、とてもではないけれどマリオン展望台でお昼を食べるなんてことはできないらしい。 


 年配のご夫婦が写真を撮っていらして、Kさんがお話を伺ったところでは、ン十年前に新婚旅行でマリオン展望台まで登っていらっしゃり、記念に再び訪れたらしい。
 お元気かつ仲の良いご夫婦で何よりだ。
 そして、新婚旅行で撮った写真と同じ場所、同じポーズで再び写真を撮っているという。
 何故かみなさんに唆され、私まで同じポーズで写真を撮ってもらうことになった。
 (何のか、という疑問はあるものの)記念である。


下り階段赤い実 12時15分くらいに下山を開始した。
 下り坂は得意(?)なので、今度は最後尾をのんびりとろとろと歩く。登りであんなにきつかった階段も、下りなら楽々である。写真も撮りまくる。
 多分、教えてもらったと思われるけれどすっかり忘れている、お花が咲いていたり、赤い実がなっていたりする。


 この辺りには、ウォンバットも出没するそうで、糞があちこちに転がっている。
 ついでに、ハリモグラの出没する地域でもあるらしい。
 そう言われて、さらにキョロキョロと歩いたけれど、残念ながら、どちらとも出会うことはできなかった。


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2018.09.24

タスマニア旅行記3日目その2

2018年4月30日(月曜日)


ワルドハイム(外観) のんびり昼食をいただいた後、13時半頃にすぐ近くにあるグスタフ・ウェインドルファーのワルドハイムを見学に行った。
 昨日、「一番最初に描かれた壁画」とシェフィールドの待ちで教えてもらった壁画に描かれていた人が住んでいた、いわば山小屋である。そこを拠点にクレイドルマウンテンを国立公園にすべく活動をしていたらしい。


 


ワルドハイム(内部) 当時と同じ材料(キングツリーパイン)、同じ作り方で再現された小屋の中には、家具や食器などが暮らしていた当時を彷彿とさせるように等身大の写真パネルとともに配置され、ガラス越しに見る感じになっている。
 この中のどの人がウェインドルファーさんなのかはよく判らなかった。
 中に人が入ると自動で案内音声が流れるようになっていて、それを聞き取る英語力があればもうちょっと色々な知識を仕入れられただろうに、我ながら勿体ない限りである。


 タスマニアで最初の開拓に当たったのは囚人たちだ。
 タスマニアは刑期が7年以上の囚人達の流刑地だったそうで、政治犯というよりは、スリなどの窃盗犯が多かったらしい。
 でも、流刑地だった割に、流されている間にタスマニアが気に入って刑期を終えても帰ろうとせず、故郷に「いいところだからおいでよ。」的な手紙を送った人もいたらしい。


散歩道黄葉 このワルドハイムを通り抜けて裏から出ると、そのまま森の中の散策コースに出ることができる。
 すぐ近くまで道路が来ているのに、苔むした深い森のように感じられる。
 僅か15分ほどのとても歩きやすい散策コースで、お手軽過ぎるくらいに「自然」を感じられて不思議だ。ウェインドルファーさんもこの森の中を彷徨ったりしたのかしらと思う。


 Kさんの運転する車に乗り込み、ロニークリーク(オーバーランドトラックの出発地点にある川)に行った。
 ここも、タスマニアにいくつかある「カモノハシ・ポイント」らしい。
 しばらくカモノハシがいないかしらと川面を見ながらつい水辺に近づいてしまい、シャトルバスの運転手さんに「そこに入ってはだめだ。」と注意された。申し訳ない。
 慌てて道路に戻り、橋の上からそれでもしつこくカモノハシを探したけれど、残念ながらここで出会うことはできなかった。


 午後は、クレイドルバレー・ボードウォークを歩く。Kさんの車でSnake Hillまで連れて行ってもらい、Kさんはそのまま車でロッジまで行って、ボードウォークを逆に歩いて迎えに来てくれると言う。
 ボードウォークの名前のとおり、尾瀬のような感じで板で道が作られているので迷う心配はない。
 ちらほら青空が覗き始めてお天気も回復傾向である。
 ツアーメンバー5人で、14時過ぎ、のんびり歩き始めた。


ボードウォークボードウォーク 他に歩いている人の姿はほとんどなく、我々5人の貸し切りのようである。
 このボードウォークの下には電線等が這わされていて、「歩く」というアクティビティと、電線等々を通すための目隠し兼道筋と、その両方の役目を担っている。「高圧電流注意」の看板も見かけた。


 ずっとほぼ平らなボードウォークを歩く。快適といえば快適、退屈といえば退屈である。
 ボタングラスが一面に広がっていて、これで黄色く色づいていたらナウシカみたいだなぁと思う。
 ボタングラスは、その実が堅く、本当にボタンとして使われたことからその名が付いたそうだ。


ボタングラス白いお花


 1時間弱くらい歩いたところで振り返るとクレイドルマウンテンを見ることができた。
 何だかちょっと嬉しい。
 ツアーメンバーのみなさまにもお知らせしたいところだけれど、見事に縦長にバラバラになっていて、とても「ちょっとお知らせする」ことはできないのが残念だ。


デカメロン Kさんとも無事に合流し、1時間半くらいで宿泊しているクレイドルマウンテンロッジ近くにあるインフォメーションセンターに到着した。
 そのまま、ロッジの敷地内なのか敷地のすぐそばなのか微妙な場所にあるカモノハシポイントを教えてもらいに、エンチャンテッドウォークに向かった。
 その入口でデカメロン(だったと思う)にあっさり会えてしまうところがクレイドルマウンテンの凄いところだ。


エンチャンテッドウォーク エンチャンテッドウォークは、この川沿いを往復できる20分くらいの周回コースである。
 途中、子供用にトンネルのようなものも作られていて、足下もずっとボードウォークだし、家族連れにぴったりという感じの散歩コースだ。
 その途中、川面が静かな辺りがカモノハシポイントだという。しばらく水面をみなでにらみつけたけれど、このときは残念ながら現れてくれなかった。


 Kさんにお聞きしたところ、移動途中にどこかの街で郵便局に寄ることはできるというお話で、一旦解散した後、ロッジの売店に絵はがきを買いに行った。
 売店は欲しいといえば欲しい、しかしわざわざここで買わなくてもいいような気がするといえばそんな気がする、なかなかしゃれた感じの品揃えだ。
 このときは「わざわざクレイドルマウンテンロッジで買わなくても」という気持ちが勝ち、絵はがきを数枚買って満足した。


 17時20分にキャビン前に集合し、Kさんの車でタスマニアンデビルの保護センターに向かった。
 10分もかからずに到着する。
 17時半からのガイドツアーに参加する。
 まずはスライドを見ながらタスマニアンデビルを中心に、タスマニアの動物たちについて説明を受ける。
 とは言うものの、英語である。さえずるように早口でしゃべるお姉さんの英語は、正直に言って、全く聞き取れなかった。哀しい。


 唯一聞き取れたのは、タスマニアンデビルの寿命が6年くらいであることだ。
 また、Kさんによると、現在、タスマニアンデビルの間で顔面の癌(と言っていたと思う)が蔓延していて、治療法がなく、既に全体の90%くらいが死んでしまったらしい(という話だったと思う)。
 もはや絶滅危惧種だ。
 実際、このツアー中に野生のタスマニアンデビルに出会うことはできなかった。


タスマニアンデビル その分、保護センターでタスマニアンデビルを堪能する。
 可愛らしい容姿にもかかわらず、そこは”デビル”の名の通り、かなり戦闘的な動物である。
 何かというと奇声を上げて威嚇し、もの凄いスピードで追いかけっこをしている。追いかけっこというほどのんびりしたものではない。飼われているにもかかわらず、生存競争そのものな真剣さだ。


(多分)クォール 保護センターでは、タスマニアンデビルの他にもクォール(フクロネコ)などが飼われており、スタッフのお姉さんたちが餌付けの様子を見せてくれる。
 こちらも、「THE 肉食動物」という感じの荒々しさである。可愛らしい見た目とのギャップが激しい。生肉を文字通り引きちぎって食べまくっている。


 餌付けは野外で行われていて、見学も野外である。
 この時期の夜は寒くて、1時間くらい見学していたらどうにも冷え切ってしまった。手袋を含め、見学には防寒対策が必須だと思う。
 1時間ちょっとの見学コースを終え、ショップでタスマニアンデビルのぬいぐるみを買うか少し迷い、「どこに飾るんだ」という自分のツッコミに答えられなかったので購入を見送った。


ハンバーガーシーザーズサラダ ロッジに戻り、19時前くらいから夕食である。
 今日の夕食はバーでいただくことになっている。
 2コースで、一皿目はシーザーズサラダまたはパンプキンスープ、メインは、ハンバーガー・フィッシュアンドチップス・カルボナーラパスタのいずれかを選ぶ。
 また、飲み物はカウンターで注文する方式だ。Kさんにお勧めを教えてもらい、ジェイムス・ボウグスというタスマニアのビールをオーダーした。


 このハンバーガーがとにかく大きかった。ビッグマックなんて目ではない大きさである。
 サラダだって大量だ。
 流石にポテトまで完食はできなかったけれど、ハンバーガーはすべて食べきり、ツアーメンバーの方々から賞賛のお言葉をいただいた。かなり複雑な気分ではある。
 フィッシュアンドチップスをオーダーした方から「昨日の方が美味しかった。」という感想もお聞きし、昨日の屋台のフィッシュアンドチップスは特別な美味しさだったんだなぁとしみじみと思い返した。
 ついでに書くと、ポテトも昨日の方が美味しかったと思う。


 この後、星空&夜行性動物の観察に行く予定だったけれど、外に出ると満月は見えているものの空は一面の雲に覆われている。
 星空観察は明日に賭けましょうということに決まった。
 そのままキャビンまでKさんの車で送ってもらい、20時半くらいに解散した。


 平らなところを歩いただけなのに、足腰がバキバキ言っている。
 ジャグジーにお湯を張り、ゆっくりと浸かる。ついでにふくらはぎと腿を中心にマッサージをして、お風呂上がりにはダメ押しのストレッチだ。
 お洗濯もして、日記を書いて、でも絵はがきを書くところまではたどり着けず、23時頃に就寝した。


 歩数計 22128歩


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2018.09.17

タスマニア旅行記3日目その1

2018年4月30日(月曜日)


 6時に起床した。
 うっかりトラベルクロックを荷物に入れるのを忘れてしまい、iPadを目覚まし代わりに使っている。部屋の中にパッと見て時間が判る時計がないのはちょっと不便だ。
 外を見ると朝焼けが綺麗だったので、慌てて色々と着込んで外に出た。
 道の真ん中でしゃがみ込んで写真を撮っていたら、お隣のキャビンだったツアーメンバー唯一の男性がやはり写真を撮りにいらしていた。一眼レフに大きくて長いレンズを付け、動物写真への並々ならぬ本気度を感じる。


朝食 7時オープンに間に合うようにレストランに向かった。
 ほとんど一番乗りで、窓際の席を選ぶ。窓から池が見えて気持ちがいい。
 朝食のビュッフェのメニューも豊富で、トーストとクロワッサンを焼きすぎてしまったのが我ながら惜しい。
 さらにお代わりして、カットフルーツにヨーグルトとレザーウッドの蜂蜜をかけていただいた。


ロッジ内 ゆっくり朝食をいただき、部屋に戻ろうとしたら道が判らない。
 森の中の道をぼんやり歩いて来てしまったのが敗因である。少し遠回りになるけれど車道を歩いて戻る。次にキャビンからレストランに来るときには、よくよく周りを見なければと思う。
 ロッジ内に小川が流れ、橋が架かったりしている。方向音痴の私が迷うのも当然である。


 晴れ間も見えていた空にはだいぶ雲が広がっている。相当に寒い。タスマニアでも、朝焼けはその日が雨降りになる兆しなんだろうか。
 部屋に戻り、身支度をする。
 長袖Tシャツに半袖Tシャツを重ね、そのうえに長袖シャツ、フリース、レインウエアを重ねる。下もサポートタイツに薄く綿の入ったパンツを履く。どれだけ寒がりなんだという格好である。


 8時半にKさんが迎えに来てくださり、まずは別のロッジで売られているチーズを買いに寄り道する。アシュグローブという会社が有名で、このツアーでも工場に立ち寄ることになっている。その味見をさせてくれるらしい。
 その後、昨日もクレイドルマウンテンを見に来たダブ湖の駐車場に向かった。今日の午前中は、このダブ湖を一周するハイキングである。


スタート地点 高曇りという感じで、雨は降らなさそうである。
 クレイドルマウンテンも雲がかかりつつもしっかり見えている。
 9時15分に、時計回り方向にハイキングをスタートさせた。
 Kさんは植物にも詳しくて色々と教えてくれる。だが、如何せん覚えられない。復唱しながら歩いても全く覚えられなかった。我ながら素晴らしい記憶力である。


レモンタイムピンクマウンテンベリー 左の葉っぱは「レモンタイム」だったと思う。
 手で葉っぱを強く擦るといい匂いがして、それで覚えている。
 実際に歩いているときも「これだっけ?」「こんな形の葉っぱだったような。」等々と言い合い、いくつかの種類の木に触ってみてやっと当たる感じだった。
 右の写真の赤っぽい実はピンクマウンテンベリーだ。”ベリー”と聞いたら「食べられるかどうか。」をKさんに質問したに違いないのに、果たしてこの実を食べられるかどうか、全く覚えていない。
 どうだったろうか。


アイノカンザシ 白っぽいピンクのお花は「バイエラ」である。と思う。その学名よりも「アイノカンザシ」という名前がやけに印象的に残っている。
 自分の記憶力に全く自信がないので聞いたことはできるだけメモを取るようにしているものの、このときは、「体力がない」ことと「自分が一番体力がない」という二つの理由で、歩きながらメモを取る余裕が全くなかった。
 返す返すも残念である。


氷河岩から氷河の跡 歩き始めて20分くらいで、氷河岩に到着した。
 もちろん、登る。
 昔はここから飛び込む人が多かったため「自殺岩」と呼ばれていたらしい。
 今の名前が「氷河岩」になっているのは、氷河が通ったというか削った跡が岩の表面に線状に残っているためだ。「きっと、どうしてこんな写真を撮ったのか、後で見たら判らないよね。」と言い合いながら写真を撮る。
 そして、この岩の上からの眺めがなかなか良い。


パンダニ 物覚えが悪い私でも、ツアーメンバーみなさんで何となく気に入って名前を連呼し、何とかして覚えようとやっきになったいくつかの植物は今でも名前と姿が(かろうじて)一致する。
 椰子の木みたいな木もその一つで、「パンダニ」という名前だ。
 椰子の木みたいな見た目をしつつ、ヒースの一種で、タスマニア固有種の一つらしい。
 こうして後になって思い返そうとするとやはり色々と忘れている。この前の日に立ち寄ったインフォメーションで販売されていた植物図鑑を購入しておけば良かったと思う。


バンクシャーバンクシャー もう一つ、覚えたのが「バンクシャー」だ。
 左のまだ若い状態から右のちょっと時間のたった状態へ、どんどん水気を失って固くなっていく、という説明があったと思う。
 オーストラリア原産の植物で、乾燥したところが好きらしい。それなのに、どうしてダブ湖の湖畔にたくさん生えていたのかは謎である。


南極ブナの黄葉


 今回のツアーの目的の一つが、ナンキョクブナの黄葉である。
 ちょっと遅かったか、くらいのタイミングで、ダブ湖の対岸の崖っぷちに黄葉したナンキョクブナが生えているのを見ることができる。
 ナンキョクブナには常緑のものと落葉のものとがあり、タスマニアの固有種で黄葉するのはこのナンキョクブナだけである。
 Kさんは「なんとかファガス」と学名を何度も教えてくれたけれど、いったん覚えやすい「ナンキョクブナ」でインプットしてしまった私の脳みそは最後まで変換してくれなかった。


半周 コースタイムよりもだいぶゆっくりの1時間半くらいをかけて、スタート地点のちょうど反対側、クレイドルマウンテンの麓といった場所に到着した。
 確か、ベンチがあった記憶だ。
 荷物を下ろし、Kさんが朝購入したチーズを切り分けてくださって、遠慮なくいただく。このときは、プレーンなチーズとと山葵が入っているチーズを賞味した。
 山葵入りは辛みというよりは香り付けという感じだ。


 クレイドルマウンテンが随分と角度を変えてそびえているところをじっくり鑑賞したら、後半のスタートである。
 後半はひたすらナンキョクブナを追った。


ナンキョクブナナンキョクブナ


ナンキョクブナナンキョクブナ


 ほぼ出発地点に戻ってくると、ナンキョクブナとクレイドルマウンテンの競演を見ることができる。
 Kさんは「ちょっと遅かった。」と残念がっていたけれど、私としてはかなり満足だった。


 


ナンキョクブナとクレイドルマウンテン


ボート小屋 ボート小屋まで戻ってくればほぼ1周である。
 ダブ湖の水が茶色っぽく黒っぽく見えるのは、ボタングラスという植物の根から溶け出したタンニンが含まれているからだ。タンニンを含んだ水は表面に油膜が張ったようになり、それで鏡面になるという。
 ゆっくり歩いて、ゆっくり休憩もして、写真もたくさん撮って、1周3時間だった。
 とにかく雨に降られなかったのが有難い。その代わり、ずっと風に吹かれていたせいか目が乾く。
 ツアーメンバーのみなさんは「何ということもない。」というご様子で、私一人でへとへとになっていたように思う。


ランチ 駐車場にあるお手洗いに寄った後、車でワルトハイム・ハットに移動した。
 今日のお昼ごはんは、見晴らしの良い場所に立つハットで、ランチバッグをいただく。
 マスタードが効いたサンドイッチが美味しい。オーストラリアン仕様のサンドイッチ二つは日本人には多すぎるのでKさんがお願いして1パックにしてもらったと聞いて、何だか可笑しい。


 Kさんが温かい飲み物を作ってくれる。
 「インスタントなんだけど美味しいんだよ。」と言われたカフェオレが、甘くなくて確かに美味しい。コールズというスーパーのプライベードブランドの商品だそうだ。そういえばスーパーで見つけたら買おうと思っていたのにすっかり忘れていた。
 デッキにベンチを持ち出し、眺めを満喫しながら食べていたら、カラスが寄ってきてどうも我々のごはんを狙っている気配だ。慌てて室内に戻った。
 
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2018.08.04

タスマニアの写真をアップする

 PHOTO ALBUMに2018年のゴールデンウィークにタスマニアに行ったときの写真をアップした。
 コメントは追々書くとして、写真を選び、タイトルを付け、時系列で並べてある。

 タスマニアの空と動物と森の写真は、こちら。
 空気と水の美味しさが少しでも伝わるといいなと思う。

 どうぞ、見てやってください。

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2018.07.16

タスマニア旅行記2日目

2018年4月29日(日曜日)


機内食 最後列だったので心置きなくリクライニングできたし、お隣が空席だったので余裕もある。広州からメルボルンまでの機内では、珍しくうとうとすることができた。
 オーストラリアのタスマニア州標準時(日本時間と比べるとプラス1時間)の6時頃、機内食が出た。
 「egg or cake?」と聞かれて卵を選んだら、洋風の朝食だった。周りを見回してみたら、「cake」を選ぶと点心の朝食だったようだ。なかなかcakeと言われてそれは思いつかない。


 中国東方航空321便は、予定よりも少しだけ早く、8時半くらいにメルボルンに到着した。
 しかし、メルボルン空港は相当に広い。着陸してから延々と飛行機は地上を移動し続け、降りられたのは15分以上経ってからだった。
 そして、入国審査も長蛇の列だった。途中で入国審査を自動・無人で行うことができる機械がいくつも設置され、スタッフが誘導していた。
 入国スタンプが欲しくで有人窓口に並んだものの、残念ながらスタンプは押してもらえなかった。


 オーストラリアの入国カードの「禁止・規制されているもの、薬、ステロイド、武器などを持っていますか」という質問に正直にチェックを入れていたら、入国審査だったか入国審査を抜けた先だったかで、係官から「薬を持ってるの?」と質問された。
 「頭痛薬を持ってます。」と答えたら、特にバッグを開けられることもなく、そのまま通過できた。
 それにしても、普通の薬と武器とをひとまとめにして「持ってる?」と質問するのはどうなのか。チェックを入れるのにかなりためらってしまう。


 キャリーケースをピックアップした後、係官に入国カードを見せるよう言われ、「食べ物を持っていますか。」という質問にチェックを入れていたためか、検疫レーンに行くよう指示された。
 その箇所を指さして「何を持ってるの?」と分かれ道に立っていた係官に聞かれる。「飴とティーバッグを持ってます。」と答えたら、バッグを開けて見せなくていい方のレーンを示された。
 有難い。無事、入国できた。


 国際線のターミナルから国内線のターミナルまでは屋内通路でつながっている。
 キャリーケースを転がして移動し、9時半前に国内線のチェックインが完了した。身軽になったところでお手洗いに行き、セキュリティチェックに向かったところで同じツアーの女性二人組と再会した。
 彼女たちを含め、私以外のツアーメンバーはかなり本格的に山歩きをする方々らしい。
 10時過ぎにゲートに到着したものの、搭乗開始が20分くらい遅れ、ヴァージンオーストラリア航空1366便は11時半くらいに離陸した。


 タスマニア島のロンセストンまでは1時間のフライトだ。
 12時半くらいにロンセストンに到着する。荷物をピックアップし、ガイドのKさん(と呼んでくださいと言われたけど、あんまりそうは呼ばなかったような気がする)と合流した。
 ツアーメンバー5人とKさんの6人がここで集合である。
 タスマニア島の人口は50万人ほどで、州都のホバートの人口が一番多く、二番目はロンセストンだそうだ。


日曜市 まずは、お昼ごはんも兼ねて、空港から近いエバンデール村の日曜市に向かった。
 タスマニアは世界でもっとも水と空気がきれいな島と言われている。タスマニアと同じ緯度には他に陸地がないため、偏西風でやってくる空気は汚れようがないという。
 従って青空も綺麗である。いいお天気だ。Tシャツと長袖シャツでちょうどいいくらいの気候だったと思う。
 日曜市はすでに終わりかけの時間で、店じまいしているところも多かった。ジャムや蜂蜜のお店を覗き、赤い車の屋台でフィッシュアンドチップスを注文した。


フィッシュアンドチップス 他のみなさんが注文したホットドッグなどはすぐできあがったのに、フィッシュアンドチップスはやたらと待ち時間が長かった。
 「今、お魚を釣りに行っています。」などという冗談が出たくらいだ。
 お魚は釣りに行っていなかったにしろ、ポテトは生から揚げていたと思う。
 山盛りの白身魚のフライとポテトはどちらもめちゃくちゃ美味しかった。熱々でほくほくでレモンをたっぷり搾るとジュっと言いそうなくらいだ。


 白身のお魚は「コチ」らしい。
 注文したときはお高いと思った10オーストラリアドルというお値段も、量と美味しさで納得である。
 Kさんも「これは良心的な値段だ。ホバートだったら倍はするよ。」とコメントしていた。
 オーストラリアは結構物価が高いんだなと心に刻む。


 みなさんにも手伝っていただいて完食し、13時半くらいにKさん運転でクレイドルマウンテンロッジに向けて出発した。
 車窓から見たエバンデール村は可愛らしかった。街歩きができなかったのはちょっと残念である。
 普通のおうちもお店も建物が可愛らしい。街角に立っている銅像(エライ人の銅像ではなく、遊び心溢れたものである)もフォトジェニックである。


線路 しばらく線路と併走する道路を走った。
 タスマニアは鉄道網が意外と発達していて、しかし現在は旅客用の路線はなく、すべて貨物用だという。道路の発達に伴い、旅客は廃止になっている。
 タスマニアの道路のうち、頭にAが付く道路はハイウエイ、Bが付く道路はいわゆる一般道、Cが付く道路はもうちょっとローカルな道路で、それぞれに番号が振ってある。分かりやすい仕組みだ。


 1時間半くらい走った15時過ぎにシェフィールドに到着した。ロンセストンとクレイドルマウンテンとの中間に位置する街で、ちょうどいい休憩ポイントらしい。
 また、シェフィールドは壁画の街としても有名である。
 1980年代初めに、人口が激減して消滅の危機にあった街を活性化するために「街中を壁画で埋める計画(?)を始めたそうだ。


ウエインドルファーの日記 この街で最初に描かれた壁画が「ウエインドルファーの日記」である。
 ウエインドルファー氏はクレイドル国立公園の父と呼ばれている人物で、公園内のワルドハイムの山小屋で日記を書いている彼の様子が描かれている。
 クレイドルマウンテンにいる動物たちがすべてこの壁画に描き込まれている。


 この「最初の壁画」を始めとして、小さな街のあちこちに壁画が描かれており、トイレ休憩も兼ねて20分くらい周辺を散策した。
 そういえば、オーストラリアではシートベルト着用が厳しく義務づけられているそうだ。Kさんもこればかりはしつこく注意していた。


壁画壁画


壁画壁画


ダム クレイドル国立公園に入るには、一度谷底まで下って川を渡る必要がある。
 その川を渡っているときに奥に見えたのがダムで、タスマニアでは電力のほとんどを水力発電でまかなっている。日本のダムはいわゆるアーチ式、こちらのダムは積み上げ式である。
 谷を下って登り、シェフィールドの街から1時間くらいでクレイドル国立公園のビジターセンターに到着した。


 Kさんが手続きをしてくれている間にビジターセンターを覗いてみたところ、ショップも兼ねているようで、デカすぎるウォンバットのぬいぐるみなどが売られていた。
 植物図鑑なども幾種類か置かれていて、なかなか良さそうな感じである。
 ビジターセンターからもクレイドルマウンテンを綺麗に見ることができて、「明日の天気は判らないから。」とロッジのチェックインは後回しにして、ダブ湖に向かった。


ダブ湖 ビジターセンターからダブ湖までは、車で30分くらいだった。
 16時半である。
 寒い。
 標高850mである。
 気温は20度くらいだけれど、南風である。つまり、南極から吹いてきている風だ。
 半袖Tシャツ、長袖シャツ、ウィンドブレーカだけでは、本当に震えるくらい寒かった。ツアーメンバーの方からは、足下のキーンのサンダルを見て「足首が出てると寒そう。」と繰り返し言われたくらいだ。


 


ウォンバット鳥 途中で寄り道をしてその辺を歩き、あまりにも普通にその辺にいるウォンバットを観察したり、綺麗な配色の鳥に見とれたり、草原の中の木道で「レンズカバーを落としたんだけど見なかったかい?」と無茶な質問をするおじさんに会ったりしながら来た道を戻り、17時半、本日の宿であるクレイドルマウンテンロッジに到着した。


お部屋バスルーム


 クレイドルマウンテンロッジでは、敷地内に点在しているロッジに宿泊する。
 たどり着いたお部屋は広くてジャグジーまであって快適そのものである。
 暖炉っぽく見せたガスストーブもガンガン燃えている。ロッジの中には、本物の暖炉が設置されているところもあるそうだ。ちょっと羨ましいけれど、自力で暖炉に火を付けられる自信はない。
 驚いたのは、バスルームのタオル掛けが暖かく、そこにかかっていたタオルも暖かかったことだ。スチームを通しているらしい。これならお洗濯した物もあっという間に乾きそうだ。


 クレイドルマウンテンロッジは広く、私たちのロッジから、レストランやフロントのある建物までは歩いて10分くらいかかったと思う。
 荷物を開いてしっかり厚着をする。タンクトップ、長袖Tシャツ、長袖シャツ、フリースにショールまで重ねる。それでも寒いくらいだ。
 ヘッドライトを持ち、レストランに向かう途中、ワラビーを見つけて驚いた。本当に普通にその辺にいる。


ステーキパンナコッタ


 夕食はロッジのレストランで、3コースだった。
 私は前菜にサーモン、メインはリブアイステーキ、デザートはレザーウッドの蜂蜜を使ったパンナコッタを選んだ。
 これに、タスマニア産の赤ワイン(13.5ドル)をお願いする。
 夕食はどれもこれもが美味しかった。大満足である。


 夕食のとき、明日の予定の案内があった。
 天気予報によると、最低気温が4度、最高気温が13度で、標高を上げると寒そうなので、明日はダブ湖周辺を歩くという。
 週間予報によると、明日が一番寒いらしい。
 出発は8時半、朝食はこのレストランで7時にオープンするので各自食べておくことと指示があった。


 明後日は標高1200mの山に登ると言われて戦いていると、タスマニアは3度目という方が「大丈夫だよ、そんなにきつくない。」とおっしゃる。
 私以外は山歩きをされている方達で、いや、普段から歩いている方々の「きつくない」は私にとっては全く当てにならないんです、と思う。


 帰りはKさんが車でロッジまで送ってくださり、ついでにカノープスや南十字星を教わる。今日は、お一人が車酔いで早めに休んでいらしたので、星空教室はまた全員揃ったときにということにして、21時頃に解散となった。
 全く歩いていないのに何故かふくらはぎが筋肉痛である。
 折角なのでジャグジーにお湯を溜め、水道水が飲めるって素晴らしいと思いつつ美味しいお水を飲み、ゆっくりくつろいで23時前に就寝した。


 歩数計 9246歩


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