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2019.10.30

奥入瀬旅行記2日目その1

2019年8月30日(金曜日)

 朝起きたら、そこは大雨だった。
 本当にそんな感じである。5時45分に目が覚めて、外を見たらそこは大雨だった。
 起き抜けですぐ露天風呂に行き、体を温める。
 もちろん、露天風呂から外を見たところで、やはり大雨である。

朝食にカレー! 6時50分くらいから朝食を食べに行く。
 せっかく青森県(十和田プリンスホテルは秋田県にあるとはいえ)に来たのだからと、りんごカレー、りんごと豆乳のスープ、りんごジュース、りんごのフレンチトーストにサラダというりんご尽くしの朝食メニューを作った。
 ヨーグルトに添えたジャムをブドウジャムにしたところが、我ながら惜しい。
 朝食を食べ終える頃には雨もあがったようだ。ホテルの庭に出て少し散歩する。
 目の前は十和田湖である。
 湖に緑の芝生、木々も爽やかで「晴れていればさぞや」というロケーションである。
 雨は落ちていなかったものの、芝生はもちろん濡れていて、足下がバシャバシャする。

お部屋のコーヒーセット お部屋に戻り、備え付けのコーヒーミルで豆を挽いて食後のコーヒーと洒落る。
 できることは全部やらなくっちゃ、いただけるものは全部いただかなくっちゃ、という貧乏性のなせる業だ。
 「なつぞら」を見ながらしばしリラックスである。
 朝起きてからずっと空を見上げてはお天気に一喜一憂している。朝からというよりは、昨日から一喜一憂しかしていないかも知れない。

露天風呂ホテルから望む十和田湖

 チェックアウト前、ふと気がついて露天風呂に行ってみたところ誰もいなかった。
 靴下を脱いで、少しだけお湯に浸かって足湯気分を楽しむ。
 お庭に出てみると、雨は何とかあがり、若干、空も明るくなってきたようである。
 何とかこのまま降られることなく保っていただきたい。

出発! 子ノ口からの十和田湖 9時にホテルを出発し、バスで移動して子ノ口に到着したのが9時25分くらいだった。
 ここで奥入瀬渓流を案内してくださるガイドさんと合流し、かつトイレ休憩を取る。
 雨がまたポツポツ降り出し、かつガイドさんお二人はレインウエアに身を固めていらっしゃるし、口を揃えて「足下が悪いので気を付けてくださいね。」とおっしゃる。

 子ノ口から歩き出すのかと思ったらそうではなく、再びバスに乗り込んで、銚子大滝まで行った。
 9時45分、舗装されつつもかなり水たまりが出来ているところから歩き始める。
 とりあえず、雨が落ちていないのが有難い。
 2班に分かれ、それぞれにガイドさんが付く。ガイディングレシーバーも用意され、少し離れてしまっても説明を聞くことができる。

銚子大滝 歩き始めてすぐ、銚子大滝に出会った。
 銚子大滝は奥入瀬の本流にかかる唯一の滝である。奥入瀬渓流は滝が多いイメージだったので意外である。
 写真では低く見えるし、実際に見たときもそれほど高さがあるとは思わなかったけれど、高さは7mある。
 幅も20mあり、イメージよりもずっと実寸の大きな滝である。

 十和田湖は注ぎ込む川を持たず、奥入瀬も含めて十和田湖から「流れ出る」川しか持っていない。
 奥入瀬渓流も、十和田湖から流れ出している川である。
 ガイドブックなどでは「奥入瀬を遡るように」歩くことを推奨しているけれど、今回のツアーでは逆に奥入瀬の流れに沿って歩く。
 この滝は十和田湖に近いところにあり、お銚子のくびれたところのような役割を果たしているという説明があった。

九段の滝 width=渓流 渓流沿いにはもみじなどもあって、紅葉の時期にはさぞやと思う。
 この辺りでは、時々日も差してきて、その明るさが嬉しい。
 15分も歩かないうちに九段の滝に到着する。地層の複雑さが「九段」になって落ちる滝を生んだそうだ。

渓流渓流 この辺りはまだ上流なので、渓流の水もまだそこそこ見られる色をしている。
 奥入瀬渓流では、夜の間は水門を閉じていて、朝になると開く。
 昨夜から今朝にかけて雨がかなり降ったので、支流がかなり濁っており、下流に行くに従ってさらに水が茶色くなって行くことになる。

 ガイドさんたちは、透明な流れを普段から目にしていらっしゃるからか、今年の夏は非常に雨が少なくてその数少ない雨に当たった我々がかなり気の毒だったようで、渓流よりもお花など植物の説明に力を入れてくださっていたように思う。

ジャコウソウ地衣類

ゼンマイツリガネソウ

 多分、左上からジャコウソウ、地衣類、左下からゼンマイ、ツリガネソウである。
 水滴を受けた風情が可憐である。
 地衣類がいる場所には、シダは生えることができないと教えてもらった。

白糸の滝双白髪の滝 姉妹滝、双白髪の滝(多分、写真左)、不老の滝と続き、白糸の滝(写真右)で、ツアーの奥入瀬渓流歩きの前半が終了した。
 昨日は大雨だったとはいえ、夏の水不足はかなりのもので、奥入瀬を流れる水はかなり少なめである。
 白糸の滝の辺りでも、砂利が見えているところは、普段は川の一部だと案内があった。

阿修羅の流れ 白糸の滝から5分くらいバスに揺られ、阿修羅の流れの辺りから奥入瀬渓流歩きが再開された。
 歩いているときは、とにかく大雨の中ではなかったことが有難くてあまり判っていなかったけれど、こうして写真を見るとガイドさんたちが我々一行を気の毒がってくださっていた理由がよく分かる。
 水が見事に茶色い。

茶色の渓流茶色の渓流 しつこく繰り返す。とにかく水が茶色い。
 水が茶色過ぎて、梅花藻も見えない。
 見えないとなると見たくなるもので、川面に近いところからじーっと川底を見ようとがんばる。いくらがんばっても、ひたすら茶色い水が流れているだけだ。

 奥入瀬に多いブナの木は、倒れてもなかなか分解されない。さらに川の中に倒れた木は片付けないことになっている。ガイドさんは、キノコがブナの木を分解するのをただひたすら待つのだとおっしゃる。
 それはなかなか分解されないに違いない。

馬門岩 道路沿いの方を見ると、馬門岩が連なっている。
 十和田神社に向かう人々が、ここで馬を繋いだことから「馬門岩」と呼ばれている。
 ブラタモリ風にいうと、これらは「ヨウケツギョウカイガン(溶結凝灰岩)である。
 火山岩が冷えるときに縮み、縮んだときにひびが入ったらしい。

 奥入瀬渓流沿いの遊歩道は、一部は車道に出るところもあるし、渓流・遊歩道・車道が間隔なく並んでいる箇所も意外とある。
 8月末はピークシーズンではないためか、それでも、車の音をうるさく思うことはほとんどなかった。
 バスガイドさんによると、これが紅葉のシーズンになるとこの道はずらっと車が並びほとんど身動き取れない状況になるそうだ。

タカノツメミズヒキ
ハナイカダトクサ

 上左の白い花は多分「タカノツメ」で、右の黄色い花は「ミズヒキ」である。
 下左はもう少し手前にあった「ハナイカダ」で最初に聞いたときは弘前城の花筏を思い浮かべて「何のこっちゃ」と思っていた。
 下右は、水の奥の中島に生えている緑の草がポイントである。「トクサ」といって、名前のとおり、砥石のようにギザギザして痛いところからその名が付いた植物だ。

凍結して裂けてしまったブナの木 凍結して裂けてしまったブナの木を教えていただいたり、川沿いにしばらく屏風岩が続いたり、一部だけ気の早い葉っぱが黄葉していたり、この辺りになると日の光も差してきて、足下がぬかるんではいるものの、結構楽しく歩いていたように思う。
 せっかくなら子ノ口までの14kmをゆっくり遡りたかったとも思う。母は次の日に「膝が痛い。もうあんなに長く歩けない。」等々と言っていたけれど、それは多分油断してサポータを省略したためだと思われる。川沿いだからほぼ平らだし、気候のいい時期なら楽勝で行けそうだ。

石ヶ戸の瀬の辺り石ヶ戸の瀬の辺り

 阿修羅の流れから45分ほどかけ、石ヶ戸の瀬の辺りもそこそこに11時30分くらいに石ヶ戸休憩所に到着した。
 これで奥入瀬渓流散策は終了である。寂しい。
 お手洗い休憩の後、再びバスに乗り込み、蔦温泉に向かった。

 奥入瀬旅行記1日目 <- -> 奥入瀬旅行記2日目その2

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2019.10.28

宿を予約する(鬼怒川温泉)

 少し前から母が「年内にハーヴェストクラブの宿に泊まりに行こう」と言っていた。
 母は最初「熱海がいい」と言っていたのだけれど、熱海の宿は週末は満室である。日曜から1泊で探しても、やはり満室の週が多い。

 母と私の都合を合わせ、2019年10月28日、12月に鬼怒川の宿を1泊2日で予約した。
 今回は珍しく宿の予約担当は母である。
 私の誕生日プレゼントも兼ねているということなので、有難くお招きに預かることにした。

 行き帰りの足は私が手配することになった。
 折角なので、SL大樹に乗るスケジュールを立てようと思っているところである。

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2019.10.22

栃尾又温泉旅行記の入口を作る

温泉を見下ろす ここは、2019年9月末から10月初めにかけて、栃尾又温泉で2泊3日のプチ湯治をした旅行記の入口である。

 以下の日程をクリックすると、その日の旅行記に飛べるようになっている。

2019年9月29日(日曜日)

2019年9月30日(月曜日)その1

2019年9月30日(月曜日)その2

2019年10月1日(火曜日)

 

持ち物リスト(栃尾又温泉編)

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2019.10.20

奥入瀬旅行記1日目

2019年8月29日(木曜日)

 少し早めに家を出た筈が、何故か上野駅到着はギリギリになった。
 エキナカで、お昼のお弁当に母は笹の葉寿司を、私はチキン弁当を購入する。
 東京駅発着のツアーで上野駅から合流する場合、新幹線の改札は入場券で入る必要がある。券売機(精算機)でも手続きは可能だと知っているのに、毎回忘れて窓口に並んでしまう。今度こそ覚えておこうと思う。

 9時14分上野発のはやぶさ9号に乗り込むと添乗員さんがいらっしゃり、帰りのお弁当とお土産の注文票を渡された。必要なら盛岡に到着するまでに私にください、とのことだ。
 母と相談し、駅で購入する時間もあるだろうし、とりあえず注文はしないことにした。
 その後、私は11時18分の盛岡到着の少し前まで爆睡した。眠い。

チキン弁当 バスガイドさんに迎えられ、そのままバスに案内される。ツアーメンバーは30名前後のようだ。
 日差しは強いものの、風は冷たくて気持ちが良い。流石、東北である。
 ミラコロは預かってもらい、レスポのボストンはそのまま車内に持ち込んだ。

 11時半前にバスに乗り込んだ。それほど申込みが早かったとは思わないけれど、前から2番目の席だった。どうしてだろうと思っていたら、その謎は2泊目の夜に解けることになる。
 新幹線に乗ったときからお腹が空いていた私は、早速チキン弁当を開いていただいた。

七滝 バスは順調に走る。
 バスガイドさんが色々とお話ししてくださったあれこれが頭に残っていなくて、本当に申し訳ない。
 確か、盛岡駅出発直後に見えた岩木山のお話などなどもあったと思う。
 今回のツアーでは、バスは盛岡駅発着でバス会社も盛岡のバス会社さんでありつつ、岩手県内の観光場所が1カ所もないところもまた申し訳ない。

 しばらく走って道の駅こさか七滝に到着した。
 道の駅の道路を挟んだ反対側に、日本の滝百選にも選ばれているという「七滝」がある。
 水車なども配置してあって、なかなか凝った演出が施されている。

七滝山ぶどうソフトクリーム 滝壺近くまで行って水音や涼しさを楽しんだ後、道の駅に戻った。
 バスガイドさんお勧めの山ぶどうソフトクリームをいただく。
 お昼ごはんを食べたばかりだたし、今日の夕食は早めの17時半スタートと聞いていたので、母と二人で一つにした。
 といっても、多くは私が食べていたと思う。

ナナカマド20190829_140743 この後、時間とバスが進むにつれて空に雲がどんどん増えて行き、十和田湖を見晴らす展望台に着いたときにはすっかり「曇天」になっていた。
 それでも、天気予報は3日間とも「雨」だったことを思えば上等である。

 バスガイドさんから「ナナカマド」の木は7回竈で焼いても炭にならないくらい堅いからその名が付いたという説明があって、この展望台の駐車場にあったナナカマドの写真を撮る人が続出する。
 バスガイドさんが嬉しそうにしていらした。
 しかし、まぁ、普通のナナカマドである。

 この展望台から十和田湖畔の休屋に行く途中、バスの中から小熊が見えたらしい。
 見つけた方が「あっ!」と叫んだときにはもう森の中に入ってしまっていて、私は見ることができなかった。残念である。

 14時半前に十和田湖遊覧船の乗り場に到着した。
 14時40分発の中の海往復Bコースに乗船する。
 このツアーでは遊覧船に乗ってそのまま本日の宿である十和田プリンスホテルにチェックインする行程が組まれているけれど、今年の十和田湖周辺は非常に雨が少なく、水量が少なくてホテルに船を着けることができないと説明があった。残念である。

十和田湖遊覧船より乙女の像

 この右側の写真は(かなり遠目の)十和田湖畔の乙女の像である。
 私の中で「乙女の像」と「人魚姫の像」がごっちゃになっていたらしく、十和田湖の「乙女の像」は湖の中に立っていて乙女は一人なんだだと思い込んでいた。この像が「乙女の像」だという説明を聞いてかなり驚いたものである。

十和田湖遊覧船より十和田湖遊覧船より
十和田湖遊覧船より十和田湖遊覧船より

 日差しがないせいか、船上は半袖Tシャツでは少し肌寒いくらいだ。ウィンドブレーカを羽織ってずっとデッキにいた。
 これは紅葉の時期はさらに綺麗だろうなぁと思う。
 十和田湖は雨水だけを水源とする湖でありながら、水深は最も深いところで326.8mもあり、日本で3番目に深い湖である。

乙女の像 遊覧船を降り、バスガイドさんの案内で「乙女の像」に向かった。
 バスガイドさんの言うとおり、近くで見ると「乙女」という感じではない。何というか、乙女にしては迫力のありすぎる肉体美である。

 この二つの女性像は一人の人物で、水面に映った様子を表しているという。最初から立地込みで構想されたということなんだろう。
 高村光太郎作のこの像は智恵子がモデルになっているという説もあり、しかし、智恵子にしては迫力がありすぎだろうという異論も強い。
 うん、そうだね、と思う。異論を述べている人に賛成だ。

 「乙女の像」の前でツアーの集合写真撮影があった。
 撮ったその場で「欲しいかも」と思った人はカードをもらい、写真屋さんはそのカードの数だけプリントしておくというシステムである。
 なるほど、賢い! と思った。
 もちろん、カードをここで貰っておいて、実物を見て「やっぱり止めます」というのもありだ。

十和田神社 「乙女の像」から湖畔をそのまま戻っても良いし、遊歩道があってそちらを行くこともできる。
 遊歩道を進むと、木々の中に十和田神社があった。
 十和田神社は、青龍が眠ると言われており、「青森県屈指のパワースポット」だという。
 そう言われても、今ひとつパワースポットが何たるかを判っていない私には、あまりインパクトがない。

 神社の創建は807年と古く、由緒ある神社であることは間違いない。
 佇まいもいい感じである。
 まさか今回のツアーで神社仏閣に立ち寄る機会があるとは思わず、御朱印帳を持参していなかったため、紙に書いた御朱印をいただいた。

 また、後で知ったところでは、十和田神社の背後にある山道を少し登ったところに鉄のはしごがあり、そのはしごを下りると占い場があるらしい。
 中の湖を見ることができ、そこに投じた「おより」の沈み方によって占トするという。
 次の機会にはぜひその霊験あらたかな占いをやってみたい。

ホテルのお部屋 十和田湖畔の散策後、17時頃に本日の宿である十和田プリンスホテルにチェックインした。
 窓際にはコーヒーミルなどコーヒーセットが用意され、てるてる坊主も添えられているのが可愛い。何しろ、明日の天気予報は雨(大雨!)である。
 少しゆっくりしたいところではあるけれど、本日の夕食は早い。
 一息入れてすぐレストランに行った。

 本日の夕食はフレンチである。
 「湖畔ディナー」と名付けられたコースはこんな感じである。 オードブルバリエ【東北のめぐみ】
 十和田湖ひめますをスープ仕立てに
 国産牛肉と比内地鶏、2種の味わい
 サラダ
 パン
 本日のデザート(林檎の赤ワイン煮、チーズのムース、カシスシャーベット)
 コーヒー

メインディッシュデザートプレート ヒメマスは、クリームスープに大きめの切り身が入っていて、なかなか凝った感じで美味しかった。
 この辺りの名産らしい、小公子という山ぶどうの赤ワインをいただいた。飲みやすくて美味しい。

 夕食をいただいている間に外はすっかり暗くなった。
 食後にお庭に出てみたところ、湖畔に遊歩道があるようだ。少し歩いてみたかったけれど、流石に真っ暗で断念する。
 少しだけホテルのお土産物屋さんを覗いた後、20時前に温泉に行った。

 十和田プリンスホテルは、十和田湖西湖畔温泉を引いていて、露天風呂もある。
 露天風呂の天井はかなり高い三角屋根になっていて、開放感があるのが嬉しい。流石に十和田湖まで来ると風が冷たくて、露天風呂ならいつまででも入っていられそうである。
 ゆっくり温まった。

 お風呂上がりに、ホテルのショップで買ってきた「金のねぶた」という林檎ジュースをいただく。
 明日は早起きして朝風呂に行こうと早めに就寝した。

 -> 奥入瀬旅行記2日目その1

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2019.10.15

栃尾又温泉旅行記3日目

2019年10月1日(火曜日)

 3時頃に目が覚めた。どうも私は旅行先で熟睡できないことが多い。
 5時前にももう一度目が覚め、そういえば大浴場は5時から入れるし、ここで寝ていても湯船で寝ていても一緒だわ、むしろ温泉の効能を得られる分だけ湯船で寝ていた方がお得だわ、と思いつき、そのまま起き出してしたの湯に行った。

 外は真っ暗で、流石にこの時間だと誰もいない。独り占めである。
 今回もワインカップの空容器を持参し、湯船の真ん中にある温泉の注ぎ口から飲泉しつつ、お湯に浸かる。
 温泉の注ぎ口を中心にお湯に波紋が広がるのが綺麗で、水の動きをしげしげと見てしまう。
 人肌の温度のためか、肩まで浸かりたくなるのが不思議である。
 外が少しずつ明るくなって行く30分ほど「独占」を堪能した。

 一昨日よりもぬる湯の温度が低いような気がする。
 1時間ほど浸かっていたら寒くなってしまい、お隣に用意されている加温された湯船に浸かって温まる。
 あとで「月に1回、ここと増富温泉に交互に行っている」とおっしゃる方にお聞きしたところでは、やはり夏の間は温度が高く、冬になると低めになっているということだ。

 熱湯で温まってから再びぬる湯に入り直し、7時くらいまで、したの湯を楽しんだ。
 こうして、熱い湯とぬるい湯に交互に入ったり、泉質の違う温泉に交互に入ったりして入浴効果を高めることを「合わせ湯」という。
 この日の朝の私は、かなりこの「合わせ湯」を忠実にこなしていたと言えよう。
 私が上がる頃には10人くらいの方がいらしていたと思う。やはり、うえの湯よりも、雰囲気があって源泉に近いしたの湯の人気が高い。

 ロビーに戻り、まだちょっと寒いような気がしたので、温かいどくだみ茶をいただきながら新聞を読む。
 そうこうしているうちにぽかぽかしてきて、後追いで温泉効果が現れて来たようだ。
 お部屋に戻って一休みし、8時から朝食である。時間に行ってみると今日はすでに食堂が開いていた。全体的にゆっくりの人が多いようで、席も1/3くらい埋まっている感じだ。

朝食 席に着くなり早速ごはんとお味噌汁をよそいに行ってしまい、お魚が何だったのか聞きそびれてしまった。
 白身のお魚の切り身の焼き魚である。
 ひじきの煮物と青物のお浸しが予めセットされていて、その他はビュフェ方式で好きに持ってくることができる。

 昨日の「食べ過ぎ」を反省し、納豆はどうしてもそれだけでごはんを一膳食べたくなるので今日はパスする。
 卵焼きがあったので心惹かれつつ生卵もパスし、サラダはトマトサラダを作る。
 林檎ジュースはちょっと甘かったけれど、やっぱり健康的かつ美味しい朝食は素晴らしいと思う。
 ゆっくりいただいた。

 朝食から戻るときに見たところ、貸切湯に空きがあった。
 ロビーのコーヒーをお部屋に持ち帰ってかなり迷ったものの、ここは時間制限なくぬる湯に最後まで浸かろうじゃないかと思い、また、朝一番でもうしたの湯に行ったし、うえの湯の方が大抵空いているし、もしかしたら貸切状態になるかもと期待して、9時頃にうえの湯に行った。
 同じことを考えた方がいらしたのか、うえの湯にはお二人の先客がいた。それでも、3人で貸切である。贅沢の限りだ。

 うえの湯からの帰り、外を歩いていたら、結構小さいお花が咲いていることに気がついた。
 名前も何も判らないけれどなかなか可愛い。写真を撮りまくる。

可憐なお花たち可憐なお花たち

可憐なお花たち可憐なお花たち

可憐なお花たち可憐なお花たち

可憐なお花たち お部屋に戻って、友人に絵はがきを書いたり、散らかし放題だった荷物を整理してミラコロに詰めたり、扇風機の風で手ぬぐいを乾かしたり(30分もしないうちに乾いた。流石、手ぬぐいである)、バスタオルや作務衣を所定の場所に戻したり、テレビを見たり、身支度をしたりする。
 もう30分、お湯に浸かっていても余裕だったかもと思いつつ、これくらい時間の余裕がある方がいいわよね、と思い直す。

 11時少し前にチェックアウトした。
 お宿のホームページから予約した場合には特典でくじびきができる。宿の先代ご主人が撮ったお花の写真の絵はがきをいただいた。
 こちらの絵はがきで友人に便りを出しても良かったかしらと思う。

 流石に5kgは重いけれど少しおうちでも食べようと、売店で3合入ったお土産用のお米も購入する。
 宿の方のお話だと、あまり品種改良をしていないこしひかりなので、今主流になっているこしひかりよりも収穫時期がやや遅いそうだ。
 こしひかりって一つじゃないのね、と思う。

 もうしばらくお部屋を使っていただいても大丈夫ですよと言っていただきつつ、ぺたんと座るのにちょっと疲れていたので読書室の揺り椅子をお借りする。
 12時の宿の送迎バスまで1時間弱、図書室にあった文庫本をゆっくり読んだり、先ほど書いたはがきを宿の前にあったポストに投函したりした。

20191001_122841 浦佐駅までの送迎バスは、帰りは結構一杯だった。
 12時に出発し、15分くらいで道の駅 ゆのたにに到着した。これも常連の方に教えていただいたところでは、少し前から、送りのバスは必ず道の駅に停まり、お買い物タイムを作ってくださるようになったという。
 12時半に出発しますという案内があった。

 水茄子のお漬物が美味しいと教えていただいたけれど、保冷バッグと氷が必須のようだ。新潟からそれを持って帰るのはなかなか厳しい。
 「いなか家」というお店の手作りジャム(梨と桃)を購入した。
 バスに戻ったら「お昼ごはん代わり」とソフトクリームを食べている方がいらして、ちょっと羨ましかった。あのソフトクリームはお米味だったりしたのだろうか。

 途中の駅にお一人ずつ降ろしたりして(この辺りは、かなり融通を利かせていただけるようだ)、12時50分に浦佐駅に到着した。
 13時10分発の新幹線で帰るという手もあるけれど、やはり駅を見渡してみて駅弁を買えそうなところが見当たらない。
 常連の方は「越後湯沢で途中下車して、美味しいって教えてもらったお蕎麦を食べて帰るわ。」とおっしゃる。なるほど、そういう方法もあるのだなと思う。
 ここは狙っていたパスタを食べて帰ることにし、コインロッカーにミラコロを預けた。

 駅前の「小玉屋」というファミレス(っぽいお店)は定休日で、その横の道を入った突き当たりのちょっと先にある、ラ・グラッサというイタリアンに行った。
 浦佐駅から徒歩5分というところである。
 カウンターにお二人先客がいらして、「どこでもお好きなところに」と言ってもらい、テーブル席を選んだ。

小エビとトマトのクリームパスタ 小エビとトマトのクリームパスタを選び、サラダとドリンクをセットにできますと言われて、セットをお願いする。
 飲み物はコーヒー(ホットorアイス)、冷たいウーロン茶、あともう一つくらい選択肢があったように思う。暑かったし、アイスコーヒーをお願いした。

 サラダセットをお願いしたら、トマト味のスープも付いてきて、何だか得した気分である。
 そして、殻が付いたまま三ツ割くらいにされた海老がたくさん入った濃厚なお味のパスタが美味しい。これは確かに先に野菜を食べておくと嬉しさ倍増という感じである。
 大満足だ。

 大急ぎで浦佐駅に戻り、13時55分発のとき322号で帰路についた。
 13時10分発とどちらにしようか迷っていたので、指定席は取っていない。帰りは自由席である。
 浦佐駅では空席が選べる程度にあり、東京まで2席並びの私の隣の席に他の方が来ることはなかった。

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2019.10.14

「気分は今もヨーロッパ―マイ・トラベル・ガイド」を再読する

 2019年10月、何だか突然に読みたくなって、竹宮恵子著「気分は今もヨーロッパ−マイ・トラベル・ガイド」を引っ張り出してきて久々に読みました。

 出版が1989年。古い!
 そして、我ながらよくぞ捨てずに保管しておいたものです。

 ヨーロッパを個人旅行しませんか、私たちはこーんなにトラブルだらけだけれどそれでも楽しくヨーロッパを旅して歩いていますよ、ヨーロッパを個人旅行するなら断然鉄道旅がお勧めですよ、という本です。
 懐かしい。

 当時、インターネットなどというものは(存在はしていたかも知れませんが)普及しておらず、時刻表はトーマス・クックを何とかして手に入れて調べ、街のインフォメーションで宿を予約し、インフォメーションで地図をもらって役立て、「共産圏」という言葉がリアルに使われ、もちろんユーロなどはないので各国ごとに両替が必要です。
 懐かしい。

 その準備の大変そうなこと、ドタバタ旅の楽しそうなこと。

 私は詳しくないのでそこで「きゃあ」とかは言わないのですが、萩尾望都、山岸凉子、増山法恵、竹宮恵子 の4人でヨーロッパを旅したとか、ファンの方にはとんでもないシチュエーションなのでは??? という感じもいたしました。

 個人旅行もいいなぁ、もう根性足りなくて(語学力や体力や胆力は元々ないので)できないかなぁ、でもやってみたいなぁ、と思いました。

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2019.10.13

栃尾又温泉旅行記2日目その2

2019年9月30日(月曜日)

たぬきの湯  本日一つ目のお湯は、9時40分からを予約しておいた「たぬきの湯」という貸切湯である。
 5〜6人でも入れそうなこの広さのお湯を独り占めできるとは贅沢の限りである。ここを40分間貸切にすることができる。
 窓の外の緑も目に鮮やかだ。
 貸切湯は、長湯防止のためか、(推定)42度くらいの少し熱めの感じに加温されている。
 40分で十分、と感じた。

 たぬきの湯に貼ってあった温泉分析書によると、自在館1号泉は自然噴出の温泉で、無色透明無味無臭、泉質は単純弱放射能温泉である。
 効能が色々あって、泉質別適応症のところには、痛風、動脈硬化、慢性胆嚢炎、胆石、慢性皮膚病、慢性婦人病等々が記載されていた。
 私の目的は、むしろ、一般的適応症のところにあった「疲労回復」である。

うさぎの湯 貸切湯を使うときに持参して「入浴中」の目印となるおしゃもじを予約表のある掲示板に返し、お部屋に戻って一休みする。
 昨夜いただいた冷たい温泉水のポットの水を飲みまくり、あっという間に空っぽにしてしまった。
 水分補給も行ったところで、貸切風呂第2弾は、11時からの「うさぎの湯」だ。
 たぬきの湯とうさぎの湯は、ちょうど廊下を挟んで向かい合っている。

 うさぎの湯は、お湯入れ替えのお掃除が終わった直後というタイミングである。何だか贅沢な感じがして、狙ってこの時間枠を予約した。
 実のところ「お湯が新鮮」とかよく判らないけれど、うさぎの湯では、湯船に浸かってすぐに体に泡が付いてきて驚いた。
 これが新鮮ということだろうか。

 こちらも熱めのお湯でちょっとのぼせてきたこともあり、早めに上がって髪を洗った。
 髪を洗ってしまうと、40分では乾かしている時間はない。
 フロントでドライヤーも借りられるものの、まぁいいかと、お部屋で徹底的にタオルドライに勤しんだ。もちろん、温泉水での水分補給は必須である。

 当初の計画では、12時頃に開くらしい宿の食堂で軽くお昼を食べるつもりだった。
 しかし、12時過ぎ頃からロビーで待機していても開店する様子がない。
 12時15分になっても開かなかったし、13時から貸切露天風呂を予約していたのであまり直前に食べるのは良くないよなぁと思ったし、朝ごはんをたっぷりいただいていたし、昼食は抜くことにした。

うけづの湯 13時から13時40分までが貸切露天風呂である。
 露天風呂には「うけづの湯」という名前が付いていて、うけづというのは宿から川を挟んだ向こう側に見える山の名前だ。
 露天風呂には洗い場はなく、掛かり湯をしてから入る。

 日差しがさんさんと差し込んでいる。最初は嬉しくて日光を浴びていたものの、流石に暑くなってきたので、日陰を選んでのんびり風に吹かれた。
 緑も濃く、やはり露天風呂は気持ちが良い。

 お部屋に戻って一休みしていたら電話が鳴って驚いた。ここに私がいることを知っているのは家族くらいである。一体誰からの電話だろうと思ったら、当たり前のことながらフロントからだった。今日の夕食と明日の朝食の時間の確認だ。
 夕食は17時半からか18時半からのどちらか、朝食は8時からか9時からのどちらかと言われ、夕食は18時半からにしてイワナの塩焼きを追加注文し、朝食は8時からでお願いした。

 フロントから電話があったってことはフロントに人がいるわよね! と思い、フロントに行って、友人へのお土産にお米を送ってもらうようにお願いした。料金はチェックアウトのときに一緒し支払えば良いそうだ。
 宿の方々のお話を聞いていると、今日から食堂で新米を出してくださっているらしい。そうだったのか!! と思う。もちろん、新米を送ってくださるそうだ。嬉しい。
 この後のおくの湯での長湯に備えてロビーで温泉まんじゅうをいただき、のぼせ防止にお部屋でお茶と一緒にいただいた。自在館のお茶は、ティーバッグなのに何故かもの凄く美味しく感じる。水がいいからかも知れない。

 14時半から「3時間」と心に決めておくの湯に行った。
 今日の女湯の大浴場はおくの湯だけで、流石に独り占めという訳には行かない。
 昨日したの湯で一緒になった年配の女性とまた顔を合わせ、何となくご挨拶する。彼女に教えてもらって、今回は、来るときの新幹線で飲んだカップワインの容器を洗って持ってきている。飲泉用だ。

 おくの湯も源泉掛け流し加温なしである。
 だから、温度は人肌だ。
 ひたすら浸かる。耐久レースのように浸かる。ほとんど意地になって浸かり続ける。阿呆である。
 ビニルに入れて本を持ち込み、読んでいる方もいらっしゃる。私もやろうかしらと思ったものの、持参した本はハードカバーだし、肘を置くところがないと結構腕が疲れそうである。

 そうすると、もう寝るしかない。
 そもそも、人肌のお湯に肩まで浸かっていたら眠くなるに決まっている。
 おくの湯にずっと浸かっていると、こちらも体中に泡がくっついてくる。普通だと触れば離れて行く泡が、こちらではしぶとく皮膚にしがみついているのが不思議だった。

夕闇の自在館 初志貫徹で17時半頃に上がり、外に出るとうっすら夕焼けになっていた。
 随分と長く浸かっていたものである。皮膚と肺から大分ラジウムを吸収したに違いない。
 大正棟の前にポストがあるのを発見し、ここで友人にはがきを出して帰ろうと思う。
 10月1日からの郵便料金値上げに備え、1円切手も持参している。
 ところで、9月30日のうちにポストに投函すれば、収集が明日でも62円で届けてもらえるのだろうか。

 18時半から夕食をいただく。
 食堂はほぼ満席だ。
 本日の献立はこんな感じである。

 ごはん(魚沼産こしひかり)
 豚汁
 オクラとトマトの海苔和え
 車麩の酢味噌和え
 いかと茄子の煮物
 からす鰈のおろし蒸し
 温泉ゼリーとメロン、オレンジ

 これに、イワナの塩焼きを追加していただき、ラジウム温泉水と地元の焼酎だという「ほんやら」で作った「前割焼酎」をお願いした。

夕食デザート

 飲んでいるときも知らなかったので今調べたところ、前割焼酎とは、予めお水等々で割った焼酎を数日寝かせたものらしい。
 知らないものを何故頼んだかといえば、「前割焼酎」が特別扱いされていて、ラミネート加工された説明書までテーブルに置いてあったからだ。それに「ラジウム温泉水で割った」と言われると何やら健康に良さそうではないか。
 健康に良いかどうかはともかく、とても飲みやすく、すいすいくいくい飲めてしまうお酒だった。

 前割焼酎を堪能した後で、ごはんと豚汁もいただいた。
 しかも、少し離れたところにいらした年配のご夫婦の奥様が「お腹がいっぱいで食べられない。手をつけていないのでいかが?」とおっしゃってくださり、いかと茄子の煮物は二つもいただいている。
 食べ過ぎにもほどがある。
 しかし、私より明らかに食欲のありそうな若い男性もいたのに、何故私に声がかかったのか、激しく謎だ。

 紺屋もロビーのコーヒーマシンで淹れたコーヒーを食後にいただく。
 少し休んでおくの湯に行き、それから予約してある露天風呂に行こうと思っていたけれど、お腹がいっぱい過ぎるし、酔っ払っているし、とても行けそうにない。
 しきっぱなしのお布団に転がって、持参した本を読んで食休みとした。

夜のうけづの湯 本日ラストの温泉は、21時40分から予約してあったうけづの湯である。
 夜の露天風呂も気持ち良い。
 9月も今日で終わりだからか、風というよりも、空気が冷たく感じられる。
 それくらいの感じだと、長湯ができてさらに嬉しい。堪能する。

 おしゃもじを掲示板に返すついでに、温泉水の冷水ポットをもらってお部屋に戻った。
 本当は食前に飲まなくてはいけない薬を飲み忘れていたことに気づき、今頃飲む。
 昨日は時間がなくて(どうしてだろう)できなかったシートマスクでパックをし、23時前に就寝した。

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2019.10.12

栃尾又温泉旅行記2日目その1

2019年9月30日(月曜日)

 2時、4時と目が覚めて、6時半に起床した。ちょっとだるい。
 外を見ると、天気予報がいい方に外れて、青空が広がっている。今日も引き続きどこにも出かけずに温泉三昧の予定なので天気は何でもいいようなものだけれど、それでも雨より晴れが嬉しい。

 7時前から1時間くらい、宿の中と外を少しだけ探索した。
 帰りの送迎バスの中から、宿から手前に少し戻ったところに「見晴らし」みたいな看板を見つけたので、そちらに行くと良かったのかも知れない。この日は気がつかなかった。次回の課題である。

自在館の外観 自在館の外観はなかなか趣がある。
 道の両側にある本館と大正棟が渡り廊下で結ばれている。
 渡り廊下の左奥に見えるのが大正棟で、道の突き当たり(実際は左に逸れて道が続いている)に見えているのが、うえの湯とおくの湯がある栃尾又温泉センターだ。
 したの湯と合わせ、栃尾又温泉にある三つの宿の宿泊客が共同で利用させてもらう。

 自在館からしたの湯まではずっと屋内を辿って行くことができる。うえの湯とおくの湯は、一番近い大正棟の入口からでも、温泉センターの入口まで3mくらいは外を歩く必要がある。
 この共同のお湯に来る人は大抵みな宿の作務衣を着ているし、私も宿の作務衣にサンダルでお散歩したり写真を撮ったりしていた。
 道路が濡れていて、昨晩、やはり雨が降っていたらしい。
 川のせせらぎの音に紛れて雨音がよく判らなかった。

20190930_072211 自在館は、本館も趣ある建物でありつつ、さらに大正棟の趣がもの凄い。
 大正棟は、やはり「湯治宿」という雰囲気を漂わせている。
 お部屋の入口がふすまだったから、恐らく、自分が室内にいるときのみ鍵を掛けることができるのだと思う。
 また、本館とは別にこちらにも読書室のようなお部屋が用意されていて、襖が開かれ覗けるようになっていた。文豪の書斎、みたいな雰囲気のお部屋だと思う。

図書室

 本館の玄関から入ってロビーの左側に図書室がある。
 お部屋に入ってすぐの右手に本が並んでいる。温泉の効能や入り方についての本や、いかにも湯治に来たお客さんが読み終わって置いて行った感じの推理小説などもあった。
 こういうとき、自分も持参した本を読み終えて置いて行けると格好いいと思いながら、概ね読んだことのない本を持参し、旅行中に読み終えられた試しがない。

栃尾又薬師堂栃尾又薬師堂

 自在館本館と東屋の間の、道から少し入ったところに栃尾又薬師堂がある。
 栃尾又温泉は昔から子宝の湯としても有名で、こちらのお堂にはキューピー人形がたくさん納められていた。
 暗いときに見たらちょっと怖そうである。

夫婦欅同体欅

 栃尾又薬師堂は、「大杉」や「同体欅」、「夫婦欅」など、結構な大木に囲まれている。
 なかなかの迫力である。
 夫婦欅をまたぐと(くぐると?)子宝に恵まれると言われているそうだ。

栃尾又温泉街菩薩の滝

 大正棟のちょうど上に当たる当たり、階段を上った少し先に別のお宿がある。
 「栃尾又温泉案内図」を見ると、この階段を上った先に栃尾又の明神様があるはずで、何度か行ってみようとうろうろしたけれど、明神様への道を発見することができなかった。
 また、栃尾又温泉センターの先はすぐ林道になり、そのすぐ手前の藪の中に「菩薩の滝」がある。
 緑の木々の奥に隠れるようにして水が流れ落ちている。非常に慎ましい滝である。

バス亭記念碑

 林道とは逆方向に進むと、栃尾又温泉での湯治で命を長らえたという方の碑が立っており、また、栃尾又温泉のバス停がある。
 このバス亭を14時くらいに出発する南越後観光バスで奥只見ダムに行き、奥只見遊覧船に乗って、18時頃にこのバス亭に帰ってくるというコースで観光ができそうで、余りの天気の良さにかなり真剣に検討する。
 しかし、出かけてしまうと「温泉三昧」の野望が潰えてしまう。ここは「とにかくのんびり」という初志貫徹で湯治に専念することにした。

朝食 8時少し前に食堂に行ったら、ロビーに待ち人が溢れていた。10人くらいいたと思う。
 朝食の席は、昨晩と同じ席が指定されていた。 
 小鉢二つ(明太おろしと、昆布の煮物)は予めセットされ、すぐ焼きたての赤魚を持ってきてくれた。
 ごはん、お味噌汁、サラダ、納豆、ヨーグルト、豆乳やジュース、卵はセルフサービスである。

 豆乳とアセロラドリンク、林檎ジュースの中から豆乳を選ぶ。
 大粒の納豆は、自在館ご自慢&一押しの「ラジウム納豆」である。そこに生卵を落とす。
 ヨーグルトも自家製だ。
 何よりごはんが美味しくて、普通に軽く一杯、納豆と生卵でもう一杯、食べ過ぎなほどいただいた。

 ロビーのコーヒーマシンでコーヒーを作ってお部屋に持ち帰り、食休みする。
 友人に何かお礼を送ろうと思っていて、宿の売店で販売されているお米を送っていただけるようにお願いしようかなぁとつらつら考える。
 しっかり過ぎるほどにごはんをいただいても何となくだるいのは、温泉による好転反応なんだろうか。

 今日の女湯は「おくの湯」だけである。
 それもあって、昨日のうちにお宿にある貸切湯を堪能すべく予約をしてある。
 いよいよ(?)待望の(?)貸切湯三昧の始まりである。

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2019.10.06

栃尾又温泉旅行記1日目

2019年9月29日(日曜日)

 宿の送迎バスが上越新幹線浦佐駅に来てくださるのが13時半である。その時間に間に合うように行けば良い。
 しかし、雨がポツポツと降り始めたので、少し早めにミラコロを転がして家を出発した。
 上野駅に11時10分過ぎに到着する。

 11時46分発の上越新幹線に乗るまで、時間はまだたっぷりある。
 イーションスペイン産ベジョータイベリコ豚重のお弁当を、すぐそばにあるキノクニヤ アントレでロゼのカップワインを購入した。
 自動販売機で麦茶のペットボトルを購入したら準備万端である。
 11時半くらいに新幹線のホームに降りた。

スペイン産ベジョータイベリコ豚重 とき319号はガラガラだった。
 二人並びの席の窓際の指定席を取っていて、お隣はずっと空席だった。ミラコロを足下に置いているし、これは有難い。
 出発してすぐ、買い込んだお弁当を開き、ロゼワインも開ける。
 「湯治に行くのに、この脂たっぷりのお昼ごはんでいいのか」という疑義はなかったことにして、美味しくいただいた。

 13時13分に新幹線は浦佐駅に到着した。
 何というか、何もない駅である。
 宿からの送りのバスは12時半過ぎに駅に到着することになっている。考えていた「どこかでお昼ごはんを食べる」「駅でお弁当を買って新幹線で食べる」という二つの選択肢のうち、後者はこの時点で消えた。
 買うとしたらセブンイレブンかニューデイズになりそうだし、せっかくなら、もう少し「旅情」というものが欲しい。

 待合室で待っていると、宿の方がお迎えに来てくださった。
 待合室にいた3/4くらいは、同じ宿に泊まる方々だったようだ。10人以上はいたと思う。なかなか繁盛しているようである。
 ぞろぞろと移動し、宿のマイクロバスに乗り込んだ。駅から車で30分くらい、ロゼワインを飲んだせいか完全に眠り込んだ。

 山道を上り、2泊お世話になる栃尾又温泉の自在館に到着した。
 まずは、ロビーで色々と説明していただいた。
 このお宿は割とセルフサービスな感じで、その「セルフサービス」が充実している。
 お部屋にお茶セットがない代わり、ロビーにエスプレッソマシンや、冷やした温泉水、お湯のポットにティーバッグ、お茶菓子(温泉まんじゅうにおせんべい、カントリーマウムなどがプラスチックのバスケットに入っている)が用意され、自由にいただくことができる。

 栃尾又温泉には3軒のお宿があり、この3軒の宿泊客は共同のお風呂である「したの湯」「うえの湯」「おくの湯」に浸かることができる。
 不思議なシステムだ。
 自在館からは、したの湯はずっと屋内を通じて行くことができ、うえの湯とおくの湯のある建物には一度外に出る必要がある(といっても、外を歩くのは最短5mくらいだ)。その往復も、館内着である作務衣で行ってしまっていいらしい。

 帰りの送りのバスと、自在館に三つある貸切湯は、ロビー階のエレベータ前にある掲示板にぶら下がっている予約表に書き込んで利用する。
 実際に貸切湯を使うときには、その掲示板にぶら下がっているおしゃもじを持参する。
 なかなか合理的なシステムである。

お部屋 説明後、作務衣とバスタオルを持って、(ミラコロは説明を受けている間に宿の方が運んでくださった)自分のお部屋に行った。
 今回、私が宿泊するのは「一人客専用」の和室6畳(トイレなし)のお部屋である。
 行ってみると、エレベータ前にお茶セットがあり、角を曲がってお手洗い、そのお隣のお部屋だった。

 もしかしてトイレの水音が聞こえるかしらと心配したものの、実際はほとんど聞こえてこなかった。
 そうなると、お手洗いが近いというのはなかなか便利である。
 ロビーから冷たい温泉水の入ったポット(たくさん用意されている)と温泉まんじゅうを持ってきたり、エレベータ前のお茶セットコーナーで緑茶をティーバッグで入れて持ってきたりして、お部屋を「滞在用」に整える。

 お部屋には茶香炉が焚かれていて、いい香りである。
 洗面台はあるし、テレビがあり、wifiも入る。何故か胃薬と絆創膏も置かれている。敢えて難を言うと、この座椅子が滑りやすくて座りにくいことくらいだ。
 私が泊まったお部屋はお布団のお部屋で、同じサイズでベッドのお部屋もある。どちらもお布団はムアツふとんである。

 共同湯は1日おきに男女が入れ替わり、今日はうえの湯としたの湯が女湯、おくの湯が男湯である。
 「したの湯」は源泉からすぐのところにあり、建物に風情もあって、いわば栃尾又温泉の「顔」となるお湯である。
 それなのに、まず「うえの湯」に行こうとする私は、我ながら天邪鬼である。

 予約表を見ると、今日の貸切湯はほぼ一杯だった。
 私は2泊するし、明日の女湯は「おくの湯」だけだし、一日お湯に浸かっているだけの予定である。
 明日の予約表はガラガラで、好きな時間に予約を書き込んだ。

大正棟の廊下大正棟の階段 うえの湯には、2階にある渡り廊下を渡って大正棟に行き、その大正棟を通り抜けた先にある出入り口から行くことができる。
 大正棟は、いわゆる「湯治宿」の趣だ。現在は自炊場は使われておらず、こちらに宿泊する場合もごはんは出していただける。
 ちなみに、自在館から歩いて行ける範囲にコンビニ等々はない。
 栃尾又温泉は、宿3軒、共同湯、薬師堂、以上、という感じの場所だ。

 栃尾又温泉はラジウム泉で、かつ源泉が人肌の温度である。
 その人肌の温泉に1時間でも2時間でも浸かる、というのが、昔から伝わる入浴法だ。
 40度くらいに加熱したお湯の浴槽も用意されて、最後に「あがり湯」として温まることが推奨されている。

 私が行った15時過ぎのうえの湯は誰もいなくて貸切状態だった。やはり、源泉に近くて、雰囲気のあるしたの湯の方が人気らしい。
 青いタイルに「銭湯みたい」という評もあるようだ。私は結構好きな感じである。
 窓が大きく、浴槽も広く、全体に明るいのが良い。

 ぼーっとしていると、文庫本をジップロックに入れた方など2〜3人がいらした。浴槽が広いし、みなさんほとんどしゃべらずにひたすらお湯に浸かっていて、ほとんど一人でいるのと変わりない。
 1時間でも2時間でもお湯に浸かるのが流儀だから、慣れている方はお水をペットボトルに入れて持ち込んだり、空のペットボトルを持参して飲泉したり、本を持ち込んだりされているようだ。

 お湯は、無色透明で、特に匂いもない。
 36〜37度の源泉を掛け流しにしていて、加水も加温もない。
 何というか、塩素なしのプールに浸かっているような感じだ。
 浴槽が深めになっていて、周りの段になっているところに座っても、普通にしていると肩まで浸かる感じになる。のぼせる心配がないのも良い。
 1時間ばかり、ひたすらお湯に浸かった。

したの湯への階段したの湯への階段 ロビーに置いてある「かぼす温泉水」で水分補給し、そのまましたの湯に行った。
 したの湯には洗い場がなく、こちらはもうまさに「ひたすら浸かる」温泉である。
 うえの湯と同様、人肌の温度の浴槽と、加温した温度の浴槽がある。
 4〜5人が常にいる、という感じだ。

 目をつぶっている人も多い。自分の実感からすると、それは「瞑想している」というよりも「寝落ちしそうになっている」のではないかという気がする。
 しゃべったり本を読んだりすることもなく、体温と同じくらいのお湯にひたすら浸かっていると、本当に眠くなってくる。
 浴槽の縁に並んでいる中から枕にちょうどいい感じの石を見つけ、何となくうつらうつらしているうちに1時間半くらい経っていた。

 17時半過ぎに上がり、「流石にトータル2時間もお湯に浸かっているとだるいよ」「のぼせることはないけど手足がふやけているよ」と思う。
 お部屋に戻って一休みしたら、18時15分からと指定された夕食の時間である。
 食堂に行くと、結構一人のお客さんが多く、窓に向けて7〜8卓、一人用のテーブルが並んでいた。もちろん、ご夫婦やお友達同士で来ている方もいらっしゃる。

夕食 私が頼んでいたのは一汁四菜のコースで、献立はこんな感じだった。
 ごはんとおつゆ、お茶はセルフサービスである。

 ごはん(魚沼産こしひかり)
 けんちん汁
 めかぶと山芋のわさび和え
 茄子と玉ねぎの酢の物
 豆乳蒸し
 豚しゃぶの黒酢ドレッシング
 ヨーグルトゼリー・りんご・キウイ

 こちらに地元のお酒だという緑川酒造の吟醸を1合いただいた。
 お燗にするか常温かと問われ、常温でお願いする。
 何というか、お酒らしい日本酒で、ちびちびいただくのが相応しい。ゆっくりいただいた。

 食後、ロビーでコーヒーをいただいてからお部屋に戻った。
 それでも眠い。ひたすら眠い。
 お部屋にはお布団も敷いてあるし、お部屋に戻ってお布団に横になったら、あっという間に寝入ってしまったらしい。
 目が覚めたら22時過ぎだった。びっくりである。

 うえの湯としたの湯は、23時まで入ることができる。
 せっかく目が覚めたし、したの湯に行った。
 階段を下っていると雨音が聞こえる。おえ部屋にいると川のせせらぎの音が常に聞こえており、川音に紛れて雨が降っていることには気がつかなかった。

 30分くらいぬる湯に浸かり、23時少し前にあがった。
 階段を上っていたら、6〜7cmくらいのカエルがいて驚く。思わず足を止めてしげしげと見入っていたら、後から上がってきた方に「どうかしましたか?」と声を掛けられた。
 「カエルがいるんですよね〜。」と答えると、「ここにもいますよ。」と指さされた。確かに、窓ガラスにしがみついている2cmくらいのカエルがいる。
 カエルをこんな至近距離で見たのは子供の頃以来かも、と思う。

深夜のロビー 誰もいないロビーでドクダミ茶をいただきながら一息入れる。
 流石にお茶菓子は片付けられていたものの、お茶や温泉水のポットなどは本当にいつでも用意されているようだ。有難い。
 お部屋に戻り、0時前に就寝した

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2019.10.01

無事、帰宅する(栃尾又温泉)

 2019年10月1日、無事、栃尾又温泉から帰宅した。
 2泊3日、ひたすら温泉に入っている「プチ湯治」の時間を過ごした。一言で言うと、ほぼ「修行」だった。
 宿の周りのお散歩くらいすれば良かったと思っているところである。

 そして、新潟県は近いということを改めて認識した。

 この2泊3日の栃尾又温泉旅行の費用は、約45000円だった。
 ここには、交通費、宿代、食事代等が含まれているが、お土産代は含まれていない。

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