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2019.10.13

栃尾又温泉旅行記2日目その2

2019年9月30日(月曜日)

たぬきの湯  本日一つ目のお湯は、9時40分からを予約しておいた「たぬきの湯」という貸切湯である。
 5〜6人でも入れそうなこの広さのお湯を独り占めできるとは贅沢の限りである。ここを40分間貸切にすることができる。
 窓の外の緑も目に鮮やかだ。
 貸切湯は、長湯防止のためか、(推定)42度くらいの少し熱めの感じに加温されている。
 40分で十分、と感じた。

 たぬきの湯に貼ってあった温泉分析書によると、自在館1号泉は自然噴出の温泉で、無色透明無味無臭、泉質は単純弱放射能温泉である。
 効能が色々あって、泉質別適応症のところには、痛風、動脈硬化、慢性胆嚢炎、胆石、慢性皮膚病、慢性婦人病等々が記載されていた。
 私の目的は、むしろ、一般的適応症のところにあった「疲労回復」である。

うさぎの湯 貸切湯を使うときに持参して「入浴中」の目印となるおしゃもじを予約表のある掲示板に返し、お部屋に戻って一休みする。
 昨夜いただいた冷たい温泉水のポットの水を飲みまくり、あっという間に空っぽにしてしまった。
 水分補給も行ったところで、貸切風呂第2弾は、11時からの「うさぎの湯」だ。
 たぬきの湯とうさぎの湯は、ちょうど廊下を挟んで向かい合っている。

 うさぎの湯は、お湯入れ替えのお掃除が終わった直後というタイミングである。何だか贅沢な感じがして、狙ってこの時間枠を予約した。
 実のところ「お湯が新鮮」とかよく判らないけれど、うさぎの湯では、湯船に浸かってすぐに体に泡が付いてきて驚いた。
 これが新鮮ということだろうか。

 こちらも熱めのお湯でちょっとのぼせてきたこともあり、早めに上がって髪を洗った。
 髪を洗ってしまうと、40分では乾かしている時間はない。
 フロントでドライヤーも借りられるものの、まぁいいかと、お部屋で徹底的にタオルドライに勤しんだ。もちろん、温泉水での水分補給は必須である。

 当初の計画では、12時頃に開くらしい宿の食堂で軽くお昼を食べるつもりだった。
 しかし、12時過ぎ頃からロビーで待機していても開店する様子がない。
 12時15分になっても開かなかったし、13時から貸切露天風呂を予約していたのであまり直前に食べるのは良くないよなぁと思ったし、朝ごはんをたっぷりいただいていたし、昼食は抜くことにした。

うけづの湯 13時から13時40分までが貸切露天風呂である。
 露天風呂には「うけづの湯」という名前が付いていて、うけづというのは宿から川を挟んだ向こう側に見える山の名前だ。
 露天風呂には洗い場はなく、掛かり湯をしてから入る。

 日差しがさんさんと差し込んでいる。最初は嬉しくて日光を浴びていたものの、流石に暑くなってきたので、日陰を選んでのんびり風に吹かれた。
 緑も濃く、やはり露天風呂は気持ちが良い。

 お部屋に戻って一休みしていたら電話が鳴って驚いた。ここに私がいることを知っているのは家族くらいである。一体誰からの電話だろうと思ったら、当たり前のことながらフロントからだった。今日の夕食と明日の朝食の時間の確認だ。
 夕食は17時半からか18時半からのどちらか、朝食は8時からか9時からのどちらかと言われ、夕食は18時半からにしてイワナの塩焼きを追加注文し、朝食は8時からでお願いした。

 フロントから電話があったってことはフロントに人がいるわよね! と思い、フロントに行って、友人へのお土産にお米を送ってもらうようにお願いした。料金はチェックアウトのときに一緒し支払えば良いそうだ。
 宿の方々のお話を聞いていると、今日から食堂で新米を出してくださっているらしい。そうだったのか!! と思う。もちろん、新米を送ってくださるそうだ。嬉しい。
 この後のおくの湯での長湯に備えてロビーで温泉まんじゅうをいただき、のぼせ防止にお部屋でお茶と一緒にいただいた。自在館のお茶は、ティーバッグなのに何故かもの凄く美味しく感じる。水がいいからかも知れない。

 14時半から「3時間」と心に決めておくの湯に行った。
 今日の女湯の大浴場はおくの湯だけで、流石に独り占めという訳には行かない。
 昨日したの湯で一緒になった年配の女性とまた顔を合わせ、何となくご挨拶する。彼女に教えてもらって、今回は、来るときの新幹線で飲んだカップワインの容器を洗って持ってきている。飲泉用だ。

 おくの湯も源泉掛け流し加温なしである。
 だから、温度は人肌だ。
 ひたすら浸かる。耐久レースのように浸かる。ほとんど意地になって浸かり続ける。阿呆である。
 ビニルに入れて本を持ち込み、読んでいる方もいらっしゃる。私もやろうかしらと思ったものの、持参した本はハードカバーだし、肘を置くところがないと結構腕が疲れそうである。

 そうすると、もう寝るしかない。
 そもそも、人肌のお湯に肩まで浸かっていたら眠くなるに決まっている。
 おくの湯にずっと浸かっていると、こちらも体中に泡がくっついてくる。普通だと触れば離れて行く泡が、こちらではしぶとく皮膚にしがみついているのが不思議だった。

夕闇の自在館 初志貫徹で17時半頃に上がり、外に出るとうっすら夕焼けになっていた。
 随分と長く浸かっていたものである。皮膚と肺から大分ラジウムを吸収したに違いない。
 大正棟の前にポストがあるのを発見し、ここで友人にはがきを出して帰ろうと思う。
 10月1日からの郵便料金値上げに備え、1円切手も持参している。
 ところで、9月30日のうちにポストに投函すれば、収集が明日でも62円で届けてもらえるのだろうか。

 18時半から夕食をいただく。
 食堂はほぼ満席だ。
 本日の献立はこんな感じである。

 ごはん(魚沼産こしひかり)
 豚汁
 オクラとトマトの海苔和え
 車麩の酢味噌和え
 いかと茄子の煮物
 からす鰈のおろし蒸し
 温泉ゼリーとメロン、オレンジ

 これに、イワナの塩焼きを追加していただき、ラジウム温泉水と地元の焼酎だという「ほんやら」で作った「前割焼酎」をお願いした。

夕食デザート

 飲んでいるときも知らなかったので今調べたところ、前割焼酎とは、予めお水等々で割った焼酎を数日寝かせたものらしい。
 知らないものを何故頼んだかといえば、「前割焼酎」が特別扱いされていて、ラミネート加工された説明書までテーブルに置いてあったからだ。それに「ラジウム温泉水で割った」と言われると何やら健康に良さそうではないか。
 健康に良いかどうかはともかく、とても飲みやすく、すいすいくいくい飲めてしまうお酒だった。

 前割焼酎を堪能した後で、ごはんと豚汁もいただいた。
 しかも、少し離れたところにいらした年配のご夫婦の奥様が「お腹がいっぱいで食べられない。手をつけていないのでいかが?」とおっしゃってくださり、いかと茄子の煮物は二つもいただいている。
 食べ過ぎにもほどがある。
 しかし、私より明らかに食欲のありそうな若い男性もいたのに、何故私に声がかかったのか、激しく謎だ。

 紺屋もロビーのコーヒーマシンで淹れたコーヒーを食後にいただく。
 少し休んでおくの湯に行き、それから予約してある露天風呂に行こうと思っていたけれど、お腹がいっぱい過ぎるし、酔っ払っているし、とても行けそうにない。
 しきっぱなしのお布団に転がって、持参した本を読んで食休みとした。

夜のうけづの湯 本日ラストの温泉は、21時40分から予約してあったうけづの湯である。
 夜の露天風呂も気持ち良い。
 9月も今日で終わりだからか、風というよりも、空気が冷たく感じられる。
 それくらいの感じだと、長湯ができてさらに嬉しい。堪能する。

 おしゃもじを掲示板に返すついでに、温泉水の冷水ポットをもらってお部屋に戻った。
 本当は食前に飲まなくてはいけない薬を飲み忘れていたことに気づき、今頃飲む。
 昨日は時間がなくて(どうしてだろう)できなかったシートマスクでパックをし、23時前に就寝した。

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