奥入瀬旅行記2日目その2
2019年8月30日(金曜日)
石ヶ度休憩所でバスに乗り、20分ほどで本日のお昼をいただく蔦温泉旅館に到着した。
奥入瀬から蔦温泉までの道筋はブナ林が続き、ガイドさんは、時期になると黄葉が素晴らしく綺麗で、かつもの凄く渋滞する道だとおっしゃる。
蔦温泉では1時間40分取ってあって、昼食後に日帰り入浴で温泉に入っても良し、歩いて10分ほどの蔦沼まで行って来るも良し、という説明があった。
この蔦沼も綺麗なところで、紅葉の名所らしい。JRのポスターに採用されたこともある。
蔦温泉旅館ではまず、12時過ぎから畳敷きにテーブルとイスというお部屋で昼食をいただいた。
ごはんにイワナの塩焼き、鱒のお刺身にきのこ汁という和食の献立だ。青森っぽいかどうかはともかく、山の温泉っぽいごはんだったと思う。
あまり好きではない筈のきのこ汁がとても美味しかった。
滋味、という感じである。
母と相談し、「我々二人では、所要10分と言われた蔦沼までの道を10分で歩くことはできまい(何故ならすぐ道草を食うから)」という判断で、ゆっくり日帰り入浴を楽しむことにした。
蔦温泉旅館では、湯船の底から温泉が湧いているという話を聞いた覚えがあった。それはぜひ味わってみたい。
旅館の入口に戻って日帰り入浴を申し出ると、このツアー参加者からは入浴料はいただいていませんというお返事だった。タオルを購入し、有料のバスタオルをお借りして、泉響の湯と名付けられた大浴場に向かった。
湯船の底から温泉が湧いている。「源泉掛け流し」ならぬ「源泉湧き流し」という説明書きがある。確かに、と思う。
大浴場は天井が高く、広さの割に開放感がある。
湯船に浸かっていると、底板の間から熱いお湯が少しずつ「ぽこぽこ」といった感じで湧いているのが判る。
一種の蒸し風呂っぽい感じになっていて、結構熱い。長湯の私もそこまでの長湯はできなかったのが残念である。
母など、あっという間に上がっていた。
畳敷きの休憩所があり、お水などが用意されていて有難い。
蔦温泉旅館を出発し、20分ほどで本日のお宿である奥入瀬渓流ホテルに到着した。何しろツアーのうたい文句が「奥入瀬渓流ホテルに17時間滞在」だから、チェックインも早い。
お部屋は「なごみ和室」だった。とても広い。
添乗員さん曰く、帰りの新幹線で二人の席が離れてしまったので、その「埋め合わせ」の一環だという。
母も私もどうせ帰りの電車では爆睡するだろうし、席が離れたところで何の問題もない。はいはいと有難く了解した。
お部屋に用意されていたお菓子とお茶で休憩し、15時発のバスで「八重九重の湯」に行こうと相談がまとまる。
奥入瀬渓流ホテルには少し離れたところに混浴の露天風呂があり、バスの送迎がある。せっかくなら明るいうちに露天風呂を味わいたい。
バスに乗る前、アクティビティ・デスクで「渓流モーニングカフェ」を予約した。17時間滞在といえど我々ツアー客は忙しく、ホテル主催のアクティビティに参加する時間はほとんどないのが残念である。
ホテルのマイクロバスに乗ること数分で「八重九重の湯」に到着した。
母と私はのように館内着でもある作務衣に着替えてサンダルを履いているのは少数派で、お洋服のままの方が多かった。
露天風呂に入る頃には青空が覗いたのが嬉しい。
八重九重の湯は混浴になっていて、湯浴み着が用意されている。女性用のワンピースみたいな茶色い湯浴み着は半ズボンのようなものとセットになっていて、かなり厚手の生地なので安心感がある。
バスには同じツアーの方もちらほらいらっしゃって、「この湯浴み着はどうやって着るんだろう?」「どことどこのヒモを結ぶの?」と大騒ぎしつつ着替え、露天風呂に出た。
白濁したお湯で、露天風呂からは「九重の瀧」を見ることができる。「八重の瀧」はなさそうである。
今の日本の法律では新たに混浴風呂を設けることは禁止されていて、「今ある混浴の湯を守らなければ、混浴の文化がなくなってしまう」という説明は、行き帰りのバスの中で聞いたのだと思う。
戻りのバスの時間に合わせて上がり、休憩所でサービスのアイスキャンデーをいただく。
バスを待つ間、外に出て、紅葉(?)している葉っぱの写真を撮る。「暑くない」のが有難い。
16時15分のバスでホテルに戻り、そのまま西ラウンジで休憩した。
ラウンジにはフリードリンクバーがあって、りんご茶・ゴボウ茶・紅茶と3種類のティーバッグが用意されている。
私はりんご茶を選んでほのかな甘みに満足した。美味しい。母は何故か果敢にゴボウ茶にチャレンジし「ゴボウの味がする」と当たり前の感想を述べていた。
窓際のソファからは渓流がちらほらと見えて、なかなか居心地の良いラウンジだった。
りんご茶のティーバッグをひとついただいてお部屋に持って帰り、水のペットボトルに入れて水出しりんご茶にし、明日持って行けるように用意する。
そうこうしているうちに17時過ぎくらいからまたも雨が降り出した。
今日は一日、お天気に一喜一憂している気がする。
それでも、奥入瀬渓流を歩いているときに雨に降られたのは10分程度で、しかも木々が茂る辺りだったのでほとんど雨に打たれることはなかったし、今も露天風呂から帰ってきたところでの降雨だし、何だかんだ恵まれていると思う。こういうのも「悪運が強い」と言う煮違いない。
17時半からの夕食は「青森りんごキッチン」でのビュフェである。
母と二人、りんごのワインをいただく。確かフジを使ったワインだったと思う。
ビュフェのお料理はりんごを使ったものが多い。野菜を薄く輪切りにしただけのサラダや、りんごのピクルスがかなり美味しい。
ビュフェのお料理で心躍るのは、やはり、シェフの方々がその場で焼いてくださっているお料理の数々である。
途中で八戸酒造の陸奥八仙という日本酒に切り替え、りんごのソースのかかったポークや帆立のバジルバター焼き、ビーフステーキなどなどをしこたまいただいた。
しかし、である。
ここに来て、焼きたてのアップルパイを食べない訳には行かない。
もちろん、一つだけ食べるなんてあり得ない。
焼きたてのアップルパイの横にソフトクリーム用のコーンがセットされていて、ソフトクリームは自分で作るようになっている。
バスガイドさんは五つだったか七つだったか、いただいたことがあったと言っていたような記憶がうっすらある。
その記録に挑戦したいところだけれど、既にお腹は一杯である。
コーヒーと一緒に、二ついただいたところで「もうこれ以上は入りません」というお腹になった。
東館のラウンジもまた岡村太郎の作品に彩られている。
こちらは「森の神話」と名付けられていて、どちらも「ニンフ」「妖精」がモチーフになっている。
パンフレットなどに使われているのは概ねこちらの写真だと思う。どうしてだろう???
お土産物屋さんをうろうろしつつ西館に戻り、ラウンジで19時から開催される森の学校に参加した。
「森の学校」では奥入瀬についてのお話を30分くらい聞くことができる。
講師は日替わり、お話の内容も変わるらしい。この日の講師はおいけんというNPO法人のガイドさん(だったと思う)が担当されていた。
こんな感じのお話をお伺いできたと思う。
・奥入瀬には、300種類に及ぶコケがあること
・十和田湖の水源は雨と八甲田山系の雪解け水で十和田湖から流れ出る川は1本しかないこと
・十和田湖から流れ出る川の上流1/5ほど(約14km)を「奥入瀬渓流」と呼んでいること
・十和田湖は概ね山手線の内側と同じくらいの面積があること
・十和田湖は約15000年前に決壊し、1秒間に30万トンの水が流れ出る大洪水が起きて水位が100m下がったこと
・奥入瀬は岩だらけの深い谷で植物は育ちにくいが、水が豊富でコケの生育には適していること
・奥入瀬渓流の上流は滝が見どころで、名前を持つ滝の8割が上流にあること
奥入瀬渓流の中流は「流れ」「瀬」が見どころであること
奥入瀬渓流の下流の見どころはブナの森で、かつ遊歩道が車道から遠いためゆっくり歩けること
・地衣類とは、菌類と藻類が共生しているもので、かつ適応性が非常に高いこと
地衣類は、地上で一番古い生き物である、かも知れないこと(大体、6億年前)
続いて、星空鑑賞会の予定が組まれていた。残念ながら本格的な雨になっていて星空など拝める訳がない。
同じ場所で「星の学校」が開かれると案内があり、フリードリンクのコーヒーを飲みつつ引き続き参加することにした。
ここ4日、連続で星が見られていないそうだ。せっかくの新月なのに残念である。
「星の学校」は星座の話がメインで、先生役の若い女性スタッフが終始緊張している感じで微笑ましかった。
・星座は5000年前にメソポタミアで始まったこと
・9世紀にプトレマイオスにより48の星座が規定され、その後16〜18世紀に星座が乱立して夜空が星座だらけになったこと
・1930年に国際天文学連合が「星座は88個」と整理したこと
このうち日本では68個(くらい)の星座を見ることができること
・生まれの星座は、大体、生まれる4ヵ月前の空にあること
あと、こと座にまつわる「星の神話」を話してくださったのに、どんなお話だったかすっかり忘れてしまった。
ケルベロスとかハデスという名前が出ていたから、地獄にまつわる神話だったのだと思う。
20時過ぎに星の学校が終了し、お部屋で一休みした後、今度は館内にある渓流露天風呂に行った。
こちらは無色透明のお湯である。
露天風呂に出てみると雨が降っていた。露天風呂には屋根がなく、雨になるべく当たらないような場所を探しつつ、雨の「「温泉」を満喫した。
温泉からお部屋に戻る途中、お土産物屋さんに寄った。
何かと通ることの多い東館と西館を結ぶ廊下の辺りに配置しているところが上手いと思う。
このお土産物屋さんがかなりの品揃えで美味しそうなものもたくさんあり、母と次々にカゴに入れる。あまりにも重すぎて宅配便で送ってもらうことにした。
お部屋に戻り、部屋備え付けの足マッサージ器を母と交代で有効活用し、明日は4時半起きの私は早めに就寝することにした。
22時前にはお布団に入ったと思う。
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