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2020.01.11

ニュージーランド旅行記6日目その1

2019年1月31日(木曜日)

朝食ランチ用サンドイッチづくり この日は、ミルフォード・トラックを歩き始めてから一番よく眠れたと思う。それでも、連続した睡眠は3時間くらいだ。
 昨夜に同室の添乗員さんと打ち合わせた通り、5時45分に起床した。まだ電気は通じていないので、懐中電灯の光で支度を始める。

 6時過ぎに朝食会場に行ったら一番乗りだった。
 早速、サンドイッチを作り始める。昨日食べて気に入ったバジルペーストを塗り、ハムと玉子とピクルスに野菜のサンドイッチを作る。もう一つはイチゴジャムのサンドイッチだ。昨日食べそびれてしまったチョコマフィンも一ついただく。

 今日は今までで一番歩く距離が長い。22kmの行程である。
 午前中に1回、温かい飲み物をいただける休憩が入り、その後、またしばらく歩いてランチ休憩の予定だ。
 ランチも2回に分けて食べるように用意しておくと良いというアドバイスがあり、マフィンは1回目の休憩用、サンドイッチはランチ用の心づもりである。

 ホットミールはもう少したってから出てくるので、私の朝食は今日もグラノーラにヨーグルト、ジュースとコーヒーである。
 7時前に食べ終わり、身支度をして7時20分頃から、恒例のラジオ体操に参加する。
 ツアーメンバーの面々もそろそろ疲れが出てきているのか、参加したのは2/3ほどだ。

出発 この日はにわか雨の予報で、空を見上げると低くて暗めの雲に覆われている。
 半袖Tシャツの上にレインジャケットを羽織り、スポーツタイツに山スカート、念のためにゲイターを付け、長距離に備えて出発時点からストックを使うことにする。
 ザックのレインカバーは降り出してからで間に合いそうだ。
 ツアーメンバーのみなさんは、上下ばっちりレインウエアを着込んでいる方がほとんどだったと思う。中で、私は軽装だ。
 7時半に出発した。

川沿いに歩く 歩き始めてしばらく、川沿いの道を進む。
 森が迫っている、ちょっと暗めの道だ。
 割とすぐに暑くなってきて、羽織っていたレインジャケットを脱いだ。
 レインジャケットのポケットに入れていたお水のペットボトルやカメラをザックに入れていたウエストポーチに移し、装着する。
 8時5分前くらいに21マイル地点を通過した。

22マイル標識 私はトロいものだから、あっという間に一人歩きになる。
 この日の前半は、女の子3人と男の子一人という若干不思議な4人の若者たちと前になったり後になったりしながら歩いた。
 もちろん、彼らのペースが遅い訳ではなく、彼らはしょっちゅう写真撮影のために止まり、結果としてほぼ私と同じペースになったというだけである。
 8時35分に22マイル地点を通過した。

ボードウォーク ボードウォークのような箇所も通過しつつ、のんびり歩く。
 今まさに歩いているアーサー渓谷は、ミルフォード・トラックの中でも特に雨が多い場所だ。それで、こんなボードウォークが用意されているのかも知れないと思う。
 クィーンズタウンで会った「ミルフォード・トラックを歩いて来たばかり」という日本人の方も、「最終日に天気が悪くて大変だった。」とおっしゃっていた。
 雨は降っていないし、道もほぼ平坦(という割にアップダウンはそこそこあって、平らな道をひたすら歩くと思っていた私はそのたびに疲弊していた)だし、写真を撮る余裕もある。

 8時45分過ぎ、ダンプリング・ハットに到着した。
 本日最初のトイレ休憩ポイントである。
 ウールの靴下の中に履いていた五本指の靴下が撚れて気持ち悪かったので、トレッキングシューズを脱いで靴下をはき直した。

 お手洗いに行って戻って来たら、最後尾を歩いていたララちゃんがちょうど到着したところで、道の真ん中に自分のザックを置いて「ここが最後尾」の目印にしていた。
 あららと思い、9時にダンプリング・ハットを出発し、少しペースアップを心がける。
 後に添乗員さんの旅日記で確認したところ、ツアーメンバーのトップは8時25分にダンプリング・ハットを通過していた。ほぼ同時スタートなのに30分以上遅れていれば心配するのも当然だ。この後、添乗員さんが一緒に歩いてくれた理由も納得である。申し訳ない。

 それなのに、こんな写真を撮ってもらったりして、我ながら反省が足りない。
 しかし、拡大するとブレているにも関わらず、この写真がミルフォード・トラックで一番気に入った写真になった。有難い。
 この辺りはシダも多い。またも屋久島に似てるなぁと思う。

青空 9時35分くらいに24マイルの標識を通過した頃、青空が覗いていることに気がついた。
 これまでかかっていたのは雲というよりも靄だったのかも知れない。気温が上がるにつれて、晴れてきたようだ。
 ほぼ森の中を歩いて来ていたところに、いきなり荒涼とした場所に出て驚いた。
 間に合わせの通路の感じといい、崖下に広がっていることといい、雪崩とか土砂崩れとかの跡かしらと思う。
 今から崩れてくることはないよね? と思いながら、少し足早に通り抜けた。

木漏れ日 荒涼とした風景が広がっていたのはほんの少しの間だけで、またトラックは森の中に戻った。
 雨の匂いのする森の中に日の光が届いて、何とも気持ちがいい。
 25マイル標識を10時5分に通過する。この辺りは確かほとんどアップダウンもなかったし、結構いいペースで歩いていたようだ。
 昨日は最後尾をトロトロ歩いていたので自動的に一人歩きになった。今日は 足を痛めてしまった方がゆっくりペースで歩いていらしたので、一人歩きをキープしようとすると微妙な速度調整が必要になる。

山と青空 森を抜けると前後に山が見える開けた場所に出た。
 待ち構えたように添乗員さんが声を掛けてくださる。どうやらツアーメンバーの通過を確認しつつ、記念写真撮影をしてくださっているらしい。
 そこから少し歩くと、ホットドリンクをいただける休憩ポイントだと教えてもらい、そういえば少しお腹が減ったなぁと足を早めた。

 足を早めたところで、こちらに向かって歩いてくるツアーメンバーの方に行き会った。
 「どうしたんですか?」と尋ねたら、この先のボート・シェッドで休憩し、先に進むのだとおっしゃる。
 ミルフォード・トラックは一本道の筈である。何だかおかしいですねと、ボート・シェッドまで戻ってガイドさんに聞いたら、ボート・シェッドを通り越して行くべきところを逆に来てしまったらしい。
 それほどの距離を歩く前に気がついて良かった。

チョコマフィンで休憩 ボート・シェッドは、昔、川を船で渡っていたときに使っていた、いわば「待合小屋」である。
 ガイドさんからコーヒーをもらい、適当な石をテーブルと椅子にして休憩した。朝、ロッジでもらてきたチョコマフィンの甘さがしみ渡る。
 辺りには、オレンジのユリのような花も咲いていて、気持ちが良い。
 ザックをその辺に転がして、汗を吸っているだろう背面を乾かす。

 川にかかる吊り橋の写真をどこで撮ったのか、記憶が曖昧である。
 ボート・シェッドから川岸に降りることができ、そこから撮ったのではないかと思う。
 川の水面の平らな感じ、その奥に吊り橋が架かっている感じ、水面に空が映っている感じ、空気が澄んでいる音がしそうな感じが気に入っている。
 おやつを食べ、お手洗いを済ませ、気持ちのいい景色と空気を満喫し、30分ほども休憩していたと思う。
 11時に再び歩き始めた。

 ボートシェッドを出て5分も歩かないうちに26マイルの標識を通過した。
 そこからさらに吊り橋を二つほど渡り、15分ほどで、昨日、かなさんが「絶対に行ってください。」と強力にお勧めしていたマッケイ滝に到着した。
 ザックを置いて、早速行ってみる。

ベル・ロック マッケイ滝を見る展望台の手前に、ベルロックがある。
 釣り鐘型の岩で、中が空洞になっている。
 その空洞部分に入ることができて、この写真だと左下が私が入ってきた岩の隙間、そこから岩の内部を見上げている感じになる。
 ベルロックの看板に「LOOK INSIDE」とわざわざ書いてあるのが何だか可笑しい。

 そして、マッケイ滝である。
 かなさん曰く「ミルフォード・トラックのパンフレットには必ず写真が掲載されるマッケイ滝」で、添乗員さん曰く「ニュージーランドで最も美しいと言われるマッケイ滝」だ。
 10分ほど滝の眺めを楽しんで、「サンドフライポイント(ゴール地点)まで4時間」の看板に力を得たのか失ったのか微妙だわと思いつつ、再び歩き始めた。

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