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2020.04.04

カンボジア旅行記3日目その3

2020年1月1日(水曜日)

バンテアン・スレイへ 14時50分にロビーに再集合して出発し、16時くらいにバンテアン・スレイに到着した。
 何というか、すでに日が傾き始めている代わり、それほど人出は多くない。
 バンテアン・スレイとは「女の砦」という意味である。

 100m四方くらいの大きさの遺跡で、他と比べると明らかに赤い。レンガ色の、パッと見、温かい感じの遺跡である。
 このピンクの砂岩は遠くタイとの国境から運ばれてきており、その運搬の大変さ故にバンテアン・スレイは小さい。
 それほど大変なのに運んできたのは、この砂岩が彫りにくいけれども壊れにくいという性質を持っているからだ。

 また、中央祠堂までの参道そのものも赤い石で舗装され、その両脇にはキッパリとリンガが建っている。
 「女の砦にリンガの列」という組み合わせにどことなく凄みを感じる。
 中央祠堂に到達する前にも、様々なレリーフを目にすることができ、ちょっとした柱に深く(推定)ガルーダが刻まれたりしていて、それが何とも格好よい。

破風文字が刻まれた岩

 左の破風には、水牛の上に男女が乗る様子が彫られている。女性の顔が欠けてしまっているところが惜しい。
 誰かが嫉妬して削っちゃったのかしらと思ったのは、これが結婚式の様子を描いていると聞いたからだ。
 また、アンコール遺跡で(落書き以外で)初めて文字を見た。柱に刻まれている。今書いている文字は15世紀くらいから使い始めたもので、ここに刻まれている文字はその500年以上前に使われていたものである。

中央祠堂 中央祠堂は本当に小さい。一目で見渡せるくらいだ。
 こちらにも破風があり、様々な彫刻を目にすることができるこんなにくっきり刻まれた象は初めて見たような気がする。象の聖水でラクシュミー(女神)が身を清めている様子が描かれていたりする。

カーラに乗ったヴィシュヌ神 中央祠堂の正面入口の門の上に飾られている破風には、カーラ(アムリタを飲んだ阿修羅がヴィシュヌ神によって首を刎ねられたときの「首」)の上に乗ったヴィシュヌ神が彫られている。
 カーラは入口を守る守護神としても崇められている。
 この図柄は、カンボジアの50リエル札にも採用されており、かなり「評価の高い」彫刻であるようだ
 正直なところを言えば、他の破風との違いはよく分からなかった。

踊るシヴァ神 面白い面白くないでいえば、間抜けな感じで一人踊っているシヴァ神の方が面白い。
 シヴァ神は踊りによって世界を壊し、そして再生に導くそうだ。
 踊る必要があるんだろうか。
 足下の右側ではインディラ神が太鼓を叩き、左側にはシヴァ神の踊りによって美貌を「壊された」女性が嘆いている。しかしこの女性は、一見、カラオケで悦に入っているように見える。
 可笑しい。

 そして、バンテアン・スレイといえば「東洋のモナリザ」である。
 もちろん、真打ちは一番奥の中央祠堂にいらっしゃる。小さい遺跡とはいえかなり勿体ぶった登場である。
 中央祠堂には3本の塔があり、左右の2本は女神の像で、真ん中の塔は男神の像で覆われている。
 モナリザのみなさまがいらっしゃるのは、左右の塔の周りだ。

中央祠堂東洋のモナリザ

 以前は、ここにいらっしゃるデバターのうち1体を「東洋のモナリザ」と称していたと記憶している。
 しかし、最近は、この中央祠堂にいらっしゃるデバターの女性像全部を総称して「東洋のモナリザ」と呼んでいるようだ。
 持参した双眼鏡を駆使し、じーっと見つめる。
 中央祠堂は立ち入りできず、像の刻まれた辺りまで5m以上は離れている。なるほど「特別に近くで見学できる」ということがツアーの売りになる訳である。

 赤味の強い石に彫られているし、「東洋のモナリザ」という名前にこちらの意識が引っ張られていることもあって、アンコール・ワットやバイヨン寺院にいたデバター達よりも優美に見えてくる。
 白鳥の上に乗っている彼女たちは女神さまだ。

ノムトムムーン 閉門時刻の17時ぎりぎりまでバンテアン・スレイを見学し、その後、ガイドさんいうところの「民芸品店」に向かった。
 到着したのは「カンボジア・ティータイム」だ。以前はオールドマーケットにも支店があったけれど、現在は撤退している。来られて嬉しい。
 ガイドさんが「コーヒーなら民芸品店で買えばいい。」と言っていた理由がここに来てようやく解けた。

 お店の外では、カンボジアの伝統的なお菓子で、このお店の看板商品でもある「ノムトムムーン」を焼いていた。
 板状の鉄で挟んで薄く焼き、その焼き上がった直後に鉄の棒に巻き付けて成型する。
 それは熱くないんですか? 熱いですよね? 慣れたらできるんですか? と聞きたいが聞くこともできない。

 余りの衝撃にじーっと見つめていたら、よっぽどひもじそうに見えたようで、お姉さんが苦笑いして焼きたてを1本くれた。
 焼きたてはしなっとしていて、ノムトムムーンっぽくない。
 温度が冷えて乾いてパリッとしたところを食べる方が美味しいと思う。

 ノムトムムーンの他、カンボジア産のコーヒー豆や天日で干した塩、カシューナッツバターなどを購入した。
 他にも、クロマーやシルク製品、竹カゴ、石鹸、ラタナキリの布製品などが売られていて、ここでお土産を山ほど購入されていた方も多かった。
 店内のお客さんのほとんどは日本人だった。確か、レジでは日本語も通じたと思う。
 ここから夕食のお店に向かう途中で、ガイドさんの会社で作っている生胡椒の注文受付があった。

タイスキ 本日の夕食はタイスキである。
 とは言うものの、タイスキを食べたことがなかったので、タイスキがどんな料理なのか未だによく分かっていない。
 ここで食べたタイスキは、練り物と野菜がたくさん入ったお鍋で、最後はお店の人がごはんを入れて雑炊を作ってくれた。
 デザートはバナナである。

 お嬢さんとご両親の3人でいらしていた家族に混ぜていただいた。こちらのお父さんがもの凄くマメな鍋奉行でいらして、全部お任せで私まで面倒を見ていただいてしまった。
 気が利かなくて申し訳ない。
 もちろん、アンコールビールとともにいただいた。

 この後、希望者はナイトマーケット散策のオプショナルツアーがあり、6人の参加者があった。
 少し迷ったものの、今日は朝も早かったし、お土産も十分だし、まぁいっか、ということで見送る。何人かの方から「行くのかと思ったわ〜。」と言われたのはご愛敬である。
 夕食後、6名の方はこのままオプショナルツアーに出発するためガイドさんと一緒に別のバスに乗り込み、残った我々は20時過ぎにホテルに戻った。

 明日は、ベンメリア、サンボープレイクックの見学後、プノンペンで夕食を食べ、そのままプノンペン空港から帰国という、バスに揺られている時間の長い1日である。
 スーツケース持参でチェックアウトしてから集合すること、バス車内用に羽織りものとホテルのスリッパを手荷物に入れておくこと、アンコールパス・パスポート・eチケットは忘れずに手元に持つこと、今夜のうちにWebチェックインをしておけばスムーズに手続きできること等々の案内があった。

アンコールクッキーでお茶 ホテルに戻り、ホテルのスパに行ってみようかかなり迷ったけど、ホテルに「スパ押し」の気配がなかったのと、ビールが結構回っていたので、お部屋でゆっくりすることにした。
 湯船にゆっくり浸かり、洗濯し、荷物を整理していたら、あれだけたくさんお鍋をいただいたのに小腹が空いてきた。謎だ。
 22時半過ぎにアンコールクッキーと持参の紅茶でおやつをいただいた。

 おやつをいただきつつオンラインチェックインを試みたら、前日なのにExit Seatが2席も空いていた。
 何か忌避される理由があるのか? と疑いつつ、来たときの楽さ加減には勝てず、席を変更する。
 明日は7時半集合だ。荷造りが下手なので、余裕を持って5時起床の予定である。
 日差しの中を出歩くと本当に体力を奪われる。23時にはベッドに入った。

 3日目の歩数 16608歩

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