「サンティアゴ巡礼の道」を読む
2021年2月、檀ふみ(女優)、池田宗弘(彫刻家)、五十嵐見鳥(西洋美術史家)の三人が、それぞれの視点からサンティアゴ巡礼の道を語った本である。
檀ふみは、テレビ番組の企画で「星の巡礼」を書いたパウロ・コエーリョ氏とともに、サンティアゴ・デ・コンポステーラから巡礼の道を逆に辿った際のあれこれをエッセイに綴っている。
他のお二人の職業からしても分かるとおり、この本の主眼は「歩く」ところにもないし「巡礼路」自体にもない。
サンティアゴ巡礼の道沿いにある、数々のロマネスク美術・建築の逸品たちを紹介するところにあると思う。
巡礼の道だから、そこに宗教色が色濃く出るのは当然のことながら、やはり感心の中心は「美術」「造形」というところにあるように読める。
写真も、道中の景色等々よりは、教会などの建築物に力を入れているように感じられる。
そうと最初から割り切って読むと、「サンティアゴ巡礼の道」のある一つの楽しみ方、視点の持ち方という意味で参考になり楽しめる本だと思う。
色々な人が色々な楽しみ方をする。それを受け止めて有り余る大きさが巡礼の道にはある。それでいいじゃないかと思う。
歩く参考になるかと言われると多分ならないのだけれど、歩いている途中、この本で取り上げられていた教会等々にふと立ち寄ってこの本の写真や記述を思い出せたら、それは豊かな時間になるのじゃないかと思った。
とりあえず、買ったまま読んでいない「星の巡礼」を読んでみようと思う。
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