湯谷温泉旅行記1日目その1
2022年9月30日(金曜日)
夏のお疲れ休みで、愛知県の湯谷温泉まで一人旅してきた。
朝、10時過ぎに東京駅に到着し、こだま車内でいただくランチを吟味する。グランスタを歩き回り、駅弁屋 祭をチェックする。
色々迷った末、地下1階にあるTOUBEI でフィッシュボールと和風サラダ、駅弁屋 祭でクリームチーズ生ハム包みと白ワインを購入した。
朝ごはんもしっかりいただいているし、漢方薬膳の夕食までにしっかりお腹を空かせておこうという魂胆で炭水化物を避けたら、何だか飲む気満々の組み合わせになった。
こだまの切符は自由席である。
空いている車両を選んで確実に座ろうと15号車の前で発車15分前くらいから並んでいたところ、入線した後も車内整備があり、乗車できたのは発車5分前くらいだった。
狙い通り、10時57分の東京駅発車時点で車両に3人くらいしか乗っていないガラガラさだったし、その後も、ほとんど人が増えることはなかった。
11時くらいから、30分くらいかけてランチをいただいた。
少なめに買ったつもりが、結構な量である。流石に白ワインは飲みきれなかったので、どこかで飲もうとバッグにしまい込む。
早起きした訳ではないけれど、お腹もいっぱいだし、アルコールも入ったし、お天気はいいし、眠い。
空は快晴で雲一つなく、「これなら富士山も見られるかも」と期待したけれど、ちょうど富士山の稜線に沿って雲がもくもくと湧いていて、裾野の辺りがちらった見えているだけだった。
この日、富士山の初冠雪が記録されていて、雪を被ったまで行かずともうっすら雪化粧した富士山を見られるかと期待していたので、残念である。
それにしても、どうして富士山が見られる機会があると思うと、ぜひ見たいと思ってしまうのだろう。
しかし、静岡県を西進するうちに、きれいな緑の茶畑や、青く光る浜名湖などを見ることができた。
やはり、青空は偉大である。
車窓を眺めたり、うとうとしたりしているうちに、13時2分、こだま719号は豊橋駅に到着した。乗り換えである。
飯田線への乗り換えまで40分ほど時間がある。
新幹線の駅構内には、お土産物屋というほどのお土産物屋はなく、待合室内のキオスクで扱っている感じである。
他に、駅弁を売るお店と、カフェコーナーがある。
早々に在来線の駅構内に行くと、こちらの方が色々なお店が揃っていた。友人にお土産を送ろうと色々と見て回ったものの、ちくわやブラックサンダーは何だか違う気がする。帰りにまた考えることにした。
ペットボトルのハーブティだけ買い込み、湯谷温泉駅は改札もなく、SUICAも使えないということなので、一旦改札を出て切符を購入する。
13時42分発の飯田線は、前向きの座席が多く、一部だけ横向きになっているという車両だった。2両編成だったと思う。
平日の昼下がりだし、乗車率40%というところだったと思う。
「秘境線」として有名な飯田線も、豊橋からしばらくは市街地を走り、段々と田んぼが増えてきて、遠くに山並みが見える。
やはりいいお天気である。気持ちいい。
ぼんやり窓の外を見ていると、たくさんの曼珠沙華が咲いていた。
田んぼのあぜ道はもちろん、線路沿いにも咲いているし、曼珠沙華との遭遇率が高い。
そうと気づいて写真を撮ろうと狙ったけれど、いざ狙うとなかなか思うように撮れないものである。
そうこうしているうちに、14時49分、湯谷温泉駅に到着した。
新幹線で2時間、乗り換えに40分あって、さらに1時間強の在来線に乗るとなると退屈するんじゃないかと思っていたら、全くそんなことはなかった。
ぼんやり電車に乗っているっていいものである。
湯谷温泉駅では、10人以上の人が降りた。恐らくは、ほとんど湯谷温泉に泊まろうという旅行客だと思う。
駅では、車掌さんが切符を回収する。駅舎はなく、ホームからそのまま階段を降りれば、そこはもう駅前広場である。広場というか、駐車場っぽい場所だ。
宿泊するはづ木というお宿は全5室なので混み合うことはないと思うけれども、電車で湯谷温泉に来ようとするとこの電車が一番時間的にちょうどいい。他のお客さんとチェックインが重なることもあるだろう。
チェックイン前に少し歩いてみることにした。
湯谷温泉には、日本で二番目に美味しい五平餅の田舎茶屋 まつやというお店がある。
線路沿いに少し戻ったところにお店があり、「おぉ! ここか!」と思ったら、金曜定休の看板が出ていた。湯谷温泉から徒歩15分ほどのところにあるらしい、エッセンシャルオイルの蒸留体験などができる奥三河蒸留所も土日月の営業で、この辺りは金曜日はあまりお客さんが来ない前提なのかしらと首を傾げる。
まつやの前で線路を渡り、坂道を少し下ると赤い欄干の吊り橋があった。
その吊り橋の上から見た板敷川の眺めが絶景である。
川底は一枚岩になっていて、「板敷川」の名前はそこから来ている。水が澄み、青く、小さな滝がある。
かなり暑い日だったけれど、吊り橋の上は風が通って涼しい。
しばし涼みながら川の眺めを堪能し、元来た道を戻って駅を通り過ぎ、15時過ぎに本日のお宿「はづ木」にチェックインした。
3人連れの先客がいらっしゃった。恐らく、同じ電車で来たのだろう。
お茶請けのサンザシと、緑豆と蓮のブレンド茶が供された。もうすでに「薬膳」の世界が始まっている。
ロビーの大きな窓からは、先ほど吊り橋から見た板敷川が見える。ここから見ると、川底が一枚岩になっているのがよく分かる。
実際は汗だくになるほど暑いのだけれど、見るからに涼しげである。
夕食は18時からと18時30分から、2時間くらいかかりますというお話で、18時30分からでお願いする。
朝食は、8時からと8時30分からのどちらかだったか、7時30分からも選べたのだったか、どうにも記憶が曖昧である。8時からでお願いした。
温泉は、内湯と露天風呂が一つずつあり、部屋単位で貸切制、1回40分くらいを目安に、階段を下がったところにお食事場所と温泉があり、温泉に入るときは階段上にある札を「貸切中」にしてください、という説明があった。
また、系列のお宿が近くに2軒あり、そちらの湯巡りも楽しめるそうだ。
夜22時までどちらのお宿も女湯は内湯という説明だったので、行くなら明日の朝かなと思う。
1階の「音」というお部屋である。
お布団は食事のときに用意します、というお話だった。
6月に泊まった箱根のお宿と彷彿とさせる、「趣ある」感じのお部屋だ。窓もサッシではなくネジ式の鍵だったし、床の間の隣の茶箪笥(ではない気がするけれども正式な名前が分からない)の扉には由緒ありげな絵が描かれている。
お手洗いは、板の間の向かって右奥にあり、その手間に洗面台がある。
逆側の突き当たりに冷蔵庫があって、ポットの横にあったお茶セットとは別に、中国茶が3種類用意され、専用のポットとカップも用意されている。
ロビーでお茶をいただいたばかりだけれど、お茶セットにあった番茶をいただく。
もっとも、茶筒に入ったお茶っ葉を見て「番茶」と思ったし、飲んだときも「少し渋みのある番茶だな」と思っただけだったけれど、後で説明の冊子を読んだところ、茶筒に入っているお茶は、緑茶と烏龍茶だと書いてあった。
折角のおもてなしも、私にかかっては台無しである。申し訳ない。
お茶を一杯いただいて、すぐ、温泉に行くことにした。
お部屋を出て温泉に向かっていたら、先ほど同じタイミングでチェックインされていた3人連れの女性お二人が、こちらは「どんなお風呂か見てみよう」という感じで追いついていらした。
私の温泉支度を見て「ちょっと見せていただいてもいいかしら?」とおっしゃるので、どうぞとご一緒した。
男性お一人女性お二人の3人連れで、「お部屋は一緒でいいけどお風呂が一緒はちょっと」という感じらしい。内湯と露天風呂がそれぞれ一つ(中で男女に分かれている訳ではない)ことを確認し、「二つとも借りるしかないわね」とおっしゃっている。なるほど、「部屋単位での貸切制」というのもなかなか難しいらしい。
15時半くらいに、まずは露天風呂に入った。
手前に室内の洗い場があり、カランが三つ並んでいる。その奥の扉から出ると、右手にカランがもう一つあり、浴槽がある。
知っている人同士なら大人3人、知らない同士だったら二人まで、というくらいの大きさの湯船だ。
もちろん川に向けて開けていて、板敷川の眺めも良い。
お湯は渋い緑色に濁っている。
脱衣場に貼ってあった成分表によると、カルシウム・ナトリウム-塩化物泉である。見た目の色の割りにさらっとした肌触りのお湯だ。
風も気持ち良くて、ぼんやりお湯に浸かっていた。
「長湯するぞ!」と決心していない場合、大体、20分くらいで「そろそろ上がろうか」という気分になる。
脱衣場には、花梨のクレンジングオイル、花梨の化粧水、へちま水が置かれていた。へちま水はお手製のようで、ボトルに手書きのラベルが貼ってある。
浴用タオルがたくさん用意されているのも嬉しい。
脱衣場を出たところに流しがあって、そこには、冷えた柚子みつと冷たい五穀茶が用意されている。
柚子みつは甘く、五穀茶はさっぱり香ばしい。お風呂上がりにいただくなら、五穀茶の方がごくごく飲めて好みである。
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