湯谷温泉旅行記2日目
2022年10月1日(土曜日)
前日、21時過ぎに眠ってしまったためか、1時だったか2時だったか、真夜中と言いたくなるような時間に目が覚めた。
そういえばこちらのお宿は24時間温泉に入れた筈と思い、起き出してお風呂に行くことにした。
当然のことながら、内風呂も露天風呂も空いている。
昨日に温泉に入ったときには気づかなかった温泉の成分表が目に入った。
ナトリウム-カルシウム-塩化物泉と書いてある。源泉は34.8度で、加温して42度にしてあるそうだ。塩素系薬剤は使っているけれど、加水、循環は両方なし。多分、源泉掛け流しと言っていい温泉だと思う。
真っ暗で何も見えない。凄い暗さだ。
川の流れる音が聞こえてきて、他に虫の声が聞こえていたかどうか。
熱めのお湯だし、強いお湯だ。ここで長湯をしたらもっと眠れなくなってしまうと思い、15分くらいで上がったものの、暑いくらいに温まった。
2時過ぎに温泉に入っていたにも関わらず、その前に21時から4〜5時間寝ていたおかげか、朝、6時過ぎに自然に目が覚めた。
健康的なのかどうか分からない。
朝食前の温泉は混むだろうなとお布団でごろごろしているときに、ハタと「そういえば廊下を歩く音を聞いていない!」と気づいて行ってみると、内湯が空いていた。
一人で貸切だし、窓を開け放って露天風呂のようにして入る。
風が気持ちいい。明るいけれど、まだ朝日は射していない。峡谷の底に近いところに宿が建っているからだと思う。
とんびと思われる鳥の声が聞こえてきて、もちろん川の流れの音も聞こえていて、爽やかな朝である。
朝風呂を気持ち良く満喫した。
30分ほどで上がり、お部屋に戻る。
ペットボトルに入れて持ち歩こうと思いつき、お部屋にあったプーアール茶を入れて、そのまま冷ましておく。
そんなことをしていたら、8時少し前に朝食の準備ができましたと内線が入った。
昨日、夕食をいただいた同じお部屋に朝食がセッティングされていた。
朝ごはんは和風かつ薬膳がこちらもちりばめられている。
赤米(黒米?)のおかゆに、海苔のスープ、おかゆとは別に鶏入りのちまきがあり、お魚はサワラが焼かれている。蒸したお野菜があり、奥の桶には豆乳が入っていてその場でにがりを加えてお豆腐を作ってくださった。そのお豆腐には紅花が散らされている。
旅館の朝ごはんは美味しいし、おかずもたくさんだし、そのたくさんのおかずがどれもごはんが進むお味で、いつもついつい食べ過ぎる。
しかし、今回はごはんがおかゆだったからか、薬膳の効果なのか、お腹がいっぱいになりつつ「お腹が苦しい」というほどではなかった。素晴らしい。
食後のデザートは場所を変えてロビーでいただいた。
仙草ゼリーである。
飲み物は、コーヒー、タンポポコーヒー、ジャスミンティから選ぶことができ、身体にいいもので初志貫徹することができず、ついコーヒーをお願いしてしまった。
窓からの川の眺めもごちそうである。美味しくいただいた。
デザートをいただいているときに、宿の方から「帰りはどうされますか」とお尋ねがあった。
お隣でデザートを食べていらした母娘の二人連れは「10時過ぎの電車で」とおっしゃっている。
11時のチェックアウト前にもう1回お風呂に行きたいと思っていた私は、11時台の特急でとお答えしたところ、チェックアウト後にロビーで電車を待ってもらってもいいし、散策に行かれるのであればお荷物を預かりますと言っていただいた。
ついでに、川向こうに見える遊歩道を歩けますかとお聞きしたところ、前は通ることができたけれども、雨等で道が崩れてしまい、今は通ることはできませんということだった。
なるほど、歩いている人を見かけない訳である。
コーヒーまでゆっくり、1時間弱かけて朝食をいただいた。
お部屋に戻り、もの凄く素早いヤモリが部屋の壁を横切るところを目撃したりしつつ食休みをし、今回の1泊2日で5回目の温泉に向かった。
1泊2日で5回も温泉に入るのは多分初めてである。
チェックアウトされている方もいらっしゃるロビーを通り、内湯と露天と両方が空いていたので、ここはやはり露天風呂を楽しむことにする。
流石に日も射してきて、お湯がきらきら光っていて、まだ暑いほどは気温も上がっていなくて気持ちいい。
10時前には上がったけれど、温泉で温まりすぎて大汗である。
お部屋で涼みつつ、プーアール茶をペットボトルに入れ替えて冷蔵庫で冷やしたり、お布団でごろごろしたり、荷造りをしたりして、11時少し前にはづ木をチェックアウトした。
玄関横にちょっとしたお土産(というよりは薬膳)のコーナーがあって、温泉の素があったのでチェックアウトの際に合わせて購入する。
大した荷物でもないのでそのまま持って温泉街をうろうろすることにした。
とは言うものの、湯谷温泉は本当に小さな温泉地で、特に見るものがある訳ではない。
朝食が適量だったとはいえ、流石にまだ五平餅をいただけるようなお腹の空き具合でもない。
そのままお店の前を通り過ぎ、吊り橋に向かった。
今日もいいお天気である。
そして、今日も川の色が美しく、水も透き通っていて川底の岩の様子がよく見える。
滝のようになっているところでは水しぶきが白く上がっていて涼しげである。
しかし、暑い。10月とは思えない日差しと暑さである。
往生際悪く、吊り橋を渡って、遊歩道入口らしきところにあった階段を降りる。
とりあえず川岸に幅1mもないくらいの道があるけれど、濡れてぬかるんでいるところもある。
少し進むと木々の間から先ほど渡った吊り橋が見えた。けれどもこの辺りまで進んだところで、道はどちらに続いているのか分からないくらいになってしまった。多分、5mも進んでいないけれど、撤退だ。
橋まで戻ったら、岩伝いに河原まで降りて行けそうだった。
そんなことをする人はほとんどいないだろうけれど、あの水にちょっと触ってみたい。
流石に1泊2日の荷物が入ったバッグを持ったままではバランスを崩しそうだったので、バッグは橋の陰に置き、カメラだけ持って降りてみる。
それにしても暑い。そういえば、天気予報は今日の愛知県の最高気温は30度だと言っていた。
河原で見た川の水はやはりきれいで、川底の一枚岩がよく分かる。
吊り橋を見上げるのも何となく面白い。
しばらく水面近くからの眺めを楽しんだ後、吊り橋のたもとにある日陰になったベンチに座って涼む。誰かと話す訳でもないのでマスクを外し、朝作ったプーアール茶で水分補給する。
電車の時間に合わせて駅に戻った。
湯谷温泉駅は、改札もないし、券売機もないし、suicaなどのICカードも使えない。
駅のホームは出入り自由である。
ホームを降りたところにお手洗いがあって、きれいに整えられているのが有り難い。
11時49分湯谷温泉駅発の特急伊那路に乗った。車内はガラガラである。
車内で車掌さんに声をかけてもらって、豊川までの切符代と特急料金を支払った。
冷房が有り難い。10月なのに。
ぼんやり車窓からの眺めを楽しむ。来るときとは反対側の座席に座り、うん、どちら側に座ってもそう長めに変わりはないなと思う。
敢えて言うと、豊橋から湯谷温泉に向かう場合、左側の座席の座るとあちこちで曼珠沙華の花を見ることができる。
右側に座ると、湯谷温泉に到着する少し前に、木々の間から川を見ることができるけれど、本当にちょっとだけだ。
12時19分、豊川駅に到着した。
駅から徒歩数分で豊川稲荷に到着する。方向音痴の私でも間違いようのない、分かりやすい道である。そして近い。
日本三大稲荷とは知っていたけれど、想像していたよりもずっと広い。
考えてみれば京都の伏見稲荷だって山だし相当に広いけれど、街中で平らで道路沿いに塀の先が見えないくらい広い敷地というのが意外だった。
まずはお参りする。
上り坂の向こうに本殿がある。
豊川稲荷ではお手水を使えるようになっていたと思う。手を清め、お線香をあげる。
近づくと声明(だと思う)が聞こえてきた。どなたかが特別にご祈祷をお願いしていたのかも知れない。
お参りに来た人たちが少し遠巻きにするように耳を傾けているのがいい感じだった。
本殿の横を回って千本幟が立てられている参道を歩く。
これだけ緑が濃くても暑いとは、一体、今日はどんな暑さなのだろうと思う。しつこいようだけれど、もう10月である。なのに、最高気温30度の予報である。いいお天気だ。
境内には、お参りに来ている人ももちろん多いとは思うけれど、私のようにいかにも観光客っぽい人も結構歩いている。観光地でもあるらしい。
この幟たちは、参拝した信者の方々が奉納したものであるらしい。
千本幟の奉納を受け付ける窓口を見かけたように思う。多分、私でも奉納出来た筈だ。
千本幟の立てられた道を辿って、霊狐塚に到着した。
千体とも言われる狐たちが所狭しと並べられている。
これらの狐たちは、祈願成就の御礼として信者の方々が奉納し、お祀りされているのだそうだ。
そういういわれはともかくとして、何だか凄いインパクトである。今は明るいし日が射しているからいいけれど、雨の日や夕方の日が沈む頃に来たらもの凄く印象が変わるのではないかと思った。
最後に御朱印をいただいて豊川稲荷を後にした。
豊川稲荷では、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策の一つとして、御朱印は御朱印帳に書いていただくのではなく、別の紙に書いたものをいただくようになっていた。
恐らくはそのためだと思うのだけれど、通常の御朱印に加えて、切り絵になった御朱印も用意されていたので、「御朱印帳に後で貼るのなら」と思い、全面の大きさの、5色あるうち山吹色の切り絵の御朱印をいただいた。
お昼ごはんは豊川稲荷の門前町でお稲荷さんをいただこうと思っていたけれど、門のすぐ前にあったお店では元気が良すぎるくらいの呼び込みをしていてつい避けてしまい、改装中だったり、店内が全く見えないと不安だなぁと思ったりしているうちに駅に着いてしまった。
もの凄くお腹が空いているという訳でもないし、電車の時間もちょうどいい。それなら豊橋まで出てしまうことにした。
豊橋まで出たらお店を探すのも面倒くさくなってしまい、在来線の改札内にある壺屋で三色稲荷のお弁当を買い、新幹線で食べることにした。三色は、普通のおいなりさん、わさびの葉っぱの乗ったおいなりさん、ちりめん山椒の乗ったおいなりさんである。
また、そういえばここまで全く何も購入していなかったのでお土産を少しは買おうと、豊橋穂の菓のおつつみフィナンシェと、寡聞に為て知らなかったのだけれど双方とも豊橋が発祥であるQUONとブラックサンダーとがコラボした「ブラックサンダー × QUONテリーヌ」を購入した。
14時51分発のひかりより確実に空いているだろう14時41分発のこだまに乗る。
かつ、何かで「こだまの自由席は前方(1号車より)よりも後方(15号車より)の方が空いている」という話を読んだような気がしたので、後方の車両に乗ったところ、伊那路と同じくらいガラガラだった。今回も席は選び放題である。
流石にお腹が空いていたので、新幹線が動き出すと同時においなりさんを食べ始めた。
今回の旅行は特に目指していた訳ではないのに「飲んだくれの旅」になったので、最後を締めるべく新幹線の改札内でビールを買ってあった。
おいなりさんの油揚げはかなり濃いめの味付けに炊かれていて、「ごはんとビール」という組み合わせが意外なくらい合っていた。
17時前に東京駅に到着し、無事、帰宅した。
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