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2023.02.26

山中温泉旅行記2日目

2023年1月7日(土曜日)

 貸切風呂を朝7時で予約していたので、6時半に起床した。
 昨夜あれだけ食べてあとは寝ただけなのにうっすらお腹が空いているのが謎である。お部屋に用意されていた栗ようかんをまだ食べていなかったので、緑茶を入れていただいた。血糖値も上がったところで、温泉である。

貸切温泉 吉祥やまなか には貸切風呂が三つあり、宿泊すると1回50分を無料で使うことができる。
 我々が選んだのは「一笑」と名付けられた、檜の露天風呂である。洗い場も一つちゃんと付いていて、タオル類やアメニティも用意されていて有り難い。
 眺望はなくともやはり露天は気持ちいいし、寒い時期は長湯をし放題である。ゆっくり温まった。

 大浴場は23時に男女が入れ替わり、今朝はもう一つの大浴場に入ることができる。
 時間と気持ちと体力が叶えば貸切風呂の前後にちょっとだけでも行こうかと思っていただけれど、こちらの貸切のお湯がかなり温まったし、脱衣場等も快適だったので満足してしまった。
 昨日の大浴場とはかなり趣が違うようだったので、ちょっと残念である。

 8時半に予約していたけれど、温泉に入ったら栗ようかんもどこかに行ってしまいお腹が空いたので、少し早めに朝食をいただきに行った。
 昨日パンケーキをいただいたレストランの「TEPPAN ブレックファスト」と名付けられた洋朝食を予約している。
 今回、ちょっといいお部屋を予約したのは、こちらの朝食を食べてみたかったからというのが一番大きな理由だ。

ジュースとサラダパンとスープ ジュースは、野菜ジュース、トマトジュース、オレンジジュース、牛乳から選ぶことができ、母は牛乳、私は野菜ジュースを選んだ。
 金時草ドレッシングがかかった野菜サラダは量も十分だし、瑞々しくて美味しい。
 ミルクパンと一緒に供された生姜ともずくのスープで身体も温まった。

フレンチトースト-2オムレツ 鉄板焼きたる所以はこの後である。
 まずはオムレツだ。
 「チーズオムレツ」だったので中にチーズを巻き込むのかと思っていたら、ピカピカに磨き上げられた鉄板でオムレツが焼かれ、その上からたっぷりとチーズが削られた。
 朝から贅沢である。

 さらに、鉄板で焼かれたフレンチトーストも供される。
 粉糖をたっぷりまとわされたフレンチトーストに別添えで出されたはちみつとクリームを載せていただく。
 ほとんどプリンのようなフレンチトーストで、用意してくださったシェフの方に(昨日、パンケーキを焼いてくださった方とは別の方だった)「こんなに美味しく役には何か特別な工夫があるんですよね?」とお聞きしたところ、「卵液に牛乳を加える」「一晩くらいじっくり漬ける」「焼くときは蓋をする」と教えてくださった。
 うーん、やっているんだけどなぁ。
 ついうっかり口に出してしまったら、コーヒーを持ってきてくださった方に笑われてしまった。

 ゆっくりいただいていたら我々が最後になったらしく、フルーツをいただいていると、シェフの方はすぐさま鉄板の手入れに入っていた。
 「やっぱりすぐお掃除しないとこんなにピカピカには保てないですよね」「ずっとピカピカだったらこの鉄板が欲しい」と勝手なことを言っていたら、「私だって仕事じゃなかったらやらないですよ」と苦笑されていた。
 納得である。
 今日はこの後、金沢21世紀美術館に行くと言ったら、周辺の見どころや歩き方を教えてくださった。ひがし茶屋街が有名だけど、主計茶屋街がお勧めというお話だった。

ホテル入口 先にチェックアウトの手続きをすませ、9時過ぎにお部屋に戻った。
 お部屋にあった加賀棒茶を作って水筒に入れる。
 「もう入らないよ。でもちょっと気になる。」とお部屋に用意されたコーヒー豆の缶を開けたらあまりにも香りが良かったので、1回分の豆をいただく。アンケートを書き、荷造りをして、9時55分発の駅までの送迎バスに乗るべく、5分前にロビーに降りた。

 通常はかがり吉祥亭にも立ち寄る宿の送迎バスが、この日は利用者が多かったためか加賀温泉駅に直行してくれた。
 おかげで、10時34分発の特急サンダーバードに乗るつもりだったけれど、1本前の22分発特急しらさぎに乗ることができた。
 昨日、指定席ではなく自由席特急券を購入したのは正しかった! と思う。
 自由席は結構混雑していたけれど、通路を挟んで近い席に母と座ることができた。仮に立ったままだとしても金沢駅まで20分くらいだし、途中の小松駅(空港最寄り駅)で降りる人もいたので、何とかなるのではないかと思う。

 理由は忘れたけれど特急が少し遅れ、10時50分に金沢駅に到着した。
 3連休の初日のためかコインロッカーが結構埋まっていて少し探したけれど無事に預けることができ、11時10分のバスで金沢21世紀美術館に向かった。

金沢21世紀美術館金沢21世紀美術館

 特別展の予約は12:00-12:30で取っていてまだ時間に余裕があったので、先に「交流ゾーン」と呼ばれている建物外のエリアから見学を始めた。
 芝生が植えてあり、作品が点在している。
 入場券がなくても入れるため、地元の方とおぼしき家族連れも結構いて、子供達が元気に走り回っている。
 正直なところよく分からない訳だけれども、結構、楽しい。

レアンドロのプールレアンドロのプール 建物の中に入り、レアンドロのプールを見学する。
 レアンドロのプールは、特別展や常設展などのチケットを持っていれば見学することができる。
 今は、新型コロナウイルス感染症対策のため、水の中というか地下に入るには時間制限と人数制限があって事前予約が必要である。流石にそちらの予約は取れなかった。
 当日券もあるようだけれど、お昼前に到着するのではとても確保はできなさそうである。

 係員の方がおっしゃるには、事前予約をしても1回(なのか一組なのか)5分という時間制限があり、みなさんその5分で「映える」写真を撮るため、あまり上を見てくれる人はいないらしい。
 このときは、何組かの方と目が合って、手を振ることができた。
 それだけのことが異様に楽しい。

 レアンドロのプールの水は、概ね推進15cmくらいだと思う。
 ガラスなのか強化プラスチックなのか透明な床というか板があって、下から見ればそれが天井、上から見ればそれが底である。
 多分、その透明な板が青く着色されているのだと思う。
 その上に実際に水が張られていることで、水の揺らぎを実装している。
 思いついた人(多分、レアンドロさん)偉いよなぁ、何だかバワのインフィニティ・プールみたいだなと思った。

「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」 そうこうしているうちに予約時間となり、特別展時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるものに入場した。
 一部を除いて写真撮影が許されており、何枚か写真を撮った。
 うーん。
 母と二人、けっこう丁寧に見たつもりだけれど、見終わったときの感想は二人とも同じで「何だかよく分からなかったね」「疲れたね」というものだった。
 本当に申し訳ない。

「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」 美術館のチケット売り場は結構な行列になっていて、この美術展を見たいという人が当日券を求めて行列になっているのは、それだけ「現代アート」が身近で気軽なものになっているということだろう。
 金沢市民って凄いし、金沢21世紀美術館って凄いよと思った。
 変な言い方かも知れないけれど、現代アートに親しむにはそれなりの「素養」と「慣れ」が必要な気がする。
 母と私は、このどちらもが欠けていて、ついつい緊張して見てしまい、それで疲れたのだと思う。

 金沢21世紀美術館のミュージアムショップは意外とこじんまりしていて、美術館の外観写真の絵はがきはあっても、開催中の特別展の作品絵はがきなどはなかったように思う。
 金沢金魚と名付けられた香皿とお香のセットを購入した。

 朝食をいただいたときは「これならお昼ごはんも食べられるかも!」と思ったけれど、もう13時を過ぎているのにお腹が空いていない。
 どうしようかととりあえず香林坊方面に歩き出す。
 途中、金沢能楽美術館に併設された金沢・クラフト広坂に立ち寄って、水引や手まりなどの伝統工芸を活かしたアクセサリなどなどを見たりした。
 旅先で気になるものがあったとき、スパッと買うのが母で、迷った挙げ句に買わないのが私である。

抹茶クリームぜんざい お腹にお昼ごはんが入る余地はないけれどお茶くらいは行けそうだよねと、道筋にある甘味処 漆の実に立ち寄った。
 漆器の「能作」のビルの4階にある和風喫茶である。能作の漆器でお茶をいただくことができる。
 私は抹茶クリームぜんざいを、母は和菓子とお抹茶のセットをいただいた。
 お抹茶のセットに付いてくる和菓子は、ひがし茶屋街で予約販売のみ行っている「吉はし菓子店」の上生菓子だという。母が絶賛していた。
 もちろん、抹茶クリームぜんざいも美味しい。

 お店の方にお聞きしたところ、母が見たがっていた「雪景色の兼六園」が出現するのは1月末から2月にかけてのことらしい。
 年々、降雪が少なくなっていて、年内(12月まで)に雪が降ることはあっても、概ね溶けてしまい、あっという間に「雪景色」は消えてしまうそうだ。
 「それなら雪吊りは必要ないのでは・・・。」と思わず言ったら、「でも観光名所ですからね〜」と笑っていらした。おっしゃるとおりである。

 ゆっくり休憩させていただき、1階の店舗で漆塗りのスプーンを購入してお店の外に出たらいきなり寒くなっていた。まだ14時過ぎで夕方という時間ではないのに驚きである。
 冷たい風が吹き、香林坊のバス停に到着した頃には雨も降り出した。いきなりの天候変化である。
 「弁当忘れても傘忘れるな」の面目躍如(?)だ。

 近江町市場にも立ち寄ろうかと思っていたけれど、雨が降ってきたとなれば話は別である。
 真っ直ぐ金沢駅に戻り、丸八製茶場の加賀棒茶や、野村右園堂の九谷焼のごはん茶碗や、父に福光屋の「加賀鳶百万石乃白」という日本酒や、その他にもお土産を色々と購入し、「何だかちょっと疲れたね。」とぶどうの森というカフェで自家製(だったと思う)のレモンスカッシュを飲んで一休みする。
 最後に、新幹線車内でいただく夕食を購入して新幹線ホームに上がった。
 帰りは、金沢駅16時48分発のかがやき512号に乗る。

牛しぐれの笹寿司炙り鰤の笹寿司 散々迷い、夕食に芝寿しの「金沢笹寿しプレミアム」を購入している。
 「何で?」と聞くと、大概「食べやすいから」という返事があるのだけれど、母は旅先の車内で食べるごはんとしてかなりの高確率で笹寿司を選ぶ。確かに食べやすいけれど、要するに大好きなのだと思う。
 この「金沢笹寿しプレミアム」は、国産真鯛、炙り鰤、国産穴子、能登牛しぐれ、天然紅鮭の5種類が入り、その名に恥じないプレミアムっぷりで美味しかった。

 2日間の美味しいもの食べまくりの温泉旅行から、無事、帰宅した。
 帰宅してすぐ、もちろん加賀棒茶をいただいた。

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