富士吉田旅行記1日目
2023年5月13日(土曜日)
高校時代の友人に声をかけてもらって、春の山菜をテーマにした1泊2日の旅行に参加させてもらうことになった。
本日13時に宿泊する「青年の家」に現地集合である。ちなみに明日は14時に現地解散だ。
友人は、朝6時台に総武線沿線のいくつかの駅を回って富士吉田市に9時過ぎに到着する高速バスで行くと言っていた。
私は、富士急行バスが運行する、新宿発の高速バスで行く計画を立てた。11時過ぎに富士急ハイランドに到着し、そこから30分弱で歩ける筈だ。
初めて行ったバスタ新宿は結構な混雑で驚いた。
東京駅発のバスもあり、我が家からの時間距離でいうと東京駅の方が近いけれど、高速バス乗り場が分かりにくそうだった。それならば駅直結で各社の高速バス乗り場が集約されている新宿から乗った方が迷わずに済みそうだという判断は正しかったようだ。
お手洗いを借り、自動販売機でお茶を買って、高速バスに乗り込んだ。満席である。
バスに乗っている途中で雨が降り始めた。雨女の面目躍如というところだ。
渋滞で少し遅れ、11時半頃に富士急ハイランドに到着した。富士急ハイランドで遊ぶ人はもっと早い便に乗るらしく、降車したのは私を含めて4〜5人だった。このバスは河口湖経由着で富士山五合目まで行く。そちらを目指す人が大半だった。
富士急ハイランドのバス停には、待合所があり、お土産売り場とカフェコーナー、椅子とお手洗いがあった。雨の日にはさらに有り難い。
まずは腹ごしらえをしようと、高速バスのバス停から徒歩10分弱のところにあるジョリーパスタに入った。
入園無料の富士急ハイランド内のカフェで食べるとか、富士吉田市も名物らしい「吉田のうどん」を食べるとか、色々と案はあったものの、雨の中道に迷ったり混んでいてお店の外で入店を待つことになったりするのは避けたい。
冒険心は封印である。
ピッツァ・クワトロフォルマッジをサラダセットでお願いした。
ずっとクアトロフォルマッジを食べたいと思っていて、まさか富士吉田市で実現させることになるとは思わなかった。
サラダと紅茶をいただきながら待っていたピザが出てきたときには、そのサイズに驚いた。大きい。
店員さん(外国の方だった)に「小さいサイズもあるんですが」と笑われてしまった。
とはいえ、もちろん完食である。美味しい。
ジョリーパスタから雨の中を歩いて15分くらいで青年の家に到着した。
ちょうど到着したタイミングで友人も散歩から戻ったらしく、玄関でばったり会うことができた。10年ぶり(?)くらいの再会である。
受付はメンバー全員が集まってからということになっていたようで、お待たせしてしまって申し訳ない。
まずは受付してもらって参加料金をお支払いする。「山菜採りの非常食」とおっしゃって飴をいただいたのが何だか嬉しい。
教えてもらったお部屋に行ってみると、かなり広かった。20畳くらいあったのではなかろうか。そこに二人である。贅沢だ。
押し入れには寝具が入っていて、数えてみたら11人分あった。ここは11人部屋らしい。しかし、何故奇数なのかが若干謎だ。
13時からの予定を少し遅らせて、全員が揃って13時20分から入所式と館内放送が入った。荷ほどきしつつ「ここまでどうやって来たか」とか「到着してから何をしていたか」といった話をしていたら、時間が経つのはあっという間だ。
入所式では所長さんの挨拶やスタッフの方の紹介、2日間の予定、シーツと枕カバーの使用方法の解説などなどがあった。
春の山菜のつどいは、青年の家主催のイベントの中でも人気のコンテンツで、今回も抽選になったそうだ。お子さんの部活や体調不良で参加を見合わせたご家族が二組あり、参加者は30人くらいだったろうか。
最後の自己紹介を聞いていたところでは、いわゆる常連の方が多い。それも何年も何十年も通っている方もいらっしゃる。「**さんが寄付してくださった**の木が見上げるほど大きくなりました」なんていうお話があったくらいだ。
私と友人のように「今回が初参加です」というグループは他に一組もなかったのではないだろうか。
休憩時間を挟み、14時20分くらいから30分弱、所長さんによる山菜講座が開催された。
この日の夕食には山菜の天ぷらが供されることになっていて、明日は山菜採りに行くことになっている。
今日食べられる山菜、明日見つけられる(筈の)山菜の紹介と説明だった。
ワラビにはプタキロシドという発がん性物質が含まれている。そのため、重曹を入れた水に一晩浸けるなどして灰汁を抜く必要があるという。
コゴミは灰汁を抜く必要はない。塩ゆでし、マヨネーズ和えや胡麻和えにすると美味しいそうだ。
「山菜の女王」と呼ばれるコシアブラは、残念ながら今回はいただくことができないという。今年は春が早くて、すでに時期が過ぎてしまったそうだ。天ぷらにすると美味しいそうなので、残念である。
一方で「山菜の王」と呼ばれるタラノキは夕食でいただくことができるらしい。楽しみである。
どこにでもあると強調されたイタドリは、道ばたにもあるというけれど、本当だろうか。
ウドは、敷地内に移植して大事に育てられている。濃い緑色をしていて、土中にある部分は白い。比較的、私にもなじみのある山菜である。
なじみがあるといえばサンショウもそうで、新芽はもちろん、秋に実を摘んできてミカンの皮と合わせて佃煮にすると美味しいらしい。
ウルイという通称の方が通りのよいオオバギボウシは、「バイケイソウ」と良く似ており、ウルイだと思ってバイケイソウを食べてしまう食中毒事件が今も起きている。
明日の山菜採りでは、ワラビ、イタドリ、ウルイを収穫することができるそうだ。
今日の夕食でいただく山菜は、青年の家のスタッフのみなさんが、明日も行く山菜採りの場所(所長さんは「畑」と称していた)で収穫してくださったものらしい。
そして食中毒事件が起きないよう、山菜採りの後は「選別」をしてくださるそうだ。安心である。
雨も小降りになったところで、有志を集めて、敷地内も少し案内してくださった。
敷地内にあるというウド屋タラノメの木を見せていただき、常連の方が贈ったというハンカチツリーの木を見上げる。
キャンプ場もあり、夏にはテントに泊まるイベントも開催されているという。
この後、ピラティスを行った体育館もあり、相当敷地が広いようだ。
ピラティスは15時半から45分くらいのプログラムだった。
青年の家のスタッフのお兄さんが行く美容院(と言っていたような・・・)美容師さんから、今回の講師のお姉さんを紹介してもらった、らしい。
そのインストラクターのお姉さんによると、ピラティスはドイツ人看護師のジョセフ・H・ピラティスさんが、第一次大戦で負傷した兵士のリハビリのために開発したエクササイズで、体の深層部にあるインナーマッスルを強化して体全体のバランスを整えることを目指しているそうだ。
体育館で、借りた大きなマットを敷き、ピラティスに取り組む。
どうやら、呼吸と動きを連動させることがポイントらしい。
時々「この姿勢は五十肩が痛い」とか「そもそも長座ができない私にこのポーズを維持するなんてできる訳がない」とか、自分に言い訳しつつ手を抜きつつ、何とかこなしていく。
実際のところ、こなせていたかどうかは分からないけれども、プログラムが終了したときには「これは明日は筋肉痛だわ」と思ったくらいの運動量ではあった。
その後、友人と「一番だ!」と言い合いつつお風呂をいただき、部屋に戻ってのんびりおしゃべりしていたら、あっという間に夕食の時間になった。
夕食は18時からである。
のんびりしすぎてしまって始まりの時間に遅れ、諸々の説明を聞き逃してしまったけれど、グループごとにテーブルがセッティングされ、天ぷら鍋と山菜が盛られたざると衣が入ったボールが並んでいる。
ごはんやお味噌汁、ほうとう、山菜のお料理はバイキング形式で各自が取ってくるようになっている。サンショウの佃煮、コゴミのマヨネーズ和え、ウドの胡麻和え、ワラビのポン酢和え、フキの煮物、オオバギボウシの酢味噌和えと並んだ山菜バイキングが圧巻である。
一升瓶サイズのワインも用意され、さらに常連の方が全員分焼いてきてくださったというシフォンケーキまで配られている。
しかし、何と言っても、この夕食のメインディッシュは山菜の天ぷらである。
採れたての山菜を、その場で天ぷらに揚げ、揚げたてをいただく。
贅沢なことこの上ない。
そして、間違いなく美味しい。
山菜がそれほど得意ではなかった筈が、美味しい美味しいとばくばく食べてあっという間に完食した。
お隣のテーブルになったおじさま方からお酒も注いでいただいて、私たちが高校時代の同級生だと自己紹介したためか、どこの高校に通っていたなんていう話になったのも可笑しかった。
何年前の話だろう。
常連のみなさんは「2次会」の準備も万端である。
お水をいただきに行ってお招きいただき、心配して様子を見に来てくれた友人も一緒にお邪魔させていただいた。
道の駅で購入されたという地ビールぼ大ボトルがあり、「作って持ってきた」とおっしゃるらっきょうやお漬物が並び、夕食にいただいた山菜などもテーブルに並んでいたし、乾き物も持ち寄っていらっしゃるようだ。
いただくばかりで申し訳ない。
恐らく消灯時間なのだろう23時頃にお開きとなった。
みなさま、流石の節度である。そして、調理場に入り、洗う人、すすぐ人、拭く人、テーブルを片付ける人、使った食器類を戻す人などなどのチームワークがもの凄い。手慣れていらっしゃる。
そしてこの場を楽しみつつこの場を残して行こう、続けて行こうという意思を感じる。
そういえば盛りだくさん過ぎて彼女とあんまりしゃべっていない! と思いつつ、そのまま就寝した。
-> 富士吉田旅行記2日目
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