« 伊東温泉旅行記1日目その1 | トップページ | 伊東温泉旅行記1日目その2 »

2024.03.16

オマーン旅行記3日目その1

2023年12月30日(土曜日)

 6時30分モーニングコールと言われ、何かと準備に時間がかかるので5時30分に目覚まし時計をセットした。
 意外と眠れて5時過ぎに目が覚め、そのままえいやっと起き出した。
 メールをチェックし、荷造りをしているうちに電話が鳴り、受話器を取ると無言で切れた。いたずら電話のようなモーニングコールである。

朝食 7時にレストランに行くと「ただいま準備中」という感じだった。
 コールドミールが出揃い、ホットミールは追々補充します、というところだ。
 この後すぐバス移動だし、控えめにしておく。
 朝食のコーヒーにスパイスは入っておらず、ちょっとほっとする。

ホテルの窓からの景色 「時間短縮のため、バゲージダウンはなし。各自でキャリーケースを転がして8時にロビー集合」という案内はむしろ有り難い。
 お陰で、ホテルの窓から見えた景色を写真に撮る余裕もある。
 雲一つないいいお天気でだ。流石「砂漠の国」だ。
 「鉄筋なんて入っていないんだろうなぁ」という数階建てのビルはいいとして、その奥に見える岩山が、何とも「砂漠の国」らしくなくて面白い。

 8時にホテルを出発した。
 出発で30分もかからずに、スルタン・ カブース・グランドモスクに到着した。
 このモスクは2001年に完成したオマーン最大のモスクである。
 建造に当たって、当時の国王は、祈りの場としての役割はもちろんのこと、イスラム文化の啓蒙という役割も果たさんという目的も持っていたそうだ。
 俗っぽく言うと、「観光の目玉に!」という意欲満々だったということだろう。
 実際、スルタン・カブース・グランドモスクは、オマーン国内で唯一、イスラム教徒ではない観光客の入場が許されている。
 午前中8時から11時までは観光客の時間、午後はイスラム教徒の時間だ。
 
 オマーン国内ではほぼ飲酒できる場所がないという話を聞いたときから、かなりイスラムの戒律が厳しい国なんだろうと思っていた。
 スルタン・カブース・グランドモスクの見学に当たっても、観光客の見学が許されているとはいえ、服装には厳しいチェックが入る。
 肌を見せることは厳禁だし、女性は髪をスカーフ等で覆う必要がある。
 ツアーメンバーにお一人、レギンスと靴下の間が3cmばかり空いている方がいらっしゃって、入場の際スタッフから「ちゃんと隠すように」というチェックが入った。
 そういった場合には、入口でイスラム教徒の女性が来ているアバヤを貸し出して貰える。ちょっと羨ましい。

モスク全景 彼女を待っているときに、ちょうど一緒に出発したもう一つのツアーのみなさんがやってきた。
 もう一つのツアーは「文化」をテーマにしたツアーで、添乗員さんに聞いたところでは現地ガイドさんも文化や美術に造詣の深い方に依頼しているそうだ。
 なるほど、ツアー代金の差はこういった所からも生まれるのだなと納得する。
 とはいえ、我々のツアーの添乗員さんも実は美術がご専門で、かなり詳しく説明してくださる。
 きちんと聞けていなかったり覚えられなかったり、本当に申し訳ない限りだ。

 スルタン・カブース・グランドモスクは、当時のオマーン国王カーブース・ビン・サイードが1993年に開催したコンペで設計が決まり、そこから7年近くの年月をかけて建造されている。
 ミナレットが5本あり、モスクとしての格は高い。
 ミナレットを5本とも1枚の写真に収めようと色々とチャレンジしたけど果たせなかった。残念である。

 ちなみに、イスタンブールにあるスルタンアフメト・モスクには6本のミナレットが、メッカにあるモスクには7本のミナレットがあるそうだ。
 何でも、元々メッカにあるモスクのミナレットは6本で、他のモスクが6本のミナレットを持つことは許されていなかったらしい。しかし、イスタンブールのモスクがうっかりと6本のミナレットを持ってしまい、そこよりも格が上であることを明確にするため、メッカのモスクは7本目のミナレットを建造した、という。
 本当の話なら、随分とメッカのモスクは随分と寛大だと思う。

 建物の内部では靴を脱ぐ必要がある。各所に靴箱が用意されているけれど、何故か幅が15cmくらいしかなく、左右の靴を入れるには重ねなくてはならない。
 それだけ多くの見学者と礼拝者を見込んでいるということかも知れないけれど、重ねなくても入る幅にしてくれれば良かったのになと勝手なことを思う。

 最初の建物に入ると、添乗員さんが「この建物を見てどう思いますか」と実に漠然とした問いを発した。
 何を聞かれている? どこを気にすべき? と思っていたら、お一方が「狭い?」とおっしゃった。
 なるほど、一時は「世界で一番大きかった」モスクである。そう考えれば狭い。
 ここは女性用の祈りの場で、本命はこの奥にあるという話だ。

女性用の祈りの場女性用の祈りの場

 そして、添乗員さん曰く、壁や扉などの細部まで精巧な装飾が施されており、そういったところにも注目して見ると面白いし興味深いということだった。

室内装飾室内装飾

室内装飾室内装飾

室内装飾室内装飾

 いったん外に出て靴を履き、「本命」と言うべき男性用の祈りの場に向かう。
 途中、うっとおしかったのか髪に巻いたスカーフを外しているヨーロピアンの女性が、スタッフに笛を吹かれ、注意を受けていた。完全に髪を隠すことまでは求められていないようだけれど、「隠そうとしていない」のは許されないのだろう。
 チェックを受けるのは入口だけではない。

 男性用の祈りの場と女性用の祈りの場を囲むように回廊が設けられ、その外側にもお部屋があったり、階段で下の階に降りられるようになったりしている。
 ドームの上には宝珠のような形をしたものと、さらに一番上に三日月型の飾りがある。これらの意味を教えてもらったようなきがするのにどうしても思い出せない。

モスクのドーム-2回廊

回廊から見たモスク階下

 男性用の祈りの場は、女性用のものよりも遙かに大きい。
 豪華絢爛以外の何ものでもない内部装飾である。
 ブルーを基調にした涼しげな内装で、女性用の祈りの場が木の色をベースにした温かみのある色味であったのと対照的だ。
 そこに敷かれたペルシャ絨毯は4000平米以上もあるという。一体何人が何年がかりで織り上げたのだろうと思う。設計前に発注はできないだろうから、7年以内であることは確かだ。

20231230_091218 メッカの方向を示すミフラーブもブルーを基調としたタイルで埋め尽くされ、当然のことながら写真スポットとなっていた。
 天井近くは、鍾乳石のような窪みが無数に覆うデザインとなっている。

 また、中央で輝くオーストリア製のシャンデリアは、ドームの天井が高すぎ、ドーム自体が大きすぎてその大きさを実感できないけれど、高さ14m幅8mもあり、スワロフスキーガラスと金で作られているそうだ。
 それはキラキラと輝く訳である。

 アブダビにあるシェイク・ザイード・グランドモスクは、このスルタン・カブース・グランドモスクを凌駕しようと志して建造されており、概ね大きさとしては「世界で二番目」であることが多いようだ。
 シェイク・ザイード・グランドモスクのその指向は宗教施設としてどうなんだと思う。結果として、こちらのモスクの方が「品が良い」感じがしてしまうくらいだ。

 男性用の祈りの場を一通り案内してもらったところで、40分間のフリータイムとなった。
 正確に言うと、添乗員さんは「写真撮影タイム」とおっしゃった。このフォトジェニック過ぎるモスクにいたら、そういう表現になるのも頷ける。

 添乗員さんにお勧めしてもらったとおり、飾り窓と柱が並ぶ回廊の写真を撮る。
 光が射して、飾り窓の紋様を浮かび上がらせ、大理石の白と木の茶色だけで飾られて綺麗だ。
 もちろん、モスクの外観をできるだけ大きく写真に収めようと奮闘する。これはなかなか上手く行かない。

ミフラーブミフラーブ

ミフラーブミフラーブ

ミフラーブミフラーブ

ミフラーブミナレット

モスク全景モスク全景

 お手洗いを探してうろうろしていたら、スーベニアショップにたどり着いた。
 ツアーメンバーの方がいらっしゃって、スーベニアショップの前にいた年配の女性に声をかけると「イスラームとは?」というイスラム教について解説した「イスラミック・インフォメーション・センター」発行の本をフリーでいただけると教えていただいた。
 有り難くいただく。

 また、実はお手洗いの場所が滅茶苦茶分かりにくくて、同じフロアにはなく、回廊から1階層下がったところにあるという。そちらも教えていただいて、すっかりお世話になってしまった。
 スルタン・カブース・グランド・モスクのお手洗いは清潔に整えられている。トイレットペーパーは備え付けられていないので、持参する必要がある。また、ペーパー類は流さずにゴミ箱に捨てる必要がある。この後に立ち寄ったお手洗いは、概ね同じ状況だったと思う。

岩山と荒れ地 10時過ぎに見学を終え、海際にあるマスカットから内陸にあるニズワ方面に向けて出発した。
 昨日はバスにコースターと言うらしい荷物車のようなものを繋げていたけれど、今日はキャリーケースを後方の座席に押し込んでちょっと狭い。
 窓から見える景色は概ね「荒れ地」「岩山」以上、という感じだ。
 オマーンは地層が現れている場所が多く、地層マニア垂涎の場所であるらしい。確かに綺麗な縞になっている岩肌を何度も見かけた。

レモンミントジュース 12時過ぎ、アル・ハムラに向かう途中のイエメン料理のレストランでランチをいただいた。
 暑いとまでは言わずとも日差しも強く、レモンミントジュースが美味しい。
 この後行った大抵のレストランでレモンミントジュースはメニューに載っていたと思う。
 このレストランでは生のミントを使っていて、さっぱりして美味しかった。

 お食事は、まずスパイシーなスープが出され、レモンが添えられたグリーンサラダが続く。
 確かかなり辛みの強いドレッシングが出てきて、うっかりそれだけ食べてしまうと悶絶する辛さだったと思う。
 メインは、チキン、ビーフ、フィッシュから選ぶことができ、「小さい」と言われたお魚が25cmくらいありそうなお魚丸ごと1匹だったのには驚いた。
 どれもたっぷりの量が供されて、シェアする形で色々食べることができ、ライスにはフライドオニオンも散らされていたし、どれも美味しかった。

サラダとスープチキンとライス

 オマーン旅行記2日目その2 <-  -> オマーン旅行記3日目その2

|

« 伊東温泉旅行記1日目その1 | トップページ | 伊東温泉旅行記1日目その2 »

旅行・地域」カテゴリの記事

*202312オマーンの始末」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 伊東温泉旅行記1日目その1 | トップページ | 伊東温泉旅行記1日目その2 »