オマーン旅行記3日目その2
2023年12月30日(土曜日)
レストランから車で10分ほど走り、アル・ハムラの全体を見渡せる場所でフォトストップとなった。
オアシスでナツメヤシの緑が広がり、その向こうに土壁で作られた家が並んでいる。
行ってみて分かったけれど、今はその土壁の家に住んでいる人はほとんどいないようだった。
海に面したマスカットから、だいぶ内陸に進んできた。
フォトストップした場所からさらに車で10分ほどで、アル・ハムラに到着した。
街中にファジと呼ばれる水路があるところがオアシスっぽいと思う。水路沿いには、洗濯場のような建物も見かけた。
日中だからなのか、そもそもこの街中に住んでいる人が少ないのか、その洗濯場にも人はいなかったし、そもそもほとんど人を見かけない。
在住者っぽかったのはこのおじさんくらいで、皆で頼んだら写真を撮らせてくれた。
歩いている人がいたよ! と思ったら、その女性は、我々がこれから見学する民俗資料館「ベイト・アス・サファ」のスタッフの方だった。
彼女について行き、靴を脱いでお邪魔して見学開始である。
部屋によって担当スタッフが変わるのか、今ひとつシステムがよく分からないまま、「ここで待て」と言われて待っているとそのうちデーツシロップの採取の方法を再現した場所で味見をさせてもらったりする。
日本人は我々のみだったけれど、ヨーロピアンをおぼしき見学者が50人近くいたのではないかと思う。
人気の観光地だという話は伊達ではない。
実演コーナーのようなスペースも設けられていて、小麦粉と塩と水だけで作る薄いクレープのようなパンを焼いて味見させていただいた。ミニマムな材料で作られているこのクレープが、パリパリした食感もあって美味しく感じる。
豆を挽いた粉を水で溶いて芥子色のローションのようなものを作ってそれを額に塗るのだと教えてもらって試した。あれが何という名前でどんな意味があってどんな効果があるのか、聞いた筈なのに全く覚えていない。我ながら情けない。
また、コーヒー豆を炒ったり挽いたりしているとその音が家中に響き、「団欒の時間ですよ」という合図になったのだと教えていただいた。
ガイドさんによると、そうした一家団欒の習慣も「スマホの登場で全てが変わった」ため、今ではほとんどないらしい。そう言うガイドさん自身、バスの中ではずっと動画を見ていた。
同じお部屋では、ムスクと、「昨日ここで作った」というモリンガオイルがそれぞれ1本1オマーンリアルで売られていた。
モリンガオイルはアンチエイジングの効能があると知られているそうで、ツアーメンバーに常用されている方がいらっしゃったこともあって、我々だけでほぼ買い占めたのではないかと思う。
モリンガオイルは、モリンガの種(だと思う)をすりつぶしてこねて塊にし、その塊を押して絞って抽出するらしい。かなりの重労働だ。
2階と屋上もあって、かつての暮らしが再現されている。
これが滅茶苦茶フォトジェニックな内装で、自分の目で見たときよりも写真に撮ったときの方が素敵に写っていたと思う。
あちこちに吊されていた素焼きの壺はいわば冷房用で、水を入れて風通しのいいところに吊しておき、気化熱を利用して周りの温度を下げるために使われていたというお話だった。
途中、絨毯にぺたりと座り、コーヒーとデーツをごちそうになった。ここでいただいたデーツが今回の旅行で食べた中で一番美味しかったような気がする。
ツアーバスの中でもドライバーさんとガイドさんが大きなタッパーウエアに入ったデーツをよく回してくれた。
オマーンのおもてなしは、オマーニコーヒーとデーツで決まりだ。
屋上に上がるとアル・ハムラの土壁の家々を見ることができた。
この土壁の家々はあとどれくらいこの姿を保つことができるんだろうと思う。
屋上からの眺めを堪能した後は、入口まで戻ってお会計だ。
ツアーメンバーの多くの方はクレジットカードで支払っていた。「クレジットカードで支払えるんだ!?」と思ったけれど、ヨーロピアンの観光客が多いことを思えば、当然のインフラなのかも知れない。
ただ、通信環境はあまり良くないらしく、そして、もしかしたら土壁はあまり電波を通さないのか、スタッフが建物の外に出てカードリーダーを振って電波を捉えようとがんばっていた。
ツアーバスでさらに15分くらい走り、15時過ぎに、ミスファット・アル・アブリーン村の駐車場に到着した。
本日の宿であるMISFAH OLD HOUSEまでの道は狭く、昨夜聞いていたとおり車が通ることはできない。ホテルのスタッフが大挙してやってきて、我々のキャリーケースを頭の上や肩に担いで運んでくれた。
有り難い。
有り難いが、同時に、クリスマス休暇だからスタッフがいないという話は何だったんだろう・・・、とも思った。よく分からないけれど、添乗員さんとガイドさんの手腕に脱帽である。
こちらの宿は様々なタイプのお部屋があって、インバスのお部屋と、シャワールーム+トイレが共同のお部屋があるという。添乗員さんがトランプを取り出してくじ引きをした。
私は二人でバスルーム共有というお部屋で、こちらもよく分からないけれど、支配人っぽいおじさんが最初に案内された小さめのツインルームから、大きめのシングルルーム(バスルームをもう一つのシングルルームと共有・共同のバルコニー付き)に変えてくれた。ありがとう!
ちなみに、マスカットのホテルに続き、こちらのホテルもバスタオルのみの提供だった。
「早くしないと日が暮れちゃう!」と16時半から、「オマーンで一番美しい」とも言われる村の中の散策に出発した。
村には、デーツとバナナの果樹園が広がっている。背がすっと高いデーツの木の足下にバナナを植えるのが定番のようだ。そして、果樹園で働いているのはバングラディシュからの出稼ぎの人が多いという話だ。
ファラジ(水路)は、日を決めて流す場所を決めているそうで、水が流れていない水路もあった。工夫である。
「散策」と言われつつ、結構なアップダウンがあって、へとへとになった。
日暮れが近いこともあり、ガイドさんはいくつかあるらしい散策コースのうち短いものを選んで回ってくれたようだ。
ちょうど、夕日を浴びた土壁の街並みも見ることができた。
散策の最後に、蜂蜜屋さんに立ち寄った。
もちろんここでもコーヒーとデーツのおもてなしがある。疲れたところに甘いものと飲み物をいただけるのは有り難い。
蜂蜜も試食させてもらう。フランキンセンスの蜂蜜がやはり人気だ。オマーンと言えばのフランキンセンスのはちみつと、Zizpusの蜂蜜を購入する。
試食して一番美味しいと思ったZizpusだけれど、未だにこれが何なのか分かっていない。
瓶の蓋には間違いなくZizpusと書いてあるけれど、実はこれはZiziphus(ナツメ)の間違いだったんじゃないかと思っている。
17時半くらいにホテルに戻ってきた。
お部屋はこの写真の手前にも同じくらいの広さのスペースがあって広い。スタンド型のコートかけが置いてあり、物干し棹代わりに活躍させてもらった。
支配人のおじさんが「Big balcony」と自慢げに紹介してくれたバルコニーは確かに一部屋分くらいの広さがあり、周りにベンチも設置されていて、なかなか座り心地が良い。
このバルコニーの手前、2段くらい上がったところにバスルームがある。
「散策」で結構な汗をかいたので、夕食前にシャワーを交替で浴びた。
夕食は19時から、フロントの上にあるテラスでいただいた。
ホテル近くに住む奥様方の手によるオマーン伝統料理のビュフェである。
サラダ、ホムス(ヨーグルト風味が強い胡麻ペーストだった)、パン、豆カレー、チキンカレー、ビーフカレー、ライスという漢字だった。
今日と明日は禁酒デーで、レストランでお酒の提供はない。マンゴージュースをお願いしたらフレッシュジュースで美味しかった。
食事のたびに必ずマンゴージュースを頼んでいたツアーメンバーの方によると「一番美味しい」マンゴージュースだったらしい。嬉しい。
また、デザートとコーヒーも供されて、ペースト状のデーツを挟んだクッキーにココナツをまぶしたお菓子が美味しかった。
食事の際は自己紹介タイムなどもあって盛り上がり、食後は3人で集まって我々のお部屋についていたバルコニーでおしゃべりした。いわば「女子会」である。
流石に夜になると風が涼しくて、フリースを着込む。
ただ、この女子会では若干思うところもあって、少々疲れてしまったというのも本音だ。
23時過ぎに就寝した。
12月30日(日本時間)の歩数:10829歩
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