京都旅行記(2024)1日目 その2
2024年11月29日(金曜日)
多分、徒歩で10分もかからず、15時過ぎに六波羅蜜寺に到着した。
正直に言って、名前も知らなかったし、何なら今でも読み方は分からない「ろくはらみつじ」で合っているんだろうか。
口から出た紐(?)の上に踊る人が連なっている「空也上人像」は記憶にあるものの、写真やテレビで見たのか、東京のどこかの博物館で開催された特別展などで見たのか、覚えていない。
それくらい、私からすると「マイナー」なお寺である。
しかし、実際に行ってみると、そもそもお寺に向かう道を結構な人が歩いていた。
辰年の今年は、普段は秘仏として厨子の中に安置されているご本尊の十一面観音が公開されていることは知っていて、そのためなのかしら? と思う。
仏像のことなどほぼほぼ何も分からないなりに、この十一面観音像はいいお顔をされていて、好きな訳でもないのに何となく落ち着いた気持ちになり、堂内に正座してしばらくぼーっと眺めていた。
ここまで来たら、空也上人像に会わねばなるまい。
行列に並んで、寺宝館の入場券を購入する。多分、20人ちかくの人が並んでいたと思う。
ちなみに、六波羅蜜寺は拝観料は不要である。
寺宝館は2階建てで、1階も2階もそれほど広い訳ではないこともあって、大混雑である。
2階に上がったところに空也上人立像がある。
この空也上人は、宙空を見ている感じで、どこから見ても目が合わない。そして、向かって右から見た方が格好よく見えると思う。
逆に、隣にあった運慶作の平清盛像はどこから見ても目が合う。というよりも睨まれる。剃髪した出家後の姿なのに、威圧感がありすぎだ。
あと気になったのは、「鬘地蔵」というお地蔵様である。
何しろこのお地蔵様は、手に毛髪のようなものをひとつかみ握っている。怖すぎる。だからこその「鬘」地蔵という名前だけれど、まさかと思うけど人毛じゃないよね、人毛じゃないとすると何なんだろう? よく1000年とか残っているよね、と若干ぞっとした。
確か1階には薬師如来像と四天王像があって、入った真正面に並んでいるものだからかなりの迫力がある。
収められている木造彫刻は、空也上人立像を始めとして多くが重要文化財である。
そんなに大きなお寺でもないし、「そうだ、京都行こう」にも出てこなさそうなお寺なのに、重要文化財がざくざくあって公開されている。何というか、これが京都の底力というものだろう。
次の予定まで時間があったし、喉も渇いたので、六波羅蜜寺でお線香を購入し御朱印をいただいた後、ホテルに戻って16時過ぎにチェックインした。
徒歩圏内で観光しているとこういうことができて便利である。
荷物はすでに部屋に運んでくださっているというお話で、朝食の時間の目処をお伝えし、希望者に貸出のあるパジャマをお借りし、鍵をいただいて部屋に向かい、まずは駅で買って来た鯖寿司を冷蔵庫に入れた。
こちらのホテルは、一部屋一部屋テーマを決めて、そのテーマに合った内装になっている。私の部屋の名前は「宇治上」だった。ルームナンバーの陶板にもベッドの上に掛けられた絵にも兎がいて可愛らしい。
低層階なので眺望はゼロである。試しに窓を開けてみたらすぐそこにお隣のビルの壁があった。
各部屋に檜のお風呂が備え付けられており、トイレと別になっているのも有り難い。
1階のラウンジに降りて、ウエルカムドリンクにオレンジジュースをいただき、しばし休憩する。
スタッフの方によると、倭乃里京都ミュゼは「オーナーが色々と拘っていまして」というお話で、ごくごくと飲みたかった私はオレンジジュースを頼んだけれど、お願いすれば抹茶も点てていただけるという。
ラウンジの壁には京都の大学教授の方にお願いして絵を描いていただいたそうだ。残念ながら私には見分けがつかないけれど、京都のお寺などなど名所が描かれているという。
各室の洗面台やコップ、ラウンジに並んでいたコーヒーカップなども陶製で、ホテルのネーム入りだ。つまりは、特注である。
2019年にオープンに、コロナ禍を経て2024年8月にリオープンしたばかりだという。この間、ひのきのお風呂に毎日お湯を張るなど、メンテナンスにはかなり心を砕いていたという。
思わず色々と質問したりもして聞き入ってしまった。
16時半くらいにホテルを出て、17時からのアフタヌーンティを予約していたパークハイアット京都に向かった。
Google Mapが示すとおりに歩いていて、ふと路地の奥を見ると塔が見えた。
このくらいなら道をそれても戻れるだろうと行って見ると、やはり八坂の塔だった。
名前は知っているし、もしかすると修学旅行で見ているかも知れないけれど、足下まで来たのは初めてだったと思う。
そのまま回り込んで坂を上がって行くと多くの人(主に外国人)が写真撮影をしている場所があり、私もその人だかりに加わった。
そのままいい感じに明かりが点り賑わっている坂を下って行く。
地図を見ても、一体自分がどこを歩いたのか分からないし、この坂がどこなのかも分からない。私の記憶と地図が一致しないのはどうしたことだろう。
その状態でもGoogle Mapは優秀で、予約時刻少し前にホテルに到着した。
カジュアルな格好で一人で歩いてくる私が相当の不審人物に見えたのか、ホテルのエントランスに何人かいたスタッフの方がいぶかしそうにこちらを見ている。
「そんなに私の見てくれは怪しいのか・・・」と思いつつアフタヌーンティの予約を入れていることを伝えると、ラウンジに案内してくださった。行ってみれば分かりやす過ぎる場所にあるけどラウンジと分かりにくい感じで、連れて行ってもらえて助かった。
周りにはいかにも「海外セレブ」な方々がいらっしゃった。外国人率の方が圧倒的に高かったと思う。席には余裕があった。
暖炉の横、琴の演奏が行われる前の席に案内いただいた。喉が渇いていたのでアフタヌーンティに追加で炭酸水をお願いし、少しするとウェルカムティが供された。食前酒のようなものだろうか。
パークハイアット京都のアフタヌーンティは、スタンドではなく、コース形式で供される。また、飲み物は提供されるお料理とペアリングされている。
題して「アフタヌーンティー 5コース ティーペアリング」だ。
ウェルカムティー
ゆず茶と緑茶をブレンドしたお茶に生姜の砂糖漬けが添えられている。
生姜の砂糖漬けは辛みが残っていますが召し上がっていただいても、という説明だった。
毎正時にお琴の演奏が始まるようで、(多分)伝統的なお琴の曲と、J-POPをアレンジした曲を取り混ぜての演奏だった。
豊の秋
これらは、メニューには使われている食材のみ書かれていた。
「いただく順番ってありますか?」とお聞きしてみたら、「メニューに書かれた順番で召し上がっていただければ」というお答えだった。聞いておいて何だけれど「お好きなものから」と言われるかと思ったので、少し驚いた。
お茶は、茨城県にある長野園という茶園の「TEAISM 古今」というほうじ茶だ。
左上の「南瓜 キャビア」は、南瓜のムースの上に牛コンソメのジュレ、トーストの上にクリームチーズとキャビアが載せられ、金箔が飾られている。最初から豪華すぎだ。
右上の「サーモン 洋梨」は、この中で一番分かりやすいメニューである。洋梨はグレープフルーツのシロップに漬けてあります、という説明だった。
左下の「さつま芋 フルムダンベール」は、最中に盛り付けられている。さつま芋が安納芋ということは聞き取れたけど、ちょうどお琴の演奏が「雪の華」で盛り上がっていて、フルムダンベールも説明してもらったのによく聞こえなかった。申し訳ない。検索するとチーズの名前のようだけれど、チーズが入っていたか全く自信がない。
右下の「フォアグラ カシス」は、オレンジシロップに漬けたトーストでフォアグラのムースとカシスゼリーをサンドしたものだ。濃厚で、確かにこの4つの中なら最後にいただくのが正解ですね、と思う。
茸狩−茸と”はもんみなかみ”−
要するに、茸入り春巻きである。春巻きの中にほうれん草と5種類の茸が入っている。
春巻きの上に生ハム、生マッシュルーム、トリュフが載せられている。「はもんみなかみ」はこの生ハムの銘柄名のようだ。
合わせられたお茶は、静岡県牧之原山本園のべにふうき和紅茶だ。
美味しい。コースの中でこのお皿が一番好きだったかも知れない。
秋渇き−巨峰と胡桃のグラニテ−
秋麗
手前右から時計回りに、「シャインマスカットのタルト」「丹波栗のモンブラン」「無花果とグリオットチェリーのムース」「紅玉のタタン」プラリネのマカロン」である。
これぞアフタヌーンティ、これぞ秋のスイーツという感じだ。
どれもこれも美味しくて、もう1個ずつ食べられます! と言いたいくらいだった。
合わせたお茶は、滋賀県の井入農園の「ニホンノスコヤカ」だ。ハーブティで、よもぎやジャコウソウが入っているというお話だった。
秋灯ーほうじ茶のスフレー
ほうじ茶は、一保堂のものを使っているそうだ。ほうじ茶とチョコのスフレは熱々で甘くて美味しい。
お茶は黒豆茶。
さらに「いくつでもどうぞ」と3種類のチョコレートが運ばれて来た。生チョコと、ラズベリーとプラリネである。
断腸の思いで1種類一つずつに留めた。
17時に始まったコースを1時間40分かけていただいた。
毎正時に行われるお琴の演奏も2回聴いている。曲目は半分くらい変わっていた、ような気がする。
大満足で、高台寺に向かった。
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