2025.05.05

箱根旅行記(2025)2日目

2025年2月22日(土曜日)

 朝6時に目が覚めたものの、だるくてお布団の中でうだうだする。
 そのうち母が起きだして大浴場に行ったけれど、それにくっついて行く気力も湧かず、それでも気力を振り絞って7時半過ぎに朝風呂に行った。
 流石に長湯はできず、子供みたいに温泉に浸かって100数えてさくっと上がって来た。
 昨夜に比べて湯温が高く感じたのも、短く切り上げた理由の一つだ。

 8時に朝食をいただきに行く。
 昨夜と同じ席に用意されていた。
 この朝ごはんが凄く美味しかった。写真には写っていないけれど、ごはんは各自で炊くようになっており、スタッフの方が席に着いてから火を付けてくれ、炊きたてを食べることができる。
 他のおかずも温かいものは温かい状態で並んで、手をかけていると伝わってくるごはんだった。大満足である。

朝食朝食

 ロビーでコーヒーをもらい、部屋に持って帰ってゆっくり飲む。
 私の心の中では「もうこのまま帰って旅行終了! 移動して食べて温泉入ってあとは帰るだけ!」と思っていたけれど、母には物足りなかったらしい。
 何故だか「富士山が見たい」と強調され、「いや、天気予報的に芦ノ湖まで上がっても多分富士山は見えないよ」と何度も説得しようとしたものの果たせず、とにかく芦ノ湖まで行って見ることになった。
 母と私の温泉旅行が「のんびりゆっくり食べて浸かるだけ」にならないのは、もしや、私ではなく母に理由があるのではなかろうか。

 10時前にチェックアウトし、桃源台に向かうバスを待つ。
 バス停から見える温度計は、マイナス1度を指していた。寒いけれど「もっと寒い」と思ってかなり着込んできたので、それほど寒さは感じない。
 10時6分のバスに乗り、何とか座れて、10時20分くらいに到着した。
 案の定、青空は見えているものの、富士山はすっぽりと雲の中に隠れてしまっている。
 それでも、箱根海賊船のチケット売り場には結構な行列ができていて驚いた。外国の方も大勢いる。

海賊船 10時45分発の海賊船で元箱根に向かった。
 ほぼほぼ満席である。
 こうなると「特別席」の価値も増すというものだ。外国の方で躊躇なくチケットを購入している方がいて「おぉ!」と思って見ていたけれど、優先的に乗船できるし、席はゆったりだし、前方の展望のいい座席にゆっくり座れるし、いつか乗ってやろうと思う。

 そして、寒い。
 恐らく気温は0度前後で、外に出ればもちろん風に吹かれることになる。
 遊覧船などではほとんど座らずにあちこち歩き回って外にいることの多い私でも、流石にずっと外にいる気にはなれない。
 富士山も裾野がやっと見えるくらいだし、カメラは適当に切り上げて室内で温まっていた。

芦ノ湖芦ノ湖

 それにしてもこの2枚の写真、同じ日同じ時間に同じ遊覧船から撮ったとも思えない、もの凄く落差のある写真である。
 遊覧船は11時25分に元箱根に到着した。
 元箱根で降りる人もたくさんいるし、乗ってきた人もたくさんいる。そういえばこの日は土曜日だった。
 芦ノ湖まで来たものの、特に行きたいところや見たい場所がある訳でもない。荷物もそこそこ重いし邪魔だ。まだお腹も空いていない。
 そういう訳で、11時33分発のバスで箱根湯本に戻ることになった。
 しみじみと何をしに来たのか分からない感じである。

 バスを途中下車して、ちもとに立ち寄った。
 珍しく「茶のちもと」が空いていて「チャンス!」と思ったものの、まだお腹は空いていないし、ここで食べたらお昼ごはんを食べられなくなってしまう。
 泣く泣く断念し、ちもとで定番の「湯もち」と、初めて見かけた(ように思う)わらび餅を購入した。

 ゆっくり箱根湯本駅まで歩いて戻っても、まだお腹が空いていない。
 「小田原まで行ってごはん食べて、ロマンスカーで帰ろうか」ということになり、駅で軽くお土産を購入した後、13時1分発の普通電車で小田原に向かった。
 それにしても、箱根湯本の通りも、箱根湯本駅も、小田原まで行く普通電車も、何もかもが混雑していた。

 そして、もちろん小田原駅も混雑していた。びっくりだ。
 昨夜はお肉を食べたから、お昼ごはんにはお魚を食べようかなと思っていたけれど、14時近いと言うのに、目星を付けていたお店は大混雑している。
 うろうろしていたら、ラスカ小田原に入っている、富士屋ホテルプロデュースのフュージョンダイニングFが待たずに入れそうで、即決した。

 母はカニクリームコロッケのセット(カップスープ、ミニサラダ、ライスまたはパン)とコーヒー、私はハーフサイズのビーフカレーとデザートと飲み物のセットを頼んだ。デザートにはもちろんアップルパイを選び、飲み物はコーヒーである。
 ゆったりした座席で、ゆっくりと美味しいものをいただき、贅沢な気持ちになった。大正解である。

ランチのカレーアップルパイ

 ランチをいただいている間に、ネットで15時31分発のロマンスカーを予約した。
 そうしたら、何と、土曜日なのに上りのロマンスカーは大混雑していた。二人並びの席が全くない。逆に言うと、横に並ぼうとしなければ席はそこそこある。一人で土曜の午後にロマンスカーで新宿に向かう。みなさん、飲み会に行くのだろうか。あるいは日帰りで遊んだ帰りだろうか。
 幸い、母も私も「並び席」にそれほど拘りはなく、別に縦に並ぼうが少し離れていような問題ない。

小田原城 ロマンスカーの時間まで、最近できたらしいミナカ小田原に行って見た。
 何というか、豊洲市場の千客万来みたいな、和風の書き割りのような建物群があって、レストランやお土産物屋さん、コンビニやクリニックなども入っているようだ。
 観光客用兼地元の方用のラインアップである。
 我々は干物とかまぼこを購入した。

 食べるか浸かるか移動するか眠るかしかしていない割りに、何だかんだ忙しかったような気もする1泊2日の温泉旅行の家路についた。

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2025.05.04

箱根旅行記(2025)1日目

2025年2月21日(金曜日)

 今回、母との温泉旅行の行き先は箱根である。
 毎回言っているのに果たせていない気がするけれど、今度こそ「美味しいものを食べて温泉入ってゆっくりのんびりするだけ」の旅行にする予定である。そのため、ミラコロは使わず、なるべく荷物を減らしている。
 以前に箱根に行った際に気になっていたお店でランチを食べるべく、9時半に家を出た。

お茶とおやつ 11時に新宿駅に到着し、少し遅めのお昼になる予定なので、ロマンスカー車内で食べようとPRESS BUTTER SAND で和バターサンド〈あんバター〉をおやつを購入する。
 11時20分発のロマンスカーに乗り込み、早速いただいた。
 この和バターサンドを母が異様に気に入り、旅行後、あと2種類の和バターサンドを購入していただいた。
 母は、最初に購入したこの和バターサンド〈あんバター〉が一番気に入っているらしい。

 新宿を出た直後は青空が広がっていて、富士山も遠くに見ることができた。
 しかしお天気はどうもご機嫌斜めで、ロマンスカーが秦野に差し掛かるころにはすっかり雲で覆われ、富士山も全く姿を現すことはなかった。残念である。

 ロマンスカーは12時53分に箱根湯本に到着した。
 駅に降り立つと、思ったよりも寒くない。氷点下とか雪が降りそうという感じはなく、寒いと思って厚着して防寒の用意をしたのになぁと肩透かしを食った気分になる。
 そのまま、以前から母が行きたいと言っていた808 Monsmare: 箱根湯本の薪火イタリアンに向かう。
 お店の外に結構な待ち行列ができていてかなり待ちそうだと思い、母に「どうする?」と聞くと「待つ」と即答だ。せっかちな母が待つと言うのなら決まりである。列に並んだ。

 結局1時間弱待って店内に案内いただくことができた。
 ランチは、ピザまたはサラダと飲み物のセットメニューがある。メニューを検討し、御殿場産 ふじやまプロシュートとルッコラのサラダととマルゲリータ‘ 箱根アフミカート’とセットにしてもらうことにして、飲み物は母がコーヒー、私はブラッドオレンジジュースをお願いした。
 美味しい。
 遅い時間に食べ過ぎたかと少し心配になる。でもこの美味しさの前には控えめにするなんて無理というものだ。1品をサラダにして正解だった。

サラダピザ

 箱根湯本駅前に戻り、バス停を探し当てたら長い列ができていた。小田原からのバスが渋滞で遅れているらしい。
 結局、箱根湯本始発のバスが用意され、座ることができた。山道を行くことになるから有り難い。
 30分ほど揺られ、小塚入口というバス停で下車した。
 バス停から本日の宿である小塚久の葉までの道が急勾配の上り坂で、見上げたときには絶句した。こんなの聞いていない。
 母に「この間泊まった湯河原の宿も急坂だったわよね」と恨み言を言われつつ、えっちらおっちらと歩き、15時半過ぎに宿にチェックインした。

 フロントにいたスタッフは外国の人で、この宿も外国の方の宿泊が多いのかしらと思う。夕食のときに見た感じでは、この日は外国の方は一組だけのようだった。元々が全8室の宿である。
 サービスを絞ってお値段を抑えている宿で、例えば靴は自分で靴箱にしまい、アメニティと浴衣、お茶セットなどはロビーから自分で必要なものを持って行く、洗面所に置いてあるコップは紙コップになっていた。
 合理的である。

宿のお部屋 この日に宿泊したのは和洋室だった。
 母が立ったり座ったりが辛いと言うようになり、旅行のときの宿は和室にお布団よりは、ベッドの洋室を選ぶようにしている。
 畳に座布団に座るよりも、椅子に座る方が楽らしい。
 さらに和洋室になっていると、母が寝てしまった後で私がごそごそしても(比較的)邪魔にならないのも有り難い。

 17時くらいまで眠ってしまっている間、母はテレビを見ていたようだ。
 起き出して用意を整え、大浴場に行く。
 他にお客さんはおらず貸切状態だったのが嬉しい。
 内湯のみで、湯船も3人いたら一杯になりそうな大きさだけれど、その分、濁り湯の温泉成分は新鮮かつ濃いように思う。
 少しぬるめのお湯にゆっくり浸かったら、後からぽかぽかしてきてとても温まった。
 シャンプーとリンスが別に用意され、POLAのものだったのも地味に嬉しい。

 18時半から夕食をいただいた。
 何しろ「老舗相原精肉店の国産牛しゃぶコースプラン[朝夕2食]」で予約している。
 しゃぶしゃぶ目当てでの宿泊といっても過言ではない。

サラダしゃぶしゃぶセット

 テーブルにはサラダとしゃぶしゃぶのセット、タレはポン酢とごまダレの2種類、茶碗蒸し、お漬物、お水のポットとほうじ茶のポットが置かれている。
 そして、このご時世にサラダしゃぶしゃぶのお肉はもちろん野菜がたっぷりだったのも嬉しい。
 もの凄く得をした気分である。

〆のうどんビールとごまダレ

 どうしても飲みたくなって、HAKONE KOHAKU(330ml)を頼んで母と乾杯する。
 思ったよりも美味しく飲めて嬉しくなったけれど、コップ半分で自粛した。
 HAKONE KOHAKUは、ベルギー白ビールだそうだ。

 〆におうどんも食べ、デザートのバニラとブルーベリーのアイスクリームも平らげて、大満足の夕食だった。
 ごはんは頼むと持ってきてくれる感じだったけれど、母も私も〆のうどんでお腹がいっぱいでとてもごはんにまで到達できなかった。

 食後、テレビを見たりベッドで寝そべったりして休憩し、21時頃に大浴場に行ってみたところ先客がいらしたので、一度部屋に戻った。
 またまたテレビを見たり旅メモを付けたりしながらのんびりし、22時頃に行って見ると独泉できた。嬉しい。
 30分弱のんびりお湯に浸かり、23時頃に就寝した。
 本当に、移動して、寝て、食べているだけの1日を満喫した。

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2025.04.27

京都旅行記(2024)の入口を作る

清水寺 ここは、2024年11月29日から1泊2日で京都に一人で行って来た旅行記の入口である。
 2日目は紅葉とアフタヌーンティ、2日目はひたすら機織りをしていた。
 以下の日程をクリックすると、旅行記に飛べるようになっている。

 2024年11月29日(金曜日)その1

 2024年11月29日(金曜日)その2

 2024年11月29日(金曜日)その3

 2024年11月30日(土曜日)

 持ち物リスト(京都・2024編)

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2025.04.20

「美しいものを見に行くツアーひとり参加」を読む

 2025年4月、益田ミリ著「美しいものを見に行くツアーひとり参加を読んだ。
 2011年から18年にかけて、6本の「美しいものを見に行く」ツアーに一人で参加したときの、旅行記というよりもエッセイである。
 2017年に出版された単行本に、2018年に出かけたプリンスエドワード島の旅を加えて2020年に文庫になっている。

 しみじみと見てしまったのは、ツアーの参加料金だ。
 2011年に出かけた、北欧3カ国オーロラツアー8日間が、一人参加料金を含めて約320000円!
 今、とてもとてもこのお値段でヨーロッパには出かけられないだろう。
 隔世の感がある。

 この他の「美しいもの」のラインアップは、ドイツのクリスマスマーケット、モンサンミッシェル、リオのカーニバル、台湾の平渓天燈祭、そしてプリンスエドワード島である。
 例えば、「これから世界中で5つの美しいと思うものを自由に見に行って良し!」と言われたときに選ばれる場所は、人によって様々だし、同じ人だって年齢や環境によって変わってくるのだろうなと思ったりした。

 今だったら自分は何を選ぶかなと考えてみたら、フェルメールの絵、ウユニ塩湖、サグラダ・ファミリア、ヒマラヤ、ブルーホールが浮かんだ。
 我ながら自分らしいラインアップである。

 ツアーに一人参加したときの「あるある」も語られていて共感したり、楽しく読んだ。

(画像をクリックすると、楽天市場のお店に飛びます。)

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2025.02.22

無事、帰宅する(箱根2025)

 2025年2月21日から1泊2日で、母と箱根に行って来た。

 母からの「温泉に行きたい」という再三のリクエストにお応えしての温泉旅行である。
 二人して「何もしない、行ってごはん食べて温泉入って来よう!」と言っていて、今回は比較的その通りの行程になったように思う。
 2日間、ほとんど食べていた感じがする。

 1日目は、新宿駅でおやつを買い、箱根湯本で昼食を食べ、そのまま宿に行ってチェックインし、温泉に入って美味しいしゃぶしゃぶの夕食をいただいた。
 2日目は、これまた美味しい朝食をいただいて、桃源台にバスで行って海賊船に乗り、元箱根から箱根湯本に戻ってあまりの混雑にびっくりして小田原まで移動し、昼食を食べて帰宅した。
 本当に食べているか移動しているか温泉に入っているか、それ以外のことをほとんどしていない。

 今回の旅行費用は、一人分で約35000円だった。
 ここには、交通費、宿代、飲食費が含まれているが、お土産代は含まれていない。

 また、1日目の歩数は3589歩、2日目の歩数は4754歩だった。

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2025.02.21

箱根旅行(2025)に出発する

 2025年2月21日から1泊2日で、母と二人で箱根に行ってくる。
 温泉に行きたいという母の(かなりしつこい、もとい熱心な)リクエストに応じた形だ。どうも最近、これが定番になってきている。

 毎回宣言しつつも実施できていないけれども、今回もとにかく出かけてごはんを食べて温泉に入って帰って来る予定である。

 「箱根の最低気温は0度、最高気温は7度」「雪が降るかも知れない」という天気予報を見て、一気に増えてしまった持ち物リストは以下に。

続きを読む "箱根旅行(2025)に出発する"

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2025.02.18

行きの足を確保する(箱根2025)

 2025年2月18日、小田急電鉄のe-Romancecarのサイトで新宿から箱根湯本までの特急券を購入した。

 当然のことながら、こんなに直前では展望席のチケットは売り切れている。
 それでも、一番新しい車両(GSE)に乗ってみたいと思い、新宿発11時20分のロマンスカーを予約した。
 箱根湯本着が13時前で、お昼ごはんを食べるにはちょっと遅い時間だけれど、今回の宿にチェックインできるのは15時からだし、そこまで時間を潰す方法も思いつかないし、遅めのお昼、宿に着いていただくお菓子の調達、バスで移動してチェックインという行程を考えれば、それなりにちょうどいい時間だと思う。

 ロマンスカーは、CD席の方が富士山も見えるし景色もいいらしい。
 実際に、AB席とCD席を比べると倍以上埋まり方に差がある。
 自分もだけれど、みな、調べて席を購入しているのだなと思う。

 随分と寒いらしいし、今度こそ本当に行ってごはん食べて温泉入って帰って来るだけののんびり旅にする予定である。

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2025.02.13

宿を予約する(箱根2025)

 2025年2月13日、箱根の宿を予約した。

 少し前に母が「雪見温泉に入りたい」と言い出し、雪景色が見られそうでかつ比較的時間距離が近い場所(福島県や新潟県)の宿を探して、予約していた。
 ところが、大寒波や雪崩のニュースを見て、「やっぱり近くがいい」「雪は怖い」と言い始めた。
 どこに行きたいのかと尋ねると、「伊豆」「箱根」「熱海」などの地名が挙がる。

 ここは母の好みと意向を反映させようと、箱根で宿を探した。
 色々と検索してみたものの、直前にしかも3連休の辺りで探そうとすると、気になるお宿が満室になっていたりで、なかなか決めることができない。直前なのに3日くらい検索しまくって宿を探し、小塚 久の葉を予約した。

 決め手の一つは、夕食がしゃぶしゃぶだったことである。
 魚介類メインの和食だとどうしてもお酒が欲しくなる。今は禁酒中なので、その手の我慢をしなくていいごはんが食べられる宿にしようと思った。
 また、冬なので、湯温が高めの温泉の方が良さそうだし、逆に露天風呂の有無にそれほど拘らなくていいかなと思う。

 だいぶ直前に決めたので、行程と、寄り道をするか、昼食をどこで食べるか等々、しゃかりきで検討しようと思う。

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2025.01.13

京都旅行記(2024)2日目

2024年11月30日(土曜日)

朝食 朝、5時45分くらいに目が覚め、「清水寺は6時から拝観できるけど、今から散歩がてら行くとかあり得ない」と一瞬で決めて二度寝を決め込んだ。それから、7時に掛けた目覚ましが鳴るまで熟睡した。
 部屋中に広げた荷物を簡単にまとめ、朝食をいただこうと8時頃に1階のラウンジに降りた。

 「コンチネンタルブレックファスト」ということだけれど、オレンジジュースに牛乳、キャロットパン、レーズンパン、クロワッサン、和風ドレッシングがかけられたサラダとコーンフレーク、ヨーグルト、ハチミツにコーヒーをお願いする。フルーツもあって、十分だ。お腹いっぱいになった。
 ラウンジには他の客様もいらして、外国人と日本人と半々くらいという感じだろうか。

 食休みをして、最後の荷造りと身支度をし、母に電話を入れる。
 9時半にチェックアウトした。
 といっても、宿泊代はチェックインの際に先に支払っているし、鍵を返すだけである。オーナーと思われるフロントにいた方に「何か要望はありましたか?」と聞かれ、しばし考えて「浴室に椅子と洗い桶があると嬉しいかも」とお伝えしたところ、「個人的にはもの凄く分かるけれど、外国人のお客様にあまり歓迎されないことと、管理が大変でなかなか実現は難しい」というお話だった。

鴨川 旅行で京都に来たときは概ねJRで移動していて、考えてみると鴨川縁を歩いたのは初めてだと思う。
 ミラコロを転がして鴨川を渡り、アトリエ・シムラの京都本店に向かった。
 そもそも今回の旅行の目的は、この日の10時から16時まで開催される、アトリエ・シムラの機織りワークショップに参加することだ。

 開始10分くらい前に到着したところ、私が一番乗りだった。
 成城でのワークショップに参加したことは何度かあるものの、京都本店でのワークショップに参加するのはもちろん初めてだ。
 行ってみると、京都本店の方が参加人数が絞られていて、縦糸が白と薄いグレーの2色になっている織機が1台、白1色の織機が2台、最大3人というこじんまりとした教室だった。

 軽く説明があり、軽く自己紹介をして、織り始める。
 お一方は大津、お一方は大阪から来たとおっしゃっていたように思う。毎月のように来ているとおっしゃる方と、今回が初めてか2回目という方だったと思う。
 機織りをしているとしゃべる余裕もなく、ひたすら織り続ける。無心になれるところが良いと思う。
 毎回、この織機が家に欲しいと思うけれど、毎回、自分で縦糸をかけられるようになる日は遠いだろうから織機だけあっても仕方がないですね、と思う。

 11月のテーマは「紅葉を織る」だった。
 紅葉ならば、昨日にあちこちで堪能している。
 それぞれの織機のそばに赤系を中心に糸が用意されており、さらに欲しい色味があったら出しますとおっしゃっていただいた。
 今年は臭木が不作だったそうで、「僅かですが」と臭木で染めた水色の糸が用意されており、何だか織り入れなくちゃという気持ちになって来る。
 赤を中心にしようということは決めていて、あとはグラデーションにできるといいなと思いつつ、織ってゆく。

 2時間目一杯織って、12時過ぎに昼休憩になった。
 四条河原町の交差点にも近い場所にあるので、お昼ごはんを食べる場所には事欠かない。京都っぽく錦市場まで行ってお昼ごはんを食べようかとも思ったけれど意外と遠そうだし混雑していて昼食難民になるのも困るし、織りの時間を長めに確保したいということもあって、牛カツ京都勝牛四条河原町店に行った。
 カウンターの一人席があって有り難い。

 メニューに「定番」と書かれていた牛サーロインかつ膳をお願いした。
 牛カツはレアに仕上げられており、個々に用意された卓上コンロで焼き加減を調整して食べることができる。ごはん、お味噌汁が付き、つけだれがたくさん用意されている。
 三連のお皿には出汁しょうゆ、山椒塩、牛カツソースが並び、ソースにはテーブルにあるすりごまを入れる。
 左奥は京カレーつけ汁、京玉(出汁の効いた温泉卵)だ。多いかなと思ったけれど、あっという間にペロッと食べ終えた。サイズを「大」にしても行けたと思う。

昼食昼食

 SUICAで支払おうとしたら対応していないというお話だった。SUICAがガラパゴス状態で使えるお店が減っているという感じのニュースをネットで読んだような記憶がうっすらある。こういうところで影響があるとは思わなかった。
 時代は電子マネー、なのだと思う。
 私が愛用するものは、概ね廃れる傾向にある。悲しい。

 本当にパクパクと食べ進めて若干時間の余裕があったので周辺を散歩していたら、葱や平吉 高瀬川」というお店の入口に20人近い行列ができていた。調べたら、ランチでとろろの定食や天ぷらを食べられるらしい。
 特に「葱」をフューチャーしてはいないようだ。
 機会があったらお昼ごはんをいただきに行ってみたいと思う。

機織りワークショップ 午後も引き続きがんがん織り進める。緊張しすぎて背中が痛い。
 私はどうにも雑な性格が直らず、特に布の端の処理がぼろぼろだ。丁寧に織れば綺麗な端になる筈が、私が織った布の端は糸がぴょんぴょん飛び出たり、長く糸が引っ張られて輪っかになったりしている。
 気をつけて織っている筈なのにこの体たらくだ。

 赤は主に蘇芳で染めた糸と茜で染めた糸を使った。
 蘇芳も茜も赤い糸で、蘇芳だけ茜だけで織っているときは「赤」に見えるのに、蘇芳と茜を近いところに織り入れると、蘇芳の赤が紫がかって見えてくる。想定外だよと思う。
 13時から15時半くらいまで織り、先生に織り終わりの端の処理をしていただいている間にアンケートを書き、11月でお店が8周年を迎えたというお話で、記念に草木染めのマスクをいただき、ワークショップは終了となった。

機織りワークショップ お一人が「織った布でティッシュカバーを作ったりしている」とおっしゃっていたので「織った布って切ってもほつれてきたりしませんか?」と先生とお二人にお聞きしたところ、間髪入れずに「ほつれます」という答えが返ってきた。
 やはりそうか、そうですよね、と思う。
 切るときには、予め裾上げテープを貼っておいたり、端ミシンをかけておいたりした方が良いというお話だった。

 お昼に歩いていたとき、バス停で来たバスに乗りきれずに次のバスを待つ人々を見かけていたので、「バスに乗らずに京都駅に行くにはどうしたらいいでしょう」とお聞きしたところ、「四条駅まで歩いて、地下鉄烏丸線に乗れば2駅よ」というお答えで、ミラコロを転がしつつも散歩を兼ねて四条通を歩いて行った。
 道筋には円山応挙宅址などもあったらしい。全く気がつかなかった。
 また、方向音痴の本領発揮で、錦市場は四条通と交差していると思い込んでいて「錦市場を見かけたら寄り道する」ことも当然叶わず、おとなしく京都駅に向かった。

 お土産らしきものはコーヒー豆とお線香しか購入していない。
 16時45分から45分くらいJR京都伊勢丹の地下をうろうろし、楽味京都のお漬物(半割大根、千枚漬け2種)、アンリ・シャルパンティエ-ハナレ-の抹茶スイーツのアソートボックス、七條甘春堂の栗づくし「和風のモンブラン」と、夕食用のお弁当を購入した。
 その後、18時過ぎののぞみの指定席を購入し、新幹線の改札に移動する途中、京都の手作りの品を集めたようなイベントショップにふらふらと吸い寄せられ、中村ローソクの手描き蝋燭を購入する。

 新幹線の改札を通った後、あずき処 宝泉堂のカフェが珍しく空いていたので近寄ってみたら、17時45分ラストオーダー・18時閉店ですでに受付が終了していた。あまりにも残念だったので、併設の売店で賀茂栗を購入する。
 流石に買いすぎだよと遅すぎる反省をし、夕食のお弁当用にペットボトルのほうじ茶を購入してお買い物を切り上げた。

夕食 少しでも空いていることを願って新大阪発ののぞみを選び、かつ3席並びのうち窓側の席だけ埋まっている列の通路側を選んだら、真ん中の席はずっと空席だった。有り難い。
 名古屋を過ぎたところで、お隣に人が来ることはないと確定したので、夕食を食べ始めた。先ほどJR京都伊勢丹の地下で購入した、つぶら乃の京だし巻き玉子&国産牛肉と九条葱の薄焼き玉子サンドイッチである。
 蓋を開けたときにも思ったけれど、結構たくさん。そして、国産牛肉と九条葱の薄焼き玉子のサンドイッチの方は、バター感も強い。贅沢なお味である。このお弁当で、いくつ卵を使っているのかと思うと若干コワイ。

 夕食を美味しくいただいた後は品川まで爆睡し、品川で新幹線を降りて乗り換え、帰宅した。

 京都旅行記(2024)1日目 その3 <-

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2025.01.12

「母とヨーロッパへ行く」を読む

 2025年1月、何かもう久々に本を読んだ。
 太田篤子著「母とヨーロッパへ行く 母+娘100歳~の旅」である。

 2018年に出版された本で、少し前に購入していたので記憶が曖昧だけれど確か紀伊國屋書店とか大きな本屋さんで見つけて購入したと思う。
 すでに楽天市場では、電子書籍化または中古のものしか見つけられなかった。
 出版業界の移り変わりは激しい。
 しかし、コロナ禍前の旅行本が生き残るのはなかなか大変だろうとも思う。

 タイトルのとおり、著者が毎年ご母堂とヨーロッパ1週間の旅を楽しんで得た、準備のコツや現地でのあれこれ、持ち物などなど、「高齢の親と女性同士で出かける際の知恵」が満載の本である。
 もちろん嗜好や財力、行きたい場所や行った場所、語学力等々が異なったり追いつかなかったりしているので、まるっきりマネをすることはできない。
 何より、私は運転ができない。免許は持っているけれど、もう25年はハンドルを握っていないと思う。レンタカー、それも海外でなんて論外である。母も「あなたの運転する車には乗りたくない」と言う。もっともだ。
 それでも、先人の知恵はいただけるところはいただきたい。

 母と国内旅行はしているので、「年々老いを感じる」「無理ができなくなっている」を実感するというのはよく分かる。
 もちろん日常生活でも感じているけれど、注目するポイントが異なる気がする。

 面白かった。

(画像をクリックすると、楽天市場のお店に飛びます。)

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